2月15日葛西セミナーの記録 | 超音波検査のドクターズブログ

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株式会社臨海メディカルサービスの提供するちょっとみみよりな話

日時:平成23年 2月15日(火)


内容:18:00~18:45  腹部超音波 『症例提示』 
                 小野
良樹先生(日本大学医学部客員教授・臨海メディカル顧問)


    18:50~20:00  症例検討、まぎらわしい所見の鑑別 ( 深澤 )


会場:葛西区民館 講習室4




 小野先生より、膵臓の腫瘤 IPMC(Intra papillary mucinous carcinoma)についてのご講義を、画像を用いて行っていただきました。IPMCと伴に肝臓にはいくつかの肝血管腫やのう胞、腎臓にのう胞などを伴っていました。


 腫瘤による閉塞等が原因で黄疸が現れた場合、すぐに減黄術を行なうことが必須である。放置をしておくと、各臓器の圧が高まり、結果として大腸菌の滝登りが始まり、大腸菌の感染胆汁が肝臓の細胞へと流れ、Endotoxin ショックを起こすことになる。Endotoxinが血管の内皮細胞に働き白血球中のマクロファージを高める為、血栓を体全体に作ることになりDIC(Disseminated Intravascular Coagulation 播種性血管内凝固症候群)を引き起こす。やがて腎の血流がなくなり、敗血症となる。


 他に3つのポイントを教えていただきました。

   ☆Charcot 3徴

   ☆Raynolds 5徴

   ☆AOSC(Acute Obstructive Suppurative Cholangitus 急性閉塞性化膿性胆管炎)


         
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深澤社長より、初心者が間違えやすい鑑別の紛らわしい所見についての注意点や鑑別対策の説明を画像を用いて行っていただきました。


  Focal spared area   ⇔  腫瘤

  Focal fatty change   ⇔  腫瘤

肝臓のcyst       ⇔  下大静脈

  胆のうの多重エコーやサイドローブ  ⇔  Massの存在の見逃しor はっきりしない

  胆のうの壁肥厚    ⇔  脂肪組織

  腎結石          ⇔  腎石灰化

  Dromedary hump    ⇔  腎腫瘤

Mass様に見えるベルタン柱  ⇔  腫瘤

  右腎腫瘤 or 右副腎腫瘤   ⇔  肝臓由来腫瘤


 初心者向けに親切で大変わかりやすいものでした。