「きみなき世界」
背中合わせの暗闇は、息づかいだけでも聞こえてくるけど、まったくきみがいなくなった世界
では、言い訳すらできないよ。去年の今頃、ぼくはきみなき世界の入り口にいた。そう実感し
ながらドアを開けた。あっという間に物語は終わり、きみのいない途方もない時間を救ってく
れた人がいた。その人もまた、去っていった。
「ANNIVERSARY」
記念日である。サラダの日ではない。これはラジオ番組から生まれた曲だ。放送中に夫婦では
ない一緒にいるカップルからの電話を受けるコーナーがあった。大半がラブホテルだの彼の部屋
からだの、まことにふざけたやつらばかりからだったが、その中に2週間後に結婚するというやつ
が登場した。それならどこから電話してきても許す。その二人に、そして今一緒に過ごしている
カップルのためにと2週間で作った曲がこれだ。うれしがって結婚式で使うとバカをみるぞ。と思っ
ていたら、いとこが使った。
「破れた恋の繕い方教えます」
できれば忘れ方のほうがありがたいのだが、もう一度だけ彼を振り向かせる恋の魔力なんて
与えられるより、もっといい男を見つけた方が、よくないか?人のことより自分の心配をしろと
いわれそうだな。。。コンサートでも幻想的な振り付けがとてもいい曲で、砂の惑星とかぶって
いる部分はあるが、大好きな曲ではある。
「14番目の月」
明日、満月をむかえる。こぼれ落ちそうな実が熟したいい女達。夜空を照らし、誰からも愛される。
まぶしいくらいに輝いていて、それでいて穏やかなのはきっと、いい太陽に照らされてるからなん
だろうね。ネットには14番目の月がいっぱい、いるような気がする。
「ハルジョオン・ヒメジョオン」
向こう岸を、歩いているのは確かに君だった。影だけでよくわからないが、確かに君だ。なんだ
そんなとこにいたのか。もっと近くにいると思っていたのに、言葉だけ寄り添ってきても、君自身
があんなに遠くにいたんじゃ、なにも聞こえないのと同じだよ。あと数時間で落ちる夕日を少しで
も追いかけたいのは判るけど、ハルジョオンに埋もれて前が見えないかもね。日没は思ったより
も早くて、時間に騙されたような気がした。そういうぼくは、古い腕時計の時間を少しも巻き戻す
ことはしなかった。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「ベルベットイースター」
ピアノの音がとても素敵な曲。イースターの日曜日。雪の積もった道をまだ眠っている君を迎え
にいく。かじかんだ手を暖めてくれる暖炉に火を入れるのもぼくならば、暖かい紅茶を入れるの
もまた、ぼくの役目。曇りガラスの向こうに幸せがあるのなら、きみとぼくの名前を書いた跡から
そっと覗いてみよう。みんなが急ぎ足で通り過ぎていくのなら、もうすぐ教会の鐘が鳴る時間だ
ってことだよ。
「やさしさに包まれたなら」
実はこっそりとカメラを持ち込んでいた。コンサート会場入り口の厳しいチェックをくぐり抜けて、
ドキドキしながら、チャンスを伺っていた。もちろんフラッシュは、たけない。照明が最高に明る
くなったところを狙いたい。そして、ステージが白一色に染まるようなこの曲が始まったとき、
そっとカメラを握りしめた。と、天使のかっこうをしたガキがわんさかとステージに出てきた。か
わいい演出だが、今度は前の方の席のおばさま達が一斉に立ち上がり、我が子の写真撮影
をはじめた。ぼくはとっさに壁際を前に進み、「ようこ~~」と、まるで自分の子供がでているか
のように叫びながら写真を撮った。しめしめ。帰って現像した写真は知らないガキばかり写って
いて、ユーミンはどこにもいなかった。
「トランキライザー」
浅い眠りがずっと続いていた。起きていると君のことを考え、夢の中で君に会おうとするから、
深い眠りはなんだか「今」に帰ってこれなくなりそうで、浅い眠りの中にいた。苦いコーヒーを
飲んだ後、トランキライザーを半分。反対方向のベクトルの落ち着く先は、いつも浅い眠りだっ
た。白いシーツをぼんやり眺めていると思ったら、突然の暗闇がやってくる。繰り返している
うちに、こんなところで立ち止まっているうちに、君がほんとうにいなくなり、世界は灰色に染
まった。これでやっと、苦いコーヒーをやめてトランキライザーはひとつにできる。
「天国のドア」
だからぁ、ドアをみつけたって鍵がなきゃ入れない。ノブに手をかけてガチャガチャすることは
いままで何度もあったけど、鍵がない。呼び鈴を鳴らしても返事だけ。のぞき窓もないなんて
一体、どうしろと言うんだ。つまりそれは、もうとっくに誰かがドアの鍵を手に入れてるってこと
なんだろうか?気がつかなかった。。。
「冷たい雨」
「結婚する気、ある?」
「あるよ」
「うそ?」
「ほんとだよ」
「ううん、うそよ」
「そんなことないよ」
「いや、うそだと言って」
おいおい。なんだそれは。
「言ってくれなきゃ、私、結婚できない」
「誰と?」
「・・・・・」
今までゴールを目指して走ってきたマラソンランナーとこれから走り始めるランナーの間に、
冷たい雨が降り出した。はやくゴールを切りたい思いと、スタートを躊躇する思いが生まれ
