「恋人がサンタクロース」

突然、仲の良かったおねえさんが嫁いで行った。あんた、彼氏いたのか?当時25~6才の彼女は
15才のぼくからは、すっごい大人に思えた。よく、近所のお好み焼き屋で牛乳を奢って貰った。ほ
んとうは、モダン焼きの方がうれしいのだが、育ち盛りには牛乳を飲むといいと言ってよく奢っても
らった。アイスクリームやチェリオやコーヒー牛乳の入っているボックスにもたれて、閉店間際に向かい合っておしゃべりした。特に夏は、薄い水色のワンピースを好んで着ていた。うっすらと浮かぶ下
着の線にドキドキしたのを、覚えている。3年後。子供を抱いてお好み焼き屋を訪ねてきた。
立派なおばちゃんになっていた。

「瞳を閉じて」

離島の学校の校歌として作られたことを、コンサートMCではじめて知った。うかつだった。
もし、もっとはやく知っていたら転校していたのに。。。


「タイフーン」

風の音で目覚めた夜明けは薄明かり、あなたの肩にかけるシーツ。
スローな物語の出だしが大好きな曲。「最後の嘘」に風景が似ている。白い建物に波の音。
揺れる椰子の木。小さな島の高台。リゾート地の外れに誰かが落とした物語。どうして?
結実しない恋は夢のような空間をいったりきたりしかできないのだろう。それは、結末まで
ページをとばしたり、栞を挟んでそのままにしておけるからかもしれない。

「時をかける少女」「時のカンツォーネ」

ご存じ映画の主題歌。歌詞は同じのアナザーバージョン。といえば、チューリップの財津とオフコース
の小田と3人で歌った「今だから」を思い出す。A面が有名だが、B面の「今だから」アナザーバージョン
も静かな曲調がとてもいい。
「今だから」はカラオケ嫌いのぼくが、久々に覚えレパートリィーに加えた1曲だった。その前に覚えた
曲は「スニィーカーブルース」だった。もちろん当時は、スナックでカラオケの時代。やっと、カラオケ専
門店ができはじめたとはいえ、1時間2,500円、飲み放題・歌い放題だった。延長料金は高い、混ん
でるので2曲歌えないわ、おまけに曲がかぶりっぱなしだった。
「6番テーブル。スニーカーブルース、入ります。その次は、14番さん。あおい珊瑚礁」
6番テーブルのぼくがスックと立ち上がりマイクを探す。今、スニーカーブルースを熱唱している22番
テーブルの奴と目が合う。自信満々の6番。ほんとかよ~かんべんしてくれよ~の22番。まるで、縄
張り争いをする動物の一瞬の戦いである。女性客のみのテーブルが3つ。男ばかりが11。あとは、
アベックか会社帰りの同僚達。50~60人がいる大フロア。結婚式の二次会か?とにかく、聞き覚え
のあるイントロが流れてきた。何のウイスキィーかわからない奴をコーラで割った安物の酒をグイと飲
む。いきなり、はずす。あれ?曲に乗れない。あちらこちらから失笑。苦笑ではない。なのに身体が勝
手に踊る。あれ?曲にあってない。
「失礼しました~。ギンギラギンにさりげなく。入れちゃいました」
店長、殺すぞ。
「すみません。次の次ぎの次ぎに入れます。お待ち下さいね。じゃ、14番さん。あおい珊瑚礁ですね」
こんなこともよくあった懐かしい時代だった。
「じゃ、次ぎ。13番さん。スニーカーブルース」
それでも、帰らず歌うだけ歌った。6番テーブルの3人は意地になってずっとこの曲をリクエストした。

そうそう、「今だから」。スナックのお姉ちゃんはみんな知らなかった。未だに歌ったことがない。

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「オータムパーク」

ダディダのコンサートで一番印象的だった曲。「バビロン」と名盤VOYAGERから「不思議な体験」
がシンクロされて歌われたり、「リインカーネーション」のパワーに圧倒された。そんななかで、この
しっとりと秋の公園を散策するような曲が一番印象的だった。折り重なるような落ち葉。まだ紅葉
が残る木々の間でベンチに座る。穏やかな休日。色濃く過ぎる時間のなかで、永遠を思う二人。
人にとって永遠はひとつではない。永遠に好きであるつづけるもの。永遠に大切な物。
どちらか先にこの世を去る日がきても、大好きなまなざしを私はずっと覚えていたい。
自分にとっての永遠は短く区切られた人生という時間。永遠とは以外に短いものかもしれない。

