■単なる異論ではない。強い意志がなければできない背景

ただし・・・・



井上建


慰安婦決議案 米上院議員が反対書簡

http://www.sankei.co.jp/kokusai/usa/070401/usa070401001.htm

(産経)


「日本との関係に悪影響」


米民主党の日系米国人、ダニエル・イノウエ上院議員(ハワイ州選出)が下院に提出された慰安婦問題をめぐる対日非難決議案について「不必要なだけではなく、日本との関係に悪影響を及ぼす」として採択しないよう求める書簡をトム・ラントス下院外交委員長(民主党)らに送っていたことが30日、明らかになった。

 上院議員が下院の決議案に異論を唱えるのは異例。決議案は同じく日系米国人のマイク・ホンダ議員(民主党)によって提案されているが、民主党の大ベテラン議員でもあるイノウエ議員の反対表明は、決議案の行方にも影響を与えそうだ。

 書簡は3月5日付で、ラントス委員長をはじめ、この問題に関係する議員に送られた。

 書簡の中で、イノウエ議員は「決議案によって取り上げられた事柄は日本政府にとってつらく微妙な問題だ」と指摘した上で、植民地支配や侵略でアジア諸国の人々に損害と苦痛を与えたことに「痛切な反省」を表した「村山談話」(1995年)、国会での「戦後50年決議」(95年)や「戦後60年決議」(2005年)を通じ、日本は反省の念を十分に表しているとの認識を示した


 慰安婦問題についても、財団法人「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」を通じて「金銭的な償い」をしたと記している。


 日米関係について「サンフランシスコ平和条約以来、日本は米国にとって強固な同盟国であり貿易相手となっている」とした上で、イラク自衛隊派遣など日本の対米協力を挙げ、決議案が日米関係に悪影響を与えるとの懸念を示した。

 イノウエ議員はかつて日米貿易摩擦などで日本を非難することもあったが、最近は日米の議員交流に力を入れている。それだけに日系米国人のホンダ議員が決議案の旗振り役になっていることを「憂慮していた」(日米関係筋)という。

 決議案は日本政府に対し、「若い女性たちを性的奴隷にしたことを公式に認め、歴史的責任を受け入れるべきだ」として首相による公式謝罪を求めている。


ダニエル・イノウエ氏といえば

日米貿易摩擦において、強硬な姿勢をみせるなど

反日的日系人という評価がついていたりします。


私は米民主党というと何かとその問題点ばかり書きますが

基本的に政策に関しては、民主党も共和党もいざ実権につくと

表向きのスローガンとはうらはらに、やっていることは一緒です。


そんな中で一つ確かなのは、あたりまえですがマイノリティーが政治の世界に

入るのは、実質民主党から出馬するしかありません。

(あくまで実質です)


ただ、対日姿勢というと、民主趨勢の問題、マイノリティー、国際リベラルの

背景があるのでいたしかたない。

当然歴史認識なんぞ、それらが吹聴する話に染まるわけです。


ところでこのダニエル・イノウエ氏は日系人として初めて下院議員に選出

された人なんですが、その背景にはやはり「第442連隊(日系人部隊)の英雄」

としての名声があります。


その442連隊は欧州戦線で大活躍します。

この部隊は

アメリカ史上もっとも数多くの勲章を受けました。

これがどういう意味かわかると思います。

言い方はおかしいですがプロパーの白人部隊ではなく

日系人部隊です。それが合衆国においてもっとも評価されているのです。

日本人のDNAが強靭で勇敢な部隊を構成させたのです。


また氏は、戦闘によって右腕を失いながら、ベトナム戦争に二度従軍後、

在欧米陸軍司令官などを歴任、日系人として陸軍参謀総長(陸軍最高位)まで務めた

エリック・シンセキ氏らとともにまさに英雄としての名声を得ています。


で日系人といえば

慰安婦決議案で日系人としてマイク・ホンダ議員のイメージが強烈に

印象付けられましたが、出自のわからぬ日系人は別として、

我が国国民が基本的に合衆国において好意的に受け入れられ、

在米日本人が模範的マイノリティーとして評価されているのは

苦労して米国社会での評価を得てきたこれら日系米国人のおかげであるといえます。


ただ、アメリカにおける日系人のコミュニティーは本当に小さい。

だから、マイノリティーの立場として政治的活動を効果的に行うには

アジア系アメリカ人の連帯の中で行わなければなりません。


そんな中でのダニエル・イノウエ氏の行動・決議案への異論は

強い意志がなければできないと思われます。


さらっと日系人の愚かな行動に別の日系人が異論を唱えた・・・

といった出来事ではないのだと思います。


このダニエル・イノウエ氏日米貿易摩擦においては我が国攻撃の

急先鋒とも言われていましたが、このようにも言っています。


「日本の対外・対米施策は甘い」


でこの対日決議案への異論についてはこう書かれています。



植民地支配や侵略でアジア諸国の人々に損害と苦痛を与えたことに「痛切な反省」を表した「村山談話」(1995年)、国会での「戦後50年決議」(95年)や「戦後60年決議」(2005年)を通じ、日本は反省の念を十分に表しているとの認識を示した

 慰安婦問題についても、財団法人「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」を通じて「金銭的な償い」をしたと記している。


つまり、異論を唱える氏のようなキーマンにも重要なロビイ活動は行渡っていない

ということでしょう。

「反省しているから許してやれ」

では意味がありません。


くしくも彼はその「日本は甘い」と指摘する中でこう言っています。



議会で最も発言力があるのは委員会であり、ホワイトハウスが対日強硬論を述べ始めても議会がどう対応するかはまた別問題である。



つまり我が国に対し、


ロビイ活動を含めた情報戦略が甘い


と教えてくれているわけです。


これをダニエル・イノウエ氏から、ロスで直接聞いた


河野太郎衆議院議員


は何か行動したのかね?


親父さんの不始末ですよ。