た。そしてそのまま彼女はテープをきった。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「ひこうき雲」
長い坂道は、空まで続いてる。石畳の道を昇り詰める。振り返ると地中海は、午後の光の中に
隠れていた。ミラノの街は中世のまま、ずっと時間を止めている。この街で育つと、他にはいけ
ない。そう言って笑った君の上空を、彼女を乗せた飛行機が去っていく。中世の街にひこうき雲
は似合わない。坂を下りて見上げたとき、ひと刷毛の雲は消えかかっていた。
「曇り空」
雨がやんでも空は曇ったまま。泣きやんでも、気分は同じ。一日中、外を見ていても、いっこうに
晴れ間が見えてこない。こんな日がずっと続くのか。何をみてもモノクローム。古い曲を聴いてみ
ても、あの頃には帰れない。そしてまた雨。傘はひとつしかない。それは誰かがさしかける、突然
の出会い。だけどあなたもまた、曇り空を見上げている。
「恋のスーパー・パラシューター」
パラシューターズボンが流行った時があった。当時1本10,000円程した。今思えば、もうなんで
こんな色をというようなものを、買った。パステルの縦縞のシャツを着て、海に出かけた。サマー・
ハウスで、おでんでも売っていればさぞ様になっただろう。そんな服が出てきた。探していたどてら
の下からでてきた。履いてみる。おぉ最近流行の土建屋さんが良く履いてるカラーの作業ズボンみ
たいだ。これがまた、悲しいくらいに似合う。あの頃のぼくには、似合っていたのだろうか。
「きっと言える」
「内緒にしておいてくれるなら、教えるけど」
「いやだ」
「なんでだよ。内緒にしておいてくれよ」
「絶対にいやだ」
友達の内緒話。いきなり、頼みもしないのに教えるけど、ときたもんだ。絶対に聞いてやらない。
聞いて欲しいんだけどなら聞いてやる。まして、内緒にしておけと精神的プレッシャーをかけると
は、おまえは何様だ。そうそう、あの弟は元気か?
「実は、・・・」
やめろっちゅうに。しゃべるのは勝手だが、内緒になんかしないぞ。
「仕事をやめたんだ。嫁には内緒で。。。」
う~ん、最近どうりでよくうちの事務所にくると思ってた。ひとりで昼飯をたべるのがよっぽど寂し
いのかと思っていたが、それだけじゃなかったんだ。
「今日、嫁さんに電話してやる」
「ひえ~、それだけは勘弁してくれ」
「じゃ、自分で言え」
「・・・・・」
「嫁さんに言うまで、ここには来るな。共犯になっちまう」
あれからあいつ、来ないなぁ。
「紙ヒコーキ」
こどもの時、鶴は折り紙で、兜は新聞紙で作った。はて?紙ヒコーキはなんで作っていたんだろう。
新聞の広告のような気もするし、ノートを破っていたような気もする。でも、結構上質な紙を使って
いた記憶もある。思い出した。ぼくの場合はわら半紙だ。先生がミスプリとか、使い終わって余った
試験用紙をいつも机の端に積み上げて、落書きやメモに使いなさいと置いていた。それをしこたま
キープして、紙ヒコーキを作ったり、ノートがわりに使っていた。この先生はぼくたちのことが好きな
のか、当時、そういう事情だったのかしらないが、小学校の4年生まではクラス替えがあったのに
5~6年とそのまま持ち上がりやがった。そして忘れもしない6年生の初日。いきなり性教育をは
じめた。しかも、おしべとめしべではなく、にわとりを例にだして説明を始めた。しかも主体はにわ
とりだった。
「人間が興奮して頬が赤くなるように、にわとりのトサカも赤くなります」
という風に、なぜにわとりが赤くなるのか、なぜたまごを産むのか。人間と比較して、くわしくにわ
とりを語った。みんななにがなんだかわからなくて、なんだか自分がにわとりのような気さえして
きた。ぼくはしばらく、女子がにわとりに見えてしかたなかった。「玉子、産んでみろ~~」とか、
大変失礼なことを口走っていた。
本当に、ごめんね。ああ、やっとあやまることができてホッとした。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「雨の街を」
街灯に照らされた雨は、結構高い位置から降り注いでいるようだった。ポストの上に君の名字。
靴に染み込んできた冷たさが、もう長い間ここに立っていることを教える。冷やさなければいけな
い頭以外は、もうびしょぬれ。傘を持つ手は震え、カバンを持つ手は感覚がない。でも、このまま
じゃ一歩も歩けないんだ。雨の街は、どこへいけばいいのか、わからない。泣いて済むなら、こん
なにいい街はないんだけどね。
「返事はいらない」
夏に当たった懸賞品がやっと届いた。Tシャツかキーホルダーを送りますと書いてあったが、後者
が届いた。ペットボトルにくじが付いていて、捲ってみると当たりだった。ブラボー。あの感動から
3月。2週間以内に送ると説明書きにあったのに、このざまだ。途中、応募者が多くて製造が遅れ
ている。迷惑かけてすまん、というハガキが来た。つまり、当たりを引いても送ってこない奴が多い
と踏んでいたが、思いの外、物欲しい奴が多かった。こういうことらしい。当たり前だ。非売品の収
集家が増えてるんだから、いつ高く売れるか知れやしないのに。だから、貰った方も使わない。全
国の、賞品はどうなってますか?に返事はいらない。その経費で2個送ってくれるほうが、誠意が
あると思わないか?