「卒業写真」

皮の表紙でもなければ、悲しいことがあってもみない卒業写真。10年近く、コンサートのアンコール
最後の曲。ピアノだけで歌ってくれる。「これが最後だよ。ここにいるみんなと一緒にいるのは」と教
える曲。そして新しいアルバムとぼくたちファンは1年間過ごす。

「ガールフレンズ」「続ガールフレンズ」

めずらしく続編と銘打っている。あ、この曲。あの曲の続きかな?とか。こりゃあの曲のアンサーソ
ングだなと思うことがある。ユーミン率いる女の子バンドのオープニングが主流だったころ、ぼくは
大阪城ホールの前から7番目の席にいた。いつもは、15~20が多いのだがたまには思いっきり
近くで見たかった。3曲歌い終わった後、ステージから女の子バンド(4人)が帽子を客席に向かっ
て投げた。飛びついたぼくは、手の先に当たったのだが取り逃がした。くやしすぎる。次の日に見
にいく予定のいとこに早速連絡した。彼女は前から5番目のど真ん中。虫取り網を持っていったそ
うだ。もちろん入り口で没収された。

「VOYAGER ~日付のない墓標~」

シングルしかなく、アルバムに入ってない曲があった。そのなかの1曲。あったというのは、ベスト
アルバム「ノイエムジーク」に収録されたからだ。
1列12番。一番前の席。中央と左端の丁度真ん中。大阪城ホール。後のコンサート・ビデオとな
った場所にいた。写ってなかったが幸運。この曲には特別な思い入れがある。昔付き合っていた
奴が三浦友和の大ファンだった。大阪厚生年金会館の立ち見に無理矢理連れて行かれたり、映
画館のももえともかずまつり(伊豆の踊り子から ホワイトラブまで一挙放映)に朝5:30から夜の
11:20分まで連れて行かれたりした。彼女は、友和のラジオ番組の対戦クイズコーナーに出たこ
とがあった。
「今、スタジオに4人います。さて、みんなでコーヒーを飲んでいます。何杯砂糖を入れたでしょう?」
4択の先攻である。楽勝。じっとラジオに耳を傾ける。
「では、0、2、4、砂糖ポット全部の中から選んで下さい。まず先行の神戸の○○ちゃん」
この○○ちゃんで舞い上がったらしい。
「はい、え~と、0」
「あ、残念でした。では後攻の方。え?2?あ~残念。4人いるんですよ~」
むこうも舞い上がったらしい。
「さぁ、神戸の○○ちゃん。答えをどうぞ~~!!!」
「えと、全部ぅ~」
放送事故と思われてはいけないので、ラジオは特に間を空けてはいけない、にもかかわらず長い
空虚な時間が流れた。少なくともぼくにとってはものすごく長い時間だった。そして爆笑。
「あ~残念だね。ど、どうして全部なの?ひとり10杯は入るよ。いつもそうやって飲んでるの?」
「いえ、あ、いや彼氏がたくさんいれて飲んでるから。。。」
人のせいにするか?しかも全国放送で。しかもぼくはブラックしか飲まない。
「じゃ、後攻の人、とりあえず答えをどうぞ」
「え~と、0でしたっけ?残ってるのは。笑い過ぎちゃってわかんなくなっちゃった」
「残ってるのは4ですよ。もう一度どうぞ」
それでも、不正解だろ?と思った瞬間ラジオから
「ずるいぃ~。答え教えるなんてずるいぃ~」
神戸の○○ちゃんの絶叫が聞こえた。頼むから黙っていてくれ。結局両者不正解で賞品は次週に
持ち越しとなった。そう決まるまで「ずるいぃ~」は続いていた。
その三浦なにがしの主演映画「さよならジュピター」の主題歌だった。そして、ぼくがギターを持って
初めて人前で歌った曲だった。神戸の○○ちゃんのお誕生日に合わせて練習させられ、三浦ファン
7~8人の集まる前で歌わされた。

