飛行機はぐんぐんスピードを上げて行き、離陸の瞬間が近づく。


それにともない、乗り物酔いの感覚がどんどんひどくなっていく。


顔中に浮かんだ脂汗を拭いながらふと顔をあげる。


10列程前、こちら向きにに座ったスチュワーデスと目があう。


彼女の唇がかすかに動き、


おとなしく座っているのよ、とやさしく告げている。


そうしたら、ご褒美をあげるから。


シートベルト着用のサインが消えると、


僕はまっすぐに彼女のもとへ飛んでいく。


彼女は僕をしっかりと背中にくくりつけると、


扉をあけて、外に飛び出す。


「パラシュートの紐はあなたにひかせてあげるわね」


彼女はいたずらっぽく微笑む。


僕はわくわくしながら彼女の背中にしがみつく。