北木島 千鳥大悟の生家 | 鳥人の日本旅ブベログ

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奈良のちっさい焼鳥屋の大将が日本全国47都道府県をブラブラ。旨い食いもん、酒、人、景色なんかに触れながら好きに旅する記録。


「おめぇこんな島来てなにしよんならー?」

「いや、別に何か特別な目的がある訳でもないんですけど。近く通りかかったし島好きなんで適当に船に乗り込んだだけですよ。」

「ほんなら大悟の家でも行ってこりゃええ。」

「大悟の家?」

「ワシが親父に電話したるけぇ。」

「え?誰の家?大悟って?」




そうか、
聞いたことある島の名前やなぁと思ってたらそれでやったんか。船員さんに聞いてから気ついた。


今向かってる北木島という島は、漫才師、千鳥の大悟の地元の島だ。



島好きの僕は地図を広げてなんとなく近くにある島に理由もなく渡ったりする。

この日の僕もそうだった。



思いつきで僕は笠岡にある港からバイクと一緒にフェリーに乗り込んだ。



フェリーはわりと小さな船だった。

バイクを普通に船の中に駐車する。
紐とかタイヤ止めとかを使ったりして、倒れないように固定する事はしないようだ。

グルグル巻きに縛られるのに快感を感じ始めた僕の相棒のバイクはどこか物足りなさを感じているように見えた。



フェリーのデッキにある自動販売機にはコピー用紙に印刷された千鳥をアピールする紙が貼られている。



ていうかなんやねんこの自動販売機。



ラインナップが甘酒と栄養ドリンクだけって。

クセがすごい。




デッキに設置されている物もなんだか他のフェリーとは一風変わった雰囲気。

ガチャガチャや、

スロットなど。


大きめの船の船内で見かけることはあるけど。



船に乗り込んですぐに話しかけてくれた船員さんはほぼほぼ勝手に話を進め、大悟のお父さんと連絡を取ってくれて僕は何故か大悟の家へオジャマする事になった。

何をするか決めてなかった僕に島での用事が一つできた。


島に降りて、ずっと道なりに行ってハシッコの方に家あるって聞いたけど。
そんなザックリでたどり着けるんか?


家を探す前に少し島をブラブラ。


ビールの空き缶ばかりのゴミ箱。


大悟のエピソードトークでも聞いたことがあるがここは石の島。

確か大阪城にも北木島の石が使われてたような。

そして教えてもらった大悟家への方向に景色なんかを見ながらゆっくりとバイクを進めた。


木に囲まれた大量のカラスが飛びかうエリアを抜けた所で1台のスーパーカブとすれ違った。

そのバイクに乗ったおっちゃんはこっちを見ながら通り過ぎ、Uターンをし、そしてまた僕を追い越した。


前を走るそのスーパーカブの後ろを着いていく格好になり、なんとなく距離をとりながら僕はバイクを走らせる。


あれ、もしかしてあの人、大悟の親父さんちゃうんかな??


前を走るスーパーカブはスピードを緩め、一軒の家の庭に停車。

おっちゃんはこっちを見ている。


僕もバイクを止めた。

「大悟さんの家ってここですか?」

「そうじゃー、よう来たな。遅いから心配して迎えに行こうとしてたんじゃ。」

なんとまぁ親切な。ステキな親父さん。


大悟の親父さんのカブの隣に僕のカブをとめて、家の中へ。

通されたその部屋の壁には漫才や番組の色んな賞状がかけられ、テーブルには学生時代の卒業アルバムが置かれている。




しかし、参ったな。


見たところこの島へ訪れる一般の観光客はほぼいない。

つまり島外の見慣れないやつが来たときは大悟ファンである確率もそれなりに高く、ここまでちゃんと準備ができているという事はきっとそういった時にファンを迎え入れてくれるタイプのとても気のいい両親なのだろう。

そしてこの島へ渡りここにやってきた僕をおそらくご両親は千鳥のファンだと思っている。

その親切な親父さんを目の前にして僕は、親父さんに聞きたいような大悟への質問なんかが特になかった。

参ったな。どーしたらええ。

親父さんは特に何かをどんどん話をしてくるでもなく向かいあって静かにしている。

僕もお笑い芸人さんは好きだ。そして千鳥も大好き。

とはいえファンというまでではないので質問に困った。

知っている知識で少しの話をして、

一応アルバムも開かせてもらった。

そこには若き日の大悟とノブが写っていた。けど、


どう反応すりゃええん。

「あ、クラスは違うんですね。」

「おぅそうじゃな。」

「クラブ活動の写真は?」

「こっちののぅ、、、」







後は千鳥に関係のない島の話や親父さんの話をたくさん聞いた。

大半の会話が千鳥に関係のない話ばかりをするもんだから親父さんも僕が特別ファンではない事に気がついていただろう。

それでも、老眼鏡の上からのぞき込むようにこちらを見る親父さんの目はすごく優しかった。


玄関先にもたくさんの石がある。おそらく親父さんが加工したものだろう。

北木島の石質は加工がしやすいらしい。




頂いたカルピスを目の前の海で飲んでまた島をブラブラしよう。




車じゃなくてバイクなら走れるよ。と聞いた細い道を進んではみたものの。




こんな様子でとても走れたもんじゃない。

引き返すのにも苦労しながらなんとか海沿いまで戻ってきた。


校庭の謎な位置に置かれた椅子。どう使うん。

色んな所に貼られている千鳥ポスターは遠目に見ると

なかなかのイカツさ。


そして僕は一軒の家の庭にバイクをとめた。


船の中で会った島のお兄さんが
「後でうちに遊びにおいで。海沿い走ってれば場所はわかるわ。壁に絵がある家に入ってきて。」


その言葉通り、絵が描かれた家の扉を開けた。

「お、いらっしゃーい。ちょうどご飯が出来る所だよ。お酒は飲む?今日は泊まって行きよ。」

そこには船で出会った兄さんと料理を作るもう一人の若い兄ちゃんがいた。

田舎のこの感じ。

ほんま大好き。




夕暮れ前の島で飲む酒とレコードから流れるユーミンの歌声。

たまらん。


なんか一見、何もないようにみえて何もかもがある島に見えてくる。


夜が開け、朝からワンコちゃんと遊ぶ。


道を挟んだ目の前は誰もいない海。

朝ごはんを食べ、

家を出るときには、空になったペットボトルに手作りの梅ジュースを入れてくれた。











そして島の人を見習い久しぶりのノーヘルで船に乗り込んだ。

笠岡へ戻ろう。




相棒はやはり縛って欲しそうな背中をしている。


人や大地や海をパッと見ただけで感じるわかりやすい魅力とかじゃなくて。
言葉にはしにくい島へ感じた雰囲気の魅力は想像以上。



昨日、島へやってくる時の船員さんがこっちに気づいた。


「お、昨日の兄ちゃん、まだいたんか。おめえ日帰りじゃなかったんか?」

「はい、一泊しました。いい夜でした。またいつか、北木に遊びにやってきます。」

「ははっ、別にこんな島、来ても何もねぇじゃろ。」