ちなみに番組の名前は「三浦なにがしとゆかいな仲間達」だった。

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「青春のリグレット」

その人のことが、嫌いになってさよならをしたことがない。たぶん。だから心のどこかに大切に
しまっているのかもしれない。だから次ぎがうまくいかないのか?そんなだから次ぎもまた心の
どこかに保存してしまう。別れた後、友達なんかになれはしない。保存していた気持ちが解凍
されてしまうから。

「静かなまぼろし」

もうひとりの自分がじっと息をひそめている。さみしさに耐えるように。そして、ぼくを見張っている。
社会の中の大人として社交的に振る舞うぼくをじっと見ている。ときはなたれる時をじっと待ってい
る。不満ではないようだ。でも、いつか必ずときはなたれる。そう信じているようだ。今しばらくはそ
のままでいろよ。

「バビロン」

アジャンタの石窟群はインド西部、マハーラシュトラ州北部にある。紀元前後から7世紀にかけて
600mにわたり掘られた仏教石窟群がワゴール川岸の断崖に並んでいる。ここには25の僧院
と4つの礼拝堂がある。無宗教のぼくにはその存在意義はよくわからないが、ここの話しでインド
人と盛り上がった。
「誰がつくったんや?」
「ワカリマセン。キットタイヘンダッタデショ」
地球の指紋はいたるところにある。スフインクスは首のお色直しをし、アンコールは近くに地雷を
しこたま埋め込まれている。いろんな国の夕暮れは時間を止めて人にやすらぎを与える。
一昨年の自分のことを思い出せない。あたりまえだ。心はもう紀元前に飛んでしまっている。

「ミッドナイト・スケアクロウ」

ふと、このHPを作り始めた頃のことを思い出した。なまいきにも仕事に追われ、徹夜明けの朝。
BBSに短い文章をアップしたのがはじまりだった。やがてHPの場所を借りた。4MBの自分の
部屋はなんでもこのたび12MBになったそうだ。あははは、そんなにいらないってば。今現在、
1.5MBしかつかってないんだから。でも、そろそろリニューアルしたくなってきた。あまり動くも
のにするのは好きじゃない。雑記はジオの日記ツールを使わずに、テキストを更新するように準
備中だ。また、長い夜がはじまる。真夜中の案山子。はやく月明かりがほしいなぁ。

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「砂の惑星」

遠い異国を旅していると、通じない言葉はもどかしいけど、それだけに表現がものすごくシンプルに
なるものだ。日本人のおくゆかしさは、心の遊びにとどめておいて気恥ずかしいくらいオーバーなし
ぐさや表現で思いを伝える。たとえそこが砂の惑星でも、好きな人に出会ったら気持ちだけは伝え
たい。月の砂漠にはロマンチックな月明かりはないんだろうけど。。。

「空と海の輝きにむけて」

夕暮れの普通電車は、西に向かっていた。瀬戸内沿いの路線からみる風景はキラキラ光る海。
ずっとむこうに水平線。そこからまっすぐ立ち上がる空。星空以上に銀色に輝く海面が昨日は
少し盛り上がって見えた。冬の海は重く冷たい。まるで来年の夏まで誰にも会いたくないない
みたいに人を拒否しているようにみえる。
今の自分は冬の海から少し離れたやさしい所にいると思う。

「パジャマにレインコート」

たとえまわりに祝福されなくても、二人が愛し合っていると信じられるなら、ただ一緒にいられる時間
を大切に、パジャマにレインコートで会いに行こう。短い時間に集約しなければならない恋でもこころ
を奪われたら、しょうがないや。

「スラバヤ通りの妹へ」

竹笹の木洩れ日は、午前中だというのにもう木陰を半分にしてしまった。波の音は穏やか過ぎて
子守歌にもなりゃしない。大きな扇子にムートン。頭におおきな花の飾り。夕べの月は半分が海
に浸かっていたのを覚えている。でも君のことは、なんだかよく覚えていない。

