どうも。ほんの1、2ヶ月前を思い出してください。新型コロナウィルス感染症はインフルエンザ程度の軽い症状で、日本は封じ込め対策に成功している安全な国で、東京五輪は予定どおり開催されると信じていたでしょう。もう忘れましたか。だから、その頃に海外旅行して、帰国後に陽性反応が出た感染者を過度に責めるのは間違いです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『若草物語』です。
大阪から長女がいる東京へ家出してきた三姉妹の青春模様。1964年公開作品。監督は森永健次郎で、出演は芦川いづみ、浅丘ルリ子、吉永小百合、和泉雅子、浜田光夫、山内賢、和田浩治、伊藤雄之助。
1964年12月31日公開なので、当時の日活で輝いていた若手女優4人を競演させた正月映画という企画だったのでしょう。めでたいムードのお客さんにとっては、お年玉みたいなものです。
長女(芦川いづみ)=黒、次女(浅丘ルリ子)=赤、三女(吉永小百合)=青、四女(和泉雅子)=黄と衣装のイメージカラーが定められています。そのため、四人が揃っているシーンでも、誰が誰だか分かり易いというメリットがあります。
現在放送中のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』でも、登場人物ごとに衣装のイメージカラーが定められています。それに対し、史実に反しているという批判があります。しかし、大河ドラマは事実に基づくフィクションであり、作品の根幹に関わる部分でなければ、ドラマとしての分かり易さを求めてもいいような気がします。
閑話休題。本作はルイーザ・メイ・オルコットの同名小説と関係ありません。原作クレジットがありませんから。四姉妹がメインの話という共通項があるので、同じタイトルにしたのでしょう。
長女が人妻で、次女と三女が各々恋愛をしている中、四女は色気のないコミカルな役柄です。四女を演じてる和泉は、元々喜劇俳優志望で、柳家金語楼の付き人だったところを日活にスカウトされたという経歴を持っています。それ故、本作の和泉は演技を楽しんでいたのではないでしょうか。それにしても、和泉のルックスで喜劇志望というのは、今ならば「美しすぎる女芸人」と呼ばれそうです。
映画としてはストーリーも演出も突出したものがなく、主演の4人をキャスティングできた時点で満足したのかなと思ってしまうような出来の本作でした。
★★☆☆☆(2020年3月23日(月)テレビ鑑賞)
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