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受刑者、瞑想で感情静める 再犯防止に期待

 
 
教官(奥)の指導を受けてマインドフルネスに取り組む受刑者=前橋市南町1の前橋刑務所で

 受刑者に自分の心をコントロールする力をつけてもらおうと、前橋刑務所(前橋市)は米国生まれの瞑想(めいそう)法「マインドフルネス」を導入した。全国9カ所の女子少年院が取り入れているが、成人を収容する刑務所では初めて。受刑者からは「イライラすることが減った」「相手の考えを思いやる余裕ができた」などの感想が聞かれ、再犯防止につながると期待されている。【鈴木敦子】

 「頭に浮かんだ感情を言葉に置き換えて、俯瞰(ふかん)的に眺めて。自分を実況中継するように」。2月、前橋刑務所の体育館。マットの上に座った8人の受刑者に教育を担当する法務教官が語りかけた。15分後、8人は教官の合図で目を開け、受刑者は「呼吸に集中したら感情が落ち着いた」などと感想を言い合った。

 マインドフルネスは1980年ごろ米マサチューセッツ大で開発された瞑想とヨガを用いたストレス低減法。攻撃性の低減や自尊感情の向上などに効果があるという。

 2011年度に福岡市の女子少年院が初めて導入。前橋刑務所は「自己統制力が身についた」などの報告に着目して導入を決め、昨年度は20~60代の15人が受けた。今年度も十数人が受ける予定だ。

 窃盗罪で服役中の20代男性は、刑務作業後や食後に10分のマインドフルネスの時間を持つのが日課になった。「自分の気持ちを客観的に見て感情を抑えられるようになった」と効果を実感している。刑務官も「感情に波があった受刑者が感情を爆発させにくくなった」と話す。

 犯罪者の更生に詳しい龍谷大法学部の浜井浩一教授(犯罪学)は「刑務所が社会復帰に向けた場所として変わっていくプロセスとしては評価できる」と話している。

人への安心感醸成

 法務省少年矯正課によると、マインドフルネスは呼吸を通して心と体の状態を観察し自らの気持ちをコントロールする力を身につける。少年(少女)たちは虐待や性被害、いじめなどを経験していることが多く、人に対する安心感がないため、ささいなことで傷つきやすい面がある。「傷ついた」と思った時、「私は今こういうことで傷ついている」と客観的に考えることで、感情に流されにくくなるようにする狙いがある。


マインドフルネスの例~呼吸の観察

・あぐらを組んで座る(または椅子に座って姿勢を正す)

        ↓

・目を閉じ、呼吸に集中。呼吸に合わせて膨らんだり縮んだりするおなかの動きや、鼻を通る空気の流れを感じる

        ↓

・注意がそれたり物音に心が反応したりしたら、なぜそうなったのか(暑い、かゆい、イライラする、寂しいといった感情など)を心にメモして再び呼吸に注意を戻す

※10~15分間、繰り返す