「ブリザード」

「絶対!」
「絶対?」
「そうそう、自信ある」
「ほんとに?」
そういわれて、はじめてスキーに行った。男3人でツアーに参加した。絶対に彼女がみつかるとい
われて、夜行バスに乗り込んだ。40人程の中に女性は10人程。女性のみで参加しているグルー
プは3組8人。ツアコンが教えてくれた。4人一部屋のパック旅行だった。あとひとりは誰だ?と思っ
ていたら、ツアコン2人が一緒らしい。冗談じゃない。契約違反じゃないか?とはいえなかった。
「今夜、女の子連れてきますから、この部屋で飲みましょう」
なんならツアコン、10人までなら一緒でもいいぞ。立ち飲みしかできないけど。。。
粉雪が舞う中、ゲレンデで転げまくった後、今夜がやってきた。そしてツアコン2人は荷物を置いた
まま部屋には帰ってこなかった。女の子の部屋にしけこんだらしい。なんにも手を打っていなかった
ぼくたちの心は吹雪の中にいた。

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「私を忘れる頃」

毎日の中に、君がいたあの頃。いつもどこでどうしているか考えていたような気がする。忘れる
ために費やした時間は付き合った時間よりも長かった。あれから何度恋をしても、無理に忘れよ
うとせずに、心の奥に閉じこめるのがうまくなったと思う。
「私を忘れる頃、きっとふたりとも幸せになっているね」
そんなこというから、わすれちゃいけないとおもうじゃないか。

「ミスティ・チャイナタウン」

神戸元町・南京町。散策するほどの距離のない中華街は、一歩違う筋に出ると旧居留地に囲まれた
異国情緒たっぷりの町並みの一角にある。ルミナリが近づくと街路樹のすべてはクリスマスツリィー
のように飾られ、夜のイリュージョンはデートをしなけりゃもったいない。誰もが恋に落ちそうな季節が
またやってくる。コートの襟をたてて背中を丸めて歩いていると、また取り残されるのかなぁ。

「グッドラックエンドグッバイ」

走り去るバスは、いつも砂ぼこりだけを残して立ち去る。旅行カバンひとつで、いろんな人と出会い
そして別れを繰り返していると発車の瞬間にはもう心はこれから辿り着く町に飛んでしまっている。
冷たいようだが本音だ。でも、帰ってからはちゃんと思い出しているし、また会いたいと思う。ずっと
一緒にいたいひととは、恋をしちゃだめなんだろうなぁ。だって、さよならの後、会えなくなるもん。

「手のひらの東京タワー」

もう夜になっていた。ぼくにとっては不案内な道を東京駅に向かっていた。大きなビルに圧倒され
ながらも彼女の横顔をのぞきみていた。そんなに急がなくてもいいのに流れるように駅へとつづく
道路がふいにおおきく右にカーブをきったとき、東京タワーが遠くに見えた。静かな街路樹を二人
で通り過ぎたはずなのに、君のこころの中にはぼく以外のたくさんの人影を感じていた。手のひら
で比べられるのは、あまりきもちのいいものではない。

「ミラクル」

ほんとうにあなたみたいなひといるんだね。あなたにあえたミラクルを感じるひとがいる。話しが
最初から噛み合って、あれ?幼なじみだったっけ?同じクラスになったことある?って思う人が
いる。絶対に出会わなきゃならなかった運命。いやそれ以上のミラクル。きっとそうなんだね。
なくすものも多いけど、いい人とも出会える。だけど、たったひとりの人は、今どこでどうしてる?


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「雨に消えたジョガー」

コンサートは中盤を迎え、しっとりとした弾き語りを聞いていた。MCの合間に懐かしい曲を
やってくれる。定番は「雨の街を」「静かなまぼろし」。そしてこの日は「雨に消えたジョガー」
曲のサビの所で聞き入っていたとき、3つ前の席の男が思いっきり、くしゃみをした。ホール
いっぱいに響き渡った「ハックション」の主は友人の弟。帰りに殺そう。いや出口でみんなの
前で切腹させよう。曲が終わった後、とりあえず頭をはたいておいた。このバカ。でかい声で
「イテッ」と叫びやがった。立っているぼくが目立ってしまった。一緒に切腹するべきか?