「生まれた街で」
曲の感想を全然書いてない。その上、雑記とほとんどかわらなくなってきている。まして、おもい
つくままに書いていたので、曲名が被りそうになって、収拾がつかない。だから誰も気づかないと
思って、前回から古いアルバムから順にまだ使っていないタイトルをなぞっている。言わなければ
いいものを。。。初心を忘れている。何かをやろうと思った気持ちが生まれた時に、また帰れるだろ
うか?
「海をみていた午後」
須磨海岸は、ラッキーハッピィーな場所だった。友達と二人で、仕事を休んでは出かけた。サング
ラスをかけて、鼻の下を伸ばしていた。一般論として、男とは実にいやしい生き物だ。互いに目標
物を決めて、堪能していたが、ある時気が付いた。こいつのサングラスは色が薄い。ぼくのは、ミ
ラーになっているやつだったが、こいつのは1,000円位のUVカットがついていないやつだった。
観察していると、目を大きく見開き、顔は動かさないがキョロキョロしているのがよくわかる。ぼくは
生まれて初めて変質者の横顔を見たような気がした。もちろん、注意などしない。
「あなただけのもの」
そうなんだよ。ぼくは、今でもきっと君だけのものなんだよ。なんて言ったら、こんなに迷惑な話は
ないだろうなぁ。逆に、あなただけのものよと言って、今、他の人と一緒にいるんだから、かなわな
い。でも、あの時はお互いそう思えたことが幸せだよね。あの幸福感は確かに、あなたとだけのも
のだったはずだから。。。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「魔法の鏡」
わざわざ魔法の鏡で見るほどのこともない、とりたてて変化のない生活をしている。世の中が
例え、180度変わっても、ぼくの生活サイクルなんてきっと代わり映えしない。もしかしたらリ
サイクルされちゃってるかもしれないけど。。。とにかくこんな鏡はなんだか怪しげにゴミ捨て場
に捨ててあったりして、誰かが近づくと、キラリと光そうな気がする。ぼくが通り過ぎようとした時
裏返るんじゃないぞ。そんなことしたら、踏みつぶしてやる~~。
「たぶんあなたはむかえにこない」
煮詰まった恋の最後の答えは、案外一緒に出すものじゃなくて、行けるはずのない場所や時間
に待ち合わせをすることなのかもしれない。無理なお願いを無理矢理叶えることは、きっと罪なん
だろうね。傷つける言い訳と傷ついた言い訳が同じ場所にあることのほうが大切なこともある。
これも最後の思いやりなのかもね。。。
「私のフランソワーズ」
どんなに流行の歌を聴いたって、毎晩ヒッキを聞いていたって、結局はいつものナンバーが聞き
たくなるものなんだなぁ。もうこころに染み込んじゃっているアーティストは一生付いて行くしかな
い。遠回りしても、立ち止まっても最後に帰る場所はそこしかない。
「旅立つ秋」
心穏やかな旅立ちだったとおもう。きっともう帰ってこないつもりなのもわかっている。ただ、行き
先だけは教えてほしい。生きるために、また新しい誰かに出会うために選んだ道だと信じたい。
しばらくは、誰も愛さなくてもいいから自分だけは愛してやれ。そんなに少ない荷物でいいのか?
いつかまた戻ってきたら、酒でも飲もう。
彼は言った。
「悪魔のような女は、どこにでもいるもんさ」
僕は言った。
「悪魔にあったことがあるのか?」
彼はにっこりと笑ってくれた。ぼくはよかったと思っている。そんな女とさよならしてくれて。ただ、
彼は絶対に忘れられないらしい。彼女でなきゃだめらしい。けどね、お前じゃなきゃだめな子も
きっと現れるんだよ。その時、その気持ちをちゃんとわかってやれよ。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「あの日にかえりたい」
そこから前の自分とそこから今に続く自分の分岐点があのかえりたい日。つまり幸福の絶頂
なのかな?だけど、そんなとき、ぼくなら舞い上がって、熱に浮かされたようになって、あとで
思い出したりして堪能できないほどハイになっているに違いない。幸せの絶頂のほんのすこし
手前がいいね。予感と期待に挟まれて前しかみえない。そんな思い出せるあの日は、いつか
また来るのだろうか?
