今日は既にカビが生えつつあるクリスマスネタ
を。書こうと思って忘れちゃってたのさ。
スナック女将
の常連さん達は大雑把大らかな方達ばかりだから、きっと大丈夫。
12/26のボクシングデー(※注
こちらとは無関係です)の晩、女将と、そしてロンドンから遊びに来ていた日本人の友人は、スーさんにほぼ強引な形でナイトドライブへと連れ出されました。着いた先はボーンマスの海岸沿いに建てられた、とある劇場。
スーさんのお目当てはこちら。ピーターパンのパントマイムでした。
はい、ここで女将の知識ひけらかしコーナー!
日本でパントマイムというと、壁の演技や階段降りといった無言で行う演技のことを指しますが、それは実際マイムにあたります。イギリスでパントマイムと言うと、それは観客参加型コメディ劇のこと。
一番近いイメージは『8時だよ全員集合!』。まず前説のいかりやチョーさんが「おいっす」と入場。観客熱を程よく上げた所で他のメンバーが次々に登場。途中観客にギャクを飛ばしてみたりするところも同じ。
スーさん曰く、イギリスではボクシングデーにパントマイムを観るのが1つの伝統なんだそうです。
劇が始まる前から既に興奮状態のスーさん。女将達に言いました。
「僕達が叫ぶ言葉は決まっているから。しっかり覚えて。いくよ?
He's behind you!! (後ろにいるよ!)
悪者に対してのブーイングも決して忘れないこと!頼んだよ!」
ドリフでもありましたね「志村!後ろ後ろ!」@お化け屋敷。それと同じです。
スーさんのボルテージの上がりっぷりにいささか引き気味な女将と友人。何はともあれ幕が開きました。
最初に登場したのはスコットランド訛りで話すお兄さん。どうやら前説役のようです。
「いんやあ今日は来てくれてどんもありがと。まんず今日この会場に来てくれてる人たづを読み上げます。
目黒区からおごしの鈴木ファミリー!!(実際は英国名。例えとして日本表記に変えてみました)」
「いえーい!」
「続きましては亀有から勢揃いです。あけぼの老人ホーム!!」
「い、いえ~~~い」
「品川からぎてぐれました。にこにこ老人ホーム!」
「うおーい!」
そんなのが10件ほど続きました。ボーンマスは高齢者用施設が多い街としても有名なんですが、クリスマスに身よりも無く寂しい思いをされる皆さんへのレクレーションに、と考えるところも多いようです。客層はそのような方達と家族連れが多かったです。
「それでは次に今日誕生日を迎えるお友達をご紹介します。世田谷区の健君。今日で5さーい!」
(パチパチパチ)
「川崎市のとおる君。70さーい!!」
(パチパチパチ)
「三鷹市のまりさん。75さーい!!」
その後みなでハッピーバースデーを合唱したのち、劇が始まりました。
みなさんピーターパンの話はご存知でしょうから割愛しますが(手抜きともいう)、ミュージカルありーの、ピーターパンとウェンディ空とびーの、フック船長はムカつくーの、まあそんな感じです。舞台装置はウェストエンドのミュージカルに場末臭を3割加味した感じでしょうか。女将は、ピーターパンの緑の靴が、どう見てもハイカットのコンバース
にしか見えず、隣の友人にしつこく確認していました。
パントマイムでは必ず良い人と悪い人がはっきり色づけされています。今回の例ではピーターが前者、フックが後者。ピーターの家にフック船長が忍び込みます。窓の外から彼の姿がチラチラと。そこで!
「He's behind you!!!」
フック船長が観客に怒鳴ります。
「おいお前ら!!(当然高齢者も含まれる)ピーターのやつめがインディアンの娘を逃がしたな」
「No he did NOooooT!!」
スーさんの声が、周りの誰よりも大きかったのは言うまでもありません。もちろんフック船長が登場の度に
「ブーーーーーーーー!」
お約束極めり。面白かったのはフック船長が子分と登場するや、
「You are a liar!!! (フック船長のうそつき!!!)」
客席の子供がボーイソプラノでののしった一幕。
ピュアな子供の一声がフック船長の心臓にグサリと突き刺さりました。いかにアドリブ慣れているにも関わらず、しばし立ちすくむフック船長と子分。
「あ、あああれは、ななんだよなあ、なあ?」
「そ、そそそうでがんすね」
あたふたしている様がおかしかったです。
話も佳境に入り、フック船長に騙