「残暑」

この曲を聴くといつも同じ場所を思い出す。加茂川沿いの土手。真夏の京都は日陰が少ない。
職場にアルバイトとして配属されてきた女の子は、京都の某女子大を卒業し、この街で4年間
を過ごしたそうだ。久しぶりにこの街に行きたいからついてこいといわれて日曜日に出かけた。
いろんな思い出話を聞かされた。学校や寮、よく通った喫茶店。よくある思い出をなぞるように
一日中歩かされた。
「ぼいさん、彼女いるんですか?」
「いないけど」
「じゃ、なってあげる」
「なってくれなくていいけど・・・」
彼女は、なかなか人を好きにならなくて、このみの幅が狭いと言っていた。自分の枠にはまる
人はなかなかいないそうだ。つまりマニアらしい。かっこいいひとは嫌いらしい。どういうことだ?

「午前4時の電話」

当たり前かもしれないが、アルバイトは5時きっかりに帰る。ぼくは、毎日帰宅が午前様だった。
最終電車で帰るとちょうど25時頃、家についた。計ったように電話。
「おかえりなさい」
「・・・・・」
ご飯食べて、風呂に入って、寝る用意をした万全の体制のマニアから毎晩のように電話がかか
ってきた。職場で毎日顔を合わせて、そして毎晩の電話。あまりすげなくすると仕事に差し支え
るので適当に話しを合わせていた。それが半年続いた。ぼくは配置換えを希望し勤務時間帯が
思いっきりずれる部署に飛んだ。これが間違いだった。帰宅は毎日夜中の3時頃だった。そして
毎晩、午前4時に電話がかかってくるようになった。こいつのことは余り思い出したくないが、そ
の後、結婚退職し1年後にあかちゃんを抱えて職場に現れた。今、大阪は高○市に住んでいる
らしくて「今度、遊びに来てね」とおっしゃった。もう子供は小学生になっているはずだ。

「時のないホテル」

回転ドアを軽く押してフロントへ向かった。チェックインして部屋へ急ぐ。荷物を置いてすぐ出かける。
大好きな町並み。年に1度くらいしかこれないけど、いつも暖かく迎えてくれる。散策のあと部屋に
帰る。昨日までの毎日とさよならし、あしたからのことなんて考えない。部屋からの夜景を見ながら
ねむりにつくまでの時間は空白。たまにはこんな日を過ごすのも悪くはないよ。

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「ノーサイド」

みんなが集まる小さな店があった。カウンターのみ8席程で後ろがすぐに壁だった。マスターは
背もたれつきの高級店だといい常連はトイレにもいけないタコ部屋だといった。常連はおおよそ
50~60人ほどの草野球仲間ばかりだった。毎晩、2~3時までみんなでバカ騒ぎした。いろん
なドラマがあったがそのほとんどが、カウンターの中にいる女の子の取り合いだった。みていて
おもしろかった。ストレートと変化球が入り乱れる中、何組かがゴールインした。この店はボトル
だけじゃなくて、すきなカセットテープをもっていくとキープしておいてくれて、頼むと聴かせてくれ
た。経営が行き詰まるとみんなで5万とか出し合って守っていた。震災直後、この店を訪ねると
マスターが偶然、店の片づけをした。
「おぉ、ぼいちゃん。生きてたんか。よかったよかった」
「どう?お店。大丈夫?」
「おう、あかんわ。みてみる?背もたれがなくなってるわ。あははは」
中は見事に荒れ果て、背もたれの壁がごっそりと剥がれ落ちていた。隣の店もまた同じように
割れたビンが散乱し、ものすごく酒くさかった。
「昨日の試合が最後かもしれないなぁ。」
「そうだね」
10年以上、いっしょにやってきた草野球リーグは突然のノーサイドを迎えた。形のないこういう
人と人の繋がりまで、ぼくたちはたくさん失った。

「星空の誘惑」

雑記を書いているとき、実際には聴いていないけど頭の中を流れている曲がある。(108)は
明らかに「卒業写真」だし、外国がテーマの時には、バビロンをはじめアジアを思う曲が流れ
ている。無意識のうちに心のどこかでそっとささやきかけられていたりする。結構、スローな曲
が好きなんだけど、この曲は例外。テンポのいい曲でどうしてもこの一曲といわれたら、いまだ
にこの曲を挙げる。
いつも気軽に誘え合えたあなたとも、悪い恋に落ちそうな星空の誘惑。
人の気持ちはいつどんなところで揺らいでいるのかわからない。不安で不安定な恋愛は、はじ
まった時から、もうつらい。

