東日本大震災が起こって一週間が経ちました。
あまりにも出来事が凄惨で、飛び込んでくる情報がたくさんで、
なんだかもっと時間が経っているような気もします。

被災地のみなさんにとっては、この一週間が、
私たちが感じる以上にとても長く辛いものだったと思います。
それとは逆に、心や体は今も
あの強烈な地震の揺れと全てを呑み込んだ津波の恐怖を
ついさっきの出来事のように生々しく記憶していて、
今なお続く余震、消息のわからないままの家族や知人、全ての財産を失った喪失感、
厳しい寒さ、明かりのない夜の闇、救援物資の不足、
そして目に見えず忍び寄る放射能汚染の恐怖に身を震わせていることでしょう。

震災の被害を直接受けず、報道でのみその惨状をうかがい知る私たちも、
義援金への寄付、電気・ガソリンの節制など、微力ながら自分たちに今できることを探して、
実行に移しています。

個人による支援物資が都道府県単位でまだ受け付けられていないところがあったり、
首都圏では食料や電池の買い占めや、マイカーがガソリンスタンドに群がるように列をなし、
根も葉も無い、そして心も無いチェーンメールが行き交ったりして、
被災地以外の地域でも尋常ならぬ混乱が今なお続いています。

しかしながら、被災地以外では少しずつ日常を取り戻しつつもあります。
TVでは、AC(広告機構)の公共CMばかりがうんざりするくらい流れていたのが、
少しずつ企業CMが挟まるようになり、
番組自体もどのチャンネルも報道ばかりだったのが、ここ最近になって
バラエティーやドラマなどが復活しだしてきました。

私はそれでいいんだと思います。
震災に直面した地域や人々は今なお
その現実と混乱から脱することができない窮状の中にいますが、
私たちは幸運にもそうではありません。
被災地域とそこにいる方々を気の毒に思い、報道に釘付けになるのは人の情として当然ですが、
いつまでも同じように悲嘆に暮れ、無力感に包まれているべきではないと思います。
それよりももっとやるべきことがあると思います。

日常生活を維持しよう。
もちろん、節電はじめ節制できることは意識して。被災された方々のことを思いながら。

日常生活を維持すれば、経済が回る。秩序が保たれる。
それらはめぐり巡って、被災地への支援にきっとつながるはず。

今までどおりの生活すらしなければ、「ゼロ」どころか「マイナス」です。