「少しだけ片思い」
なんとなく過ごしていて、ふいをつかれるとそのことが頭を離れない。離れないから考える。
考えるから気になる。気になるから頭を離れない。一言一言が気になりだす。一言一言に
気を使う。おぼろげな心に変化に気が付いたときはもう遅い。こんな恋はしんどい。早期発
見・早期治療ができない。なんとなく気になってる自分自身に気づいて、さりげなくお話を
する。少しだけ片思いなら、きっと毎日が楽しい。お互いに好きになったら、いつか終わりが
来たときに憎み合わなきゃいけないかもしれない。同時に終わることのない物語なんて、
不器用な人にはつらすぎる。だから、少しだけ片思いならきっと毎日が楽しい。
あの時、あんなに素敵な人は、いまも何一つ変わっていない。
「ルージュの伝言」
ぼくは、お化粧があんまり好きじゃない。5分くらいでササッと終わるくらいの感じが好きだ。
後は、いつでも走り出せそうな服装で、冬の街を背中を丸めていっしょに歩きたい。なのに
親族一同の女性達は、やたら化粧が濃くて、塗りたくる時間も長い。出来上がりのあまりの
美しさにみとれて、時間を忘れているなら許そう。でも、もちろんそうじゃない。基礎編でじっ
くり時間をかけた後、応用編で倍かかる。しかも、いくつになっても同じ調子だ。ぼくは2歳の
時に、化粧に夢中になっていた叔母におもちゃとしてヘアスプレーのふたを手渡され、丸飲み
してしまい、のどに詰まらせてあやうく死にかけたことがあった。
「あ、ラッキーですね。これ、ふたが逆に入っていたら、なかなか取れなかったですよ」
と医者に言われたらしく、親戚一同に
「ぼいちゃん、運がいいから」
といまだに言われる。ぼくより後から生まれてきた奴らにも言われる。しかしぼくはもちろん
覚えていない。ただ、子供心に記憶にあるのは、三面鏡の不思議さと色とりどりにならんだ
とてもきれいなルージュの匂いだけ。
「翳りゆく部屋」
確か西日がさしていた。断片的な記憶をたどると、ポツンとひとりで立っていた。なぜか
目の前にハンドルのない三輪車。斜め前には大きな病院が見える新聞屋の二階の部屋
の前。よそゆきの服を着たぼく。いつの間にか、つきあたりのコンクリートの急な階段に向
かって三輪車を漕いでいる。はじめて来た場所。左に曲がったとたんに階段だとはいちい
ち覚えていない。ハンドルもなければ、もちろんブレーキもない。宙を舞う。三輪車のもの
すごい衝撃音。薄暗い階段下。親の叫び声。
「これね。もう少し右だったら、頭蓋骨が割れてましたよ」
「そ、そうですか?」
「おくさんね。頭を打ってるのに、ほら血がでてるでしょ?そのまま持って来ちゃだめですよ」
「もう、びっくりして」
3針ほど縫ったそうだ。他に外傷はなかった。その階段を登り母の友人の家のベランダから
窓の外を見たとき、まだ夕暮れだった。三輪車は横倒しにされて窓の下に置いてあった。
さっきまでの自分を捜してみたが、いなかった。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「コバルト・アワー」
夢の世界を、さぁ飛び越えて1960年へ。。。
こんな歌詞ではじまるこの曲は、コンサートでは埠頭を渡る風と聞き違うくらい前奏が似ている。
初期のこの作品には、後の名曲の要素がたっぷりと詰め込まれている。どこがと言われても、
困るのだが、歌詞や音楽性その他もろもろのポップな曲のおおもとであることは間違いない。
ユーミン・ワールド入門にはかかせないと断言しておこう。
「花紀行」
見知らぬ街をひとりあるいたら、風は両手に花びら散らす。。。
こんな歌詞ではじまるこの曲は、ってさっきと出だしが同じか?それぞれの歌にいろんな思い出
があるけど、これは卒業式でみんなで歌った思い出がある。なんとも寂しい歌を歌わされたもん
だが、中学の校門を最後に出たとき、明日からの希望より今日からひとりになってしまう寂寥感
のようなものを感じてしまった。なつかしさは唯、やさしさやたのしさだけじゃなく、さびしさの中に
もそっといる。さびしい思いも、大事にしなくちゃ。。。
「チャニーズ・スープ」
椅子に座って爪を立てプチオニオンの。。。
こんな歌詞ではじまるこの曲は、ってきっともういちどこのパターンでやるだろうときっとあなたも
思ったはずだから、つい。
この曲は、出だしが絶対に「椅子」であり「イス」ではない。ロッキング・チェアーなのか大きな食
卓に無造作に並べられた丸椅子かもしれない。いずれにせよ、木製でなければならない。なの
にプチオニオンだとかチャイニーズ・スープだとかという言葉でますます「椅子」から離れていきそ
うな歌詞の展開が絶妙。アンティークな中に古道具があっても、いいじゃない?