「幸せはあなたへの復讐」

きれいになって、幸せになることが復讐。女性にしかできないことかもしれない。男はどうすれば
復讐できるんだろう?幸せにすることが男の役目で、きれいになってもしょうがないしね。「幸せ
にしてね」「うん、約束する」だったら男はどうやって幸せにして貰うんだろう?幸せにすることが
幸せ?そして、幸せにできなかったら復讐されるとは。。。

「中央フリーウェイ」

なんてことはなく、運転していると目に入ってくる風景。ただ重要なのは、ふたりでいること。
どんな場所にいても、同じものをみて同じ思いや感動を味わえること。それができるんだった
ら特別な場所にいかなくても、いつもの帰り道でもステキなデートコースになる。一番幸せな
時間を切り取った曲かもしれない。

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「12月の雨」

初期の作品。雨と雪は、ほんのちょっとの温度差がうっとうしいものを美しい思い出に変える。
昔、ラジオの生ライブでこの曲を聴いた記憶が蘇り、早速テープを探してみた。FM・エアチェッ
クと書かれたカセットケースを見つけた。聴いてみる。おぉ、あの当時のアンサンブルな演奏
はとても懐かしい。「星のルージュリアン」まで歌ってる。う~ん、まさにお宝、再発見。とって
も得した気分だ。テープを元に戻しかけたとき、その横にノンレーベルのカセットがあった。何
だろう?覚えのないテープ。もっとも300本程のほとんど聴いてないテープがあるんだから、
全部覚えているわけないけど、レーベルを貼ってないのは2~3本。貼っていてもわからない
ものも多い。思い出せない。とりあえず聴いてみることにする。うわ~~、ほんとかよ。なつか
しいやら、はずかしいやら。
ぼくにだって、人に言えない話しのひとつやふたつはある。

「ロッジで待つクリスマス」

ちょっと早いかな。国民的行事としては、赤穂浪士の討ち入りのほうが先だし。この詩は、ほ
んとうに情景が目に浮かぶ。夜のゲレンデは小さなつむじ風が吹く冷たい夜。リフトの灯りと
月明かりだけが今、どこにいるのか教えてくれる。ロッジはあたたかな暖炉。厚手のセーター
を着ただけでは、心の冬支度は終わらない。後は好きな人に思いを伝えるだけだ。

「街角のペシミスト」

彼女とかそういうものじゃなくて、なんとなく漠然とした寂しさを抱えていた時期に自分のことを
判ってくれる人がほしかった。仕事をしている自分以外の自分の居場所をいくつも持った。仲間
のあつまる居酒屋やビリヤードのできるショットバー。小さな群は以外に多く、驚くほど無警戒に
ぼくを受け入れた。平気で徹夜したまま仕事に向かい、終業とともにしばしの休息の後、またペ
シミスト達が待つ夜の街角に消えた。他人からみれば荒れた生活を楽しんでいた頃、気が付い
た。初めの寂寥感はほんの些細なものだったのに、いつの間にかみんながみんなの寂しさを背
負ってしまって、いつしか心の中は満たされない思いで一杯になっていた。でも、群の中の生活
に飽きてくると不思議なことに些細な寂寥感も感じなくなってきた。そして今では、その頃のいい
友達だけとつきあっている。最近、よく考えたら同じような生活をしていた。ネットはぼくの漠然と
した寂しさをどうやら癒してくれたようだ。

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「霧雨でみえない」

懐かしさにふと降りたバス停。探しはしないと誓ったけれど、忘れた日はなかった。突然の恋の
終わりは、なんとなく判っていても残される者には立ちつくした場所と後ろ姿しか残さない。霧雨
はやさしく肩に降り注ぐけど、その肩をそっと抱いた手はもうどこにもいない。でもこんな恋の終わ
りも経験してなきゃいけないのかもしれないとも思う。

