ホール&オーツと並んで好きなグループ、
ロキシー・ミュージック(ロクシーと発音する人もいますが)の
全曲紹介にチャレンジします。

簡単にロキシー・ミュージックの歴史を紹介すると、
美術学校の教師をしながらバンド活動をしていたフェリー
(キング・クリムゾンのヴォーカリストに応募したこともあったらしい。
当然、落ちましたが)とグラハム・シンプソンという友人が
一念発起して、バンドメンバーを募集したことから、始まります。
当初はフェリーが志向する前衛的なバンド・スタイルが災い(?)し、
なかなかメンバーが固定されず、苦労したようですが、
アンディー・マッケイやブライアン・イーノ、フィル・マンザネラ、
ポール・トンプソンという初期ロキシーのメンバーが出揃い、
1972年の2月14日に、EGレコードと契約します。
そして6月、キング・クリムゾンの作詞家、ピート・シンフィールドを
プロデューサーに迎えてリリースされたのが、1stアルバム「Roxy Music」です。

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当時、大抵の新人アーティストのデビューアルバムのジャケットは、
本人たちの顔写真が使用されていましたが、彼らはあくまでもアート志向で、
結局、ラストアルバム「Avalon」に至るまで、アルバムジャケットには
セクシーな女性モデル(たまに男性だったりマネキンだったりしますが)で
貫き通します。
その点、フェリーさんのソロ・アルバムのジャケ写は、ほぼ全てご自身の顔写真を使用と、
明確にコンセプトの違いを打ち出しているのが、わかりやすい。

そして、アルバムに続いてリリースされたのが
1stシングルの「Virginia Plain」です。




アルバムは10位、シングルは4位まで上昇しています。
グラム、プログレが盛り上がりつつあった当時の英国とは言え、
この決して上手いとは言えないテクニックで、奇妙な音を奏でるグループが、
ここまで受け入れられたというのは・・・。
(シングルはかなりポップですが)
ちなみに、デビュー当初のロキシーは、シングル曲はアルバムに収録しない、
という方法論を取っていました。

当時、フェリーが意図していたグループの理想系は、
1曲目「Re-Make/Re-Model」に集約されていると思います。
既存のポップ・ミュージックの解体・再構築です。



それぞれの楽器のソロ・パートのつながりの無さは、
テクニック的に未熟な面は当然あるにせよ、ある程度意図的に作られたものなのかもしれません。

2曲目「Ladytron」は、1曲目のガチャガチャしたドライブ感とはうって変わって、
少しダークイントロに導かれて曲が始まります。
しかし、間奏部分で一転、1曲目のようながちゃがちゃした展開に。

3曲目「If There is Something」は、またまた一転して、カントリーっぽいイントロです。
しかしこの曲も、後半部で一転します。
フェリーの搾り出すようなシャウトと、それをとりまく低音のコーラスは、
学芸会のオペラを聴いてるような錯覚に陥ります。
ちなみにこの曲は、後年、D・ボウイーがかのティン・マシーンで、エレガントにカバーしています。

4曲目「2HB」は、鉛筆の2HBと「To Humphrey Bogart」のダブル・ミーニングで、
フェリー特有のダンディズムが爆発しています。

5曲目「The BOB (Medley)」も「バトル・オブ・ブリテン」を省略しています。
曲自体は短い曲をつぎはぎしたような構成で、ある意味、このアルバムを象徴する1曲です。

6曲目「Chance Meeting」は4曲目に通じる小品で、フェリーの歌詞に度々登場する
シチュエーション=別れた女性へのストーカー的な心象風景が歌われています。

7曲目「Would You Believe?」は、グラム・ロック勢と見られていたロキシーのデビューアルバムの中で、
唯一グラム・ロックっぽい曲です。
「信じられるかい、僕のやることなすこと全て、君のためだなんて」と歌われますが、
この曲も、単純なラブソングではなく、ストーカーの匂いがぷんぷんします。

8曲目「Sea Breezes」でも、消化不良のようなフェリーのシャウトが聴けます。
実際に聴き比べないとわかりづらいかもしれませんが、こういうフェリーのシャウトが聴けるのは
ファーストアルバムぐらいのような気がします。
(つまり、無理して高音を出しているのは)

9曲目「Bitter's End」。
こういう曲で終るところにすごくセンスを感じます。
そして、さりげなく1曲目にループしていく工夫もされてます。

とにかく今あるアイデアを全部放り込みました、的な作品でありながら、
要所要所で計算された、洗練されたプロダクションがなされている、
ロキシーの作品群は、この命題をひたすら追求していき、昇華させていく道程なのかもしれません。

とりあえず、今からロキシーを聴こう、と言う人には、おすすめしません・笑。