「雨のスティション」
待ち合わせの確認の電話をしたときは、まだ雨が降っていた。駅に近づくにつれ少しずつ雲は
薄れ、改札を出たときは傘も乾いていた。ぼくのほうが遠くから来たのに先に着いて待つ。ひっ
きりなしに到着する電車から、人が押し出されて来るたびに緊張する。誰ひとり見逃さないよう
にと、目が充血するくらいに改札口を見つめていた。始発の富山行きサンダーバードの発車を
知らせるベルとほとんど同時に、目の前に君がいた。季節はまだ、秋がはじまったばかりの頃。
彼女は二つの物語をそっとバックに隠していた。ぼくはほんとに短い短編集を読んだ。だけど、
短いくせになにも覚えていない。まして、もうひとつの物語が分厚いことを祈る気もしない。
ただ、あの日はあの後、また雨が降ったのか、止んだままだったのか?そんなことすら思い出
せない日だったことだけは確かなようだ。。。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「アフリカへ行きたい」
実はこのタイトルで、躓いていた。アフリカには行ったこともなければ行きたいと思ったことも
ない。知らないことのほうが多いのが人の人生だが、別に知らなくてもいいことが多いのも
また人生だろう。じゃ~まぁそういうことで。。。いいのかなぁ。。。
「さざ波」
実はこのタイトルでも、躓いていた。人生には、いろいろな波があって、大きな波はよく覚え
ているけれど、さざ波程度のいざこざはよく覚えていない。別に覚えていなくてもいいことが
多いのもまた人生だろう。じゃぁ~まぁそういうことで。。。いいのかなぁ。。。雑記の書きすぎ
かもなぁ。。。
「さみしさのゆくえ」
こういうタイトルこそ、ドラマが必要だ。唐突にアフリカに行きたいと言われても、ほならいって
おいでとしか言いようがない。さざ波なんて小さなものではなく、大荒れ日本海の波打ち際の
方が大河ドラマが書けるような気がする。それに比べてさみしさのゆくえである。行方を気に
する限りはきっと不明なんだろう。サスペンスの匂いすらする。その不明者がさみしさときたら
もう、探しようがない難解なキーワードだ。そんなもん、ぼくに解けるわけがない。ただ、その
キーワードは誰もが抱えている。心のどこか片隅にじっとしていて突然表面に現れたりする。
でもそのキーワードを知ったところで、誰もたぶん幸せにはなれない。開けてみたって、そこに
は自分の抱えてるさみしさしかないなんて、つらいだけだろう?だから必要なときにすこしだけ
味わって立ち直る。少ししょっぱいこころの処方箋は、どこかにそっとしまっておこう。。。
「朝日の中で微笑んで」
はじめて女性と朝を迎えた日はいつだっただろう?あ~そうか。そんなことまだ一度もないや!
という嘘は置いといて。。。
「親になんて言ってあるんだ?」
「内緒」
「なんでだよ~」
「別に知らなくてもいいじゃん」
「まぁな。けど、気になるじゃん」
「ばれたとき、代わりに言い訳してくれる?」
「ばれそうかどうか気になるじゃん」
「大丈夫」
「ほんとかぁ?」
地元ではまずいので、前もって彼女が友達から情報を仕入れていた某所に泊まることにした。
歌劇で有名な町のひとつ手前の駅で電車を降りた。ぼくは彼女からメモを渡された。降りる駅
と某所の名前が書いてある。その下にタクシーで15分くらい。19:00に行け!と書いてあっ
た。え?タクシー?。駅前で彼女はサッサと乗り込んで顔を急いで伏せた。
「お客さん。どちらまで?」
「え?あの~、え~~と。それがその~~」
「は?」
「あの~タクシーで15分くらいの所なんですけど、19:00までに着きますかね」
「今、18:30だから大丈夫だと思いますけど、どこ?」
「どこといわれましても・・・」
「はぁ?」
「あ、いや。ここにお願いします」
メモを渡した。運転手は本当にうれしそうな楽しそうな顔でニヤリと笑った。
「いいね、いいねぇ。若い人はいいねぇ。あ~~~いい!」
たしかに15分。しかしずっといいねの連発だった。無事に到着した。入ろうとしたぼくを彼女は
制止した。
「19:00になったら入ろう」
「なんでだよ~~。腹へったよ~~」
15分も建物の前でお預けをされた末。時間が来たら彼女は先に中に入っていった。部屋を選
んでエレベーターに乗る。四角い箱の赤い絨毯の隅っこに紙片が落ちていた。それを彼女が拾
った。開けてみる。「先に着いたので○○に入室。着いたら電話してね」と、彼女の友達からの
手紙だった。。。。つづく。。かな?