「ダイヤモンドの街角」

降り注ぐ雨はいつか、しんしんと降り積もる雪に変わっていた。午前2時の街は、タクシーを捕まえ
るのが、やっとだった。
「あれ、お客さん。こないだも乗せたねぇ」
「そうですか?」
行き先を告げて、帰路につく。そして、思い出した。道をさんざん間違えて、ぼったくられた運転手
だった。
「今日は間違えないで下さいね」
「へ?ありゃ、あんたの説明が悪いんだよ」
こめかみがピクピクするのを、指先でそっと撫でた。黙って車窓を眺めていると運転手の鼻歌が聞
こえてきた。クリスマスキャロルだった。
「いやぁ~、これでもクリスチャンでしてね」
きっと懺悔をすることも多いのだろう。そこ曲がるなよ。反対方向、一方通行じゃないか。1曲聴か
せるつもりだな。

「SUGER TOWNはさよならの町」

その日も最終電車に間に合わなかった。とりあえずタクシー乗り場に行ってみる。1台だけ停車し
ているが、運転手の姿が見えない。最終が出てから1時間が過ぎていて、駅にも回りの住宅街に
も人の気配はないが、ポツンと停まっているタクシーにまで人の気配がない。ゆっくり近づいていく
とシートを倒して寝ている。休憩中なのか、帰庫時間まで時間を潰しているのか、わからない。山
間の駅は冷え込みが厳しく、家までは歩いて1時間程かかる。しかたない。叩き起こそう。窓を叩
いた。後部ドアが開く。
「すみません。いいですか?」
「ああ、あんた。今日も乗るかもしれないと思って待ってたんだよ。そしたら寝ちゃったわ」
はじめて正面から顔をみた。そうかこっちは顔をみられてるんだ。
「そうですか。助かりました。お願いします」
今日は、ちょっとくらいなら道を間違ってもいいかもしれない。
「また明日も遅くなるの?」
そう訊かれた。はいと答えておいた。でも本当は今日でこの町での仕事は終わりだった。貰った
チケットで乗っているので、そこの社員と間違ってるのかもしれない。ウォークマンから「SUGER
TOWNはさよならの町」が流れていた。左耳で曲を聴き、右耳で運転手の相手をした。今日は、
真っ直ぐ家に着いた。よかったね、道を覚えることができて。

「ナビゲーター」

オールドファンなら基本中の基本。夜間飛行ともどもCDになっていない名曲。でもなんでいつも
サイドシートで微笑むのは女性なんだろう?誰かぼくを、助手席に乗せて連れ去ってくれないか
なぁ。いいナビゲーターになると思うんだけど。微笑んだりはできないけどね。ずーと気楽な2番
手が好きで、副キャプテンばっかりやってきたけど、昨年、自治会長をやって思ったんだけど、
なんか副会長のほうが大変そうだったなぁ。

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「守ってあげたい」

子供の頃の知りあい。つまり幼なじみ達は、あのころのぼくを知っていてくれる安心感というか
純粋だった頃(多分)のぼくを、本当のぼくを判ってくれているという信頼感があるような気がす
る。はじめて言葉を交わした日の、あの瞳を忘れないで。こんな素敵な瞳を持つ人になれたら
最高だよね。

「月曜日のロボット」

月曜日は本当につらい、1週間の最初の日からエンジンなんてかからない。そんな日は、判で
押したような一日をロボットのように、何も考えずにたんたんと過ごそう。心は前日の日曜日に
置いてきたままにして、オフィスにいるのはただの抜け殻。やっと月曜日になったんだから、日
曜日はもうすぐさ。

「誕生日おめでとう」

どこにいても、あなたの誕生日は忘れない。触れた指の感触はとうに忘れたけれど、この日だけ
は忘れない。住所も電話番号もとっくに変わっただろうけど、きっと元気でやってるよね。いつか
どこかで、また会えそうな気がする人。「お久しぶり」なのか「あの時はごめんね」なのか見当も
つかないけど、とりあえず誕生日おめでとう。「いやだぁ~26になっちゃたぁ~」っていまだに言っ
てるんだろうね。。。

「木枯らしのダイアリー」

1年なんて過ぎてみれば本当に早いもんだ。ミスタードーナツでもらった手帳が終わりを告げる。
ブラウンのお気に入り。中身だけ適当な文房具店で買おうか、ドーナツをしこたま買って来年の
やつを手に入れようか悩んでいる。なんども足を運ぶのはめんどうだから3,000円分いっぺん
にドーナツを買おうかな。でもやっぱり家族のひんしゅくを買うだろうなぁ。30個のドーナツと家
族のひんしゅくとシステム手帳。3ついっぺんで買う年末はそろそろやめにしようかなぁ。