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
「何もなかったように」
部屋につくなり、電話。ずっと電話。お腹がすいたというのに電話。気がついたらぼくは寝ていた。
目が覚めたら、夜中だった。食べ散らかされた弁当。寝っころがっている、彼女と空の缶ビール。
サンドイッチと缶コーヒー。静かにシャワーを浴びる。初めて聞く、女のイビキ。揺すっても起きない。
翌朝、モーニングコールで起こされる。ほとんど同時に電話。出る時間を約束してやがる。15分後
だと。慌てて身支度。二組のカップルは何もなかったように、タクシーを拾い駅へと向かう。だって
本当に何もなかったんだもんとつぶやく。。。
「天気雨」
前を歩く君。思ったより肩が小さい。半袖から出た腕。華奢で細い。いつもジーンズばかり履い
ていた。飛び跳ねるように歩く。こっちが立ち止まってもおかまいなし。ドンドン先に進む。突然
振り向く。そこに、天気雨。
「あれ、雨?」
「あ~、すぐ止むよ」
「どうしてわかるの」
「だって、晴れてるから」
「どうして晴れているのに雨が降るの?」
「さよならの時が近づいているからだよ」
本格的に降り始めていたことに、気づかなかった二人だった。。。
「避暑地の出来事」
「おい、暑いじゃないか」
「だって、夏だもん」
「カラっと晴れていて涼しいと言ったじゃないか」
「やかましいわね。男のくせに」
「・・・・・」
夏の旅は避暑のためだと思っていたが、どこに行っても暑い。どこそこよりマシという程度。
だったら、家にいてクーラーにあたっている方が経済的だ。
「晩夏」(ひとりの季節)
アルバム「14番目の月」の中の一曲。次の夜から欠ける満月より明日満ちる14番目の
月が好き。なのに、ゆく夏を思うこの歌はスローな名曲。真昼の汗をすべてシャワーで流し
た後、夕日がもう少しで落ちる時間。わずかな夕涼みは心の休息。浴衣姿にうちわ。また
いつもの夏が終わろうとしていた。今年もまた、いつもの夏がやってくるのだろうか。。。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
●9月には帰らない
ここからは、「紅雀」というアルバム曲に入る。ちょうど、ユーミンの名前が、荒井から松任谷
に変わった時だ。ファンとしてはいささかの違和感は感じたものの、別に結婚しないで~とか
とうとう彼女は他の男のものになっちまったとか、全然そういう気持ちにはならなかった。そし
て、このアルバム以降の圧倒的なパワーを思うと、いい結婚だったんだろうなと思う。さて本
題に入ろう。9月には帰らないそうだ。長い夏休みでは足りないのか?それとも田舎の両親
から帰って来いと言われたが、9月は勘弁してくれということか、いづれにせよ9月にはという
ことは、それ以降には帰る予定らしい。ホッとした。えっ?歌が思い出せないんだろうって?
いや、9月には思い出しているとおもうけど。。。
●私なしでも
確かに、君なしでもぼくはこうして生きている。さみしくてたまらない夜が何日も続いたけれど
仕事をしていても、ふとした拍子(4拍子か?)に、君がいなくなった現実に泣きそうになったり
もしたけれど、その悲しみはきっと恋愛の終わりではなく誰かと比べて捨て去られたこと。ぼく
が必要とされなかった、人としての挫折感のほうが大きかったのかもしれない。
あなたは「私なしでも」平気で生きていけるだろうけど、あの人は「私なしでは」生きられない。
君は、ぼくなしでも、平気なんだね。君はあの人なしでは生きられない。だったら、裏切ったと
思う気持ちを、あの人のせいにしないで、去っていけばいいのに。。。
●地中海の感傷
ベニス辺りで、1週間くらいのんびり過ごすことができれば感傷に浸ることもできるだろうが
大抵の場合、1日自由行動とかで、後はもう見物・見物・見物である。この曲ではないけれ
ど、ユーミンの曲が主題歌に使われた映画の舞台となった町はまさに地中海沿いの田舎町。
凶悪犯罪を重ねる17才くらいのやつらは、物心ついたころに見ているはずなんだが、やさし
い心を養う反面、やはり特別な人にしかできないことへの憧れもうえつけたんだろうか?でも
みんなが、ほうきに乗って飛べる宅急便屋になってもねぇ。。。
●紅雀
このアルバムから、いやこの曲あたりから、ひとつの流れが出来上がっているように思える。
東南アジアや南米など、暑い国の音楽。でも、砂漠や星だけが頼りの夜は漠然とした明日
がみえない孤独を感じずにはいられない。テンポのよさでは「恋の1時間は孤独の千年」や
「インカの花嫁」スローな曲では「バビロン」や「時はかげろう」がお気に入りだ。こういった曲
から脈々と流れるメッセージをしっかりと受けとめたい。え?紅雀?歌が思い出せないんだろ
うって?いや、いま久しぶりに聞いているところなんだ。。。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
●罪と罰
行いと結果とでも言えばいいのだろうか?罪の軽重に対して当然のように罰があるとするなら
罰をもって、自分の罪の重さと愚かさを知ることも必要だと思う。少年だからここまでという考え
ではなくて、あなたの犯した罪は実刑10年です。しかし、年齢的に人格形成が必要かつ可能
なので、こういう処置をします。少年院3年・刑務所3年・保護措置4年とかカウンセリング期間
を長期に渡り設けるとか、ひと工夫欲しいなぁ。。。
●出さない手紙
ここ一番に弱いぼくは、出さなかった手紙というかメールを数多く抱える。心の中だけで書いた
物、文章にまでした物。いずれも支離滅裂なまま、ほっぽってある。しかも誰に書いたかわか
らないものも多数あったので、削除した。出せないのか、出さないのか。微妙な所ではあるけ
ど最初から出すつもりがないのなら、書かない方がいいよねぇ。。。
●白い朝まで
勇気というものを持てなくて、思い詰めているのに遊んでいるふりをする。何度も繰り返して
いるうちに、愛し方が下手になる。天の邪鬼なバリアは、自分自身もあと1歩を踏みだせな
くしてしまう。考え方が生き方に変わり、バリアは常に張られ、見えない鳥かごの中に閉じ
こめられている錯覚は朝のもやに似ている。でも、中から開けられればそれでいいよね。
●LAUNDRY-GATEの想い出
どこなんだろう?洗濯機の入り口?少しだけ一人暮らしをしていたときに、二層式洗濯機を
使っていた。洗濯物を放り込んで、洗剤を適当に入れる。タイマーを回せば、洗いすすぎの
開始。土曜日の午後は、ユーミンのサタデーアドベンチャーを聞きながら少し開けたサッシ
の向こうで、音が止まるのをうつらうつらしながら待っていた。水の音、夕方のやさしい日差
し、いつの間にか止まった洗濯機。セメントで固められた物干し台のある小さな庭。明日する
ことがないので、干すのはよく日曜日に回していたなぁ。。。
●残されたもの
涙、後悔、苦い思い出、自分自身。ろくなものが、残っていない。。。。。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
●真冬のサーファー
ポップな歌なんだけど、片思いのせつない気持ちが伝わってくる。
昔よく、和歌浦というところ釣りに行った。ある夏、友人の一人が
サーフィンを持ってきたので、みんなでかわるがわる乗ってみた。
帆があるタイプで、 足をひっかけて、腕の力だけではコントロール
が難しかった。
「お~~い、ぼい。もしかして、初めてか?」
「お~~、初めて~~」
「向きの変え方、知ってるかぁ?」
「知らない~~」
沖に流される途中、真冬でなくてよかったと思いながら海に飛び
込んだ。
「な、なにすんだ。バカヤロ~」
持ち主の悲鳴が聞こえたような気がしたけど、潜ったまま岸に急
いだ。。。。
●静かなまぼろし
思い入れのある曲名の時は、記憶が勝手に蘇ってくる。コンサート
では弾き語りの定番。初めてこの曲を聴いたときはまだ高校生くら
いで、恋愛ってなんともまぁ時として意地悪な運命をもたらすものな
んだろうと、印象深かった。今の恋と前の恋。時間という距離は意
外なほどあてにならなくて、一瞬にしてあの日に気持ちは帰れる。
●魔法のくすり
くすりと言えば、副作用が気になる。前の恋を忘れるためには、新
しい恋を見つけろとよく言うような気がするが、そうそう簡単に見つ
かるものでもないだろう。そういうときこそ、この魔法のくすりが効く
のかもしれない。恋の悩み答えられるほど、火の粉くぐって来た訳
じゃないんだけど、前の彼を思い出しなさい。この歌詞って、副作
用というよりは、ショック療法かもね。。。
●キャサリン
ぼくは、人の名前や顔を覚えるのが苦手だ。だけど、1時間ほど
仕事の話をしたのに、翌日顔を覚えてないと言われ、その後何
度も事あるごとに、覚えてないと言われ続けると、その人とは一
緒に仕事なんてしたくなくなるよね。。。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
●Corvett1954
めずらしいデュエットの曲。中央フリーウェイとはまた違った味がある
車が宙空目差して飛び出していくような歌詞と曲。君の赤い爪のよう
な、ライトは流線型。鮮麗された、都会の大人の恋の雰囲気が漂う。
満点の夜空の中を、2人だけで駆け抜けることが出来たらいいね。
●入江の午後3時
真冬のサーファーを始め、渚にまつわる曲の中のひとつ。まだ太陽は
高く、なのに帰る時間が近づいている。そんな時間を切り取った曲。
濡れたシャツを絞ってあなたが待つ場所へと急ぐ。妙になまめかしい
歌だと思うのはぼくだけか?