「心ほどいて」

君たちは、いろんなことがあったね。学生時代からよくもまぁくっついたり離れたりしながらよく
ここまで辿り着いたものだと感心してるよ。こんなひっそりとした結ばれ方をするなんて思いも
よらなかったよ。冷たいチャペルの椅子に腰掛けていると、教室にいたあの頃に戻ったみたい
だね。出席者は夕べ一緒に飲んでた連中ばかりじゃないか。あははは。1年後輩のふたりに
先を越された。くやしくて、うれしくて涙がでそうなぼくは、午後の光がステンドグラスであそん
でいるのを、そっと見上げた。おめでとう、早速今日みんなで新居に押し掛けようとおもう。

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「さよならハリケーン」

ハリケーンとはこころみだして去ってゆく恋人。激しい恋愛は、一瞬にして燃え上がり嵐の中を
彷徨ったあと、行き場を失う。激しく壊された心は自分で癒すしかない。だけど、やっぱり癒して
くれるのは、好きな人。通り過ぎていく者と覚悟を決めてサヨナラする時。はじめて、その人が見
えてくる。本当は、こんな人だったんだ。嵐の中から、嵐は見えない。自分の中から自分は見え
ない。

「リインカーネーション」

輪廻転生。過去を辿れば、何世紀か前の自分に出会えるのだろうか?何をしていたのか?知り
たい。でも、知っていやんなるかもなぁ。どうせロクなことはしてないだろうし、夢の中で再現され
た自分の過去が、市中ひきずり廻しの形にあってて、泣きながら怯えてたらいやだなぁ。それを
みて、指さして笑っているのは、あなたかもしれない。

「DESTINY」

運命のささやきは、こころをざわつかせる予感。初めてこの曲を聴いたとき、こんなおしゃれな
恋愛なんてないよなぁと思った記憶がある。まぁ、そんなことにぼくが向いてないということも
あるが、情景やドラマが美しすぎる。でも、コンサートでは必ずやるし、のれる曲であることもま
た事実。ベスト・アルバムの人気投票第1位でもある。ということは、みんなこんな恋愛をして
いるのかなぁ。少なくとも、憧れてはいるよね。

「DOWNTOWN BOY」

街角にいつもたむろしていた少年時代。みんなが帰った後、彼女とふたりで歩く夕暮れの道は
ドキドキした。恥ずかしいのか、照れているのかなんにもしゃべらずに、麒麟草が続く帰り道を
夕焼けを追いかけるように歩いてた。
「私ね、剣道習うの」
「へぇ~」
「中学に行っても高校に行っても、誰とも付き合わない」
「・・・・・」
女の子は本当にませていた。ぼくは、つきあうとかなんとか、考えたこともなかった。
「でね、だんなさんになる人と早く結婚して、一緒にいろんな所に遊びにいくの」
「へぇ~。いろいろ考えてるんだ」
毎日の遊びに夢中な男の子達は、その場所から飛べずにずっとそこにいるのに、女の子達は
もう自分の未来を心の中に持っていた。こんなやつらに、男が太刀打ちできるはずがない。
彼女は、高校を卒業後、すぐに婦人警官になり、そこで知り合った警官と1年後に結婚し、はじ
めての同窓会には、子供を抱いてきた。計画どおりの人生は今、どうなってるんだろう?

「埠頭を渡る風」

雨に消えたジョガーでくしゃみをしておきながら、友達の弟は全然反省していなかったようだ。
アンコールでこの曲が始まると、舞台まで通路を走って近づいていった。止める間もなく、ステ
ージに上がりやがった。そして、ユーミンに抱きついた。握手して、抱き返すユーミン。あいつ、
絶対に殺してやる。慌てて駆けつけた警備員に舞台下に連れ戻された。ぼくも遅れまいと、
ステージ目掛けて走っていった。その勢いを利用して飛び乗ろうとしたが、警備員に頭を押さ
えつけられて、跳ね返された。そのぼくの横をすり抜けるように、弟がまたステージに上がって
今度は客席に向かって、ジャンプしながら手を振っている。おまえは一体何者だ?

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