●かんらん車
目の前に1枚の絵画を思い浮かべる。窓辺に置いたイスにもたれて
いる少女。窓の外は夕焼け空。山の上からは私を忘れる頃思い出と
なる車が降りてくる。川向こうの街の風景は、ハルジョンに埋もれ、テ
ラスでは老夫婦が経る時を過ごす。落ちていく夕日の薄暗い雲の間
に、寂しげなかんらん車。少女の想いはついつい今日の昼に見た静
かなまぼろしを追いかける。
●12階のこいびと
アパートメントのそれぞれの窓から、それぞれの生活が見えるとした
ら、きっと一日中あきないだろう。ただ、なんとはない生活はほとんど
自分と一緒でつまらないかも知れないが、同じアパートメントに住ん
でいると、今何しているのか判らない不安に襲われる。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
●未来は霧の中に
この曲の歌詞のなかで「未来は夢をみている」という一節が好きだ。
いつも、夢を見ていてほしよね。生きることは、未来に向かうことで
その未来がいつも夢をみているなんて素敵なことだ。夢とは可能
性であり、決して約束された幸せじゃないんだろうけどね。。。
●青いエアメイル
「5年いえ8年経って訪ねたら 声もかけれぬほど
ステキな人でいて欲しい」
この曲を初めて聞いたとき、このフレーズを聞いて、青年実業家に
なっている自分を思い浮かべた。結局誰でも代わりができる社会
の部品となり、ただのおっさんへの道を突き進んでいる。もう一度
今から8年後の自分を思い浮かべてみても、もう手遅れか。。。。
●ツバメのように
もう会えない彼女の最後の旅。この一言で主人公は空に飛んだと
思わせる。途中で引き返したくなったら、地面すれすれに、スィーと
大空に引き返すことができる幻想を、ふわふわと無責任にネットを
飛び交ってるぼくたちは持っている。現実は叩きつけられる無様な
自分しかいないというのに。。。
●最後の春休み
学年どころか通う学校そのものが変わる時期でもある。徒歩通学が
電車や自転車に変わり、大人達の群と一緒に歩く距離が長くなる。
態度のでかい学生の横をすり抜けるように駅に急ぐ。背中を丸めた
オヤジ達は、自分の学生時代はどうだったんだろう。きっと、大人が
怖くて、その横をすり抜けて居たに違いない。ということは、今の学
生が社会人になったとき、どうせ態度はでかいだろうから、今のオヤ
ジ達の世代の子供たちは、やっぱり親と同じようにすり抜けるように
歩くはず。つまり、道の真ん中を歩く家庭とすり抜ける家庭に分類さ
れてるんだねぇ。。。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
●甘い予感
バレンタインの数日前。その会話はかわされた。
「今年、チョコレートくれるの?」
「ううん、用意してない」
「そっかぁ。。。」
「あれは、本命だけにあげるものでしょ?」
嫁との会話なんて、こんなものだ。。。
●帰愁
オリーブというアルバムのなかで、この曲だけが異彩を放っている。
未来やおとぎ話的な歌が多いなかで、ひときは現実的でもの悲しい。
小さい時からずっと過ごした故郷で失恋すると、居られなくなり帰れ
なくなる。そして行き場を失った心は彷徨いつづけ、一生つきまとう。
自分の中のストーカーほどやっかいなものはない。
●風の中の栗毛
そういえば、小学校6年生の時に夢中になった読み物がいくつか
あった。荒野の叫び・白い牙・ノストラダムスの大予言、そしてやじ
さん・きたさん。小学館の6年生に連載されていて毎月が楽しみだ
った。なぜか小話というか短い落語も連載されていて、それを覚え
てクリスマス会などの出し物として、はずかしげもなくやっていた。
クラスのほとんどが「黒猫のタンゴ」とかを、しかも複数で歌う中、
ぼくだけ演題が落語だった。しかも、みんな前もって本で読んでる
のでぜんぜん受けなかった。しかし、先生だけは爆笑していた。
あんた、小学6年生を読んでなかっただろ?
●稲妻の少女
やじさん・きたさんといえば、東海道中ひざくりげ。もちろん風の中
を旅したことだろう。さて、稲妻の少女と言えばなんだろう?何も思
い浮かばないので、仕方なくオリーブのCDを引っ張り出してきた。
歌詞カードを見る。曲を聴く。昔、ギターを引いてた頃に買った楽譜
まで出てきた。小器用なぼくは、ある程度まではうまくこなす。しか
し一度壁に当たると、あきらめてしまう。人生そのものだ。楽譜には
所々なにか書いてあった。あまりに汚い字なので読めないが結構
真剣に練習してたようだ。と思ったら、数学の記号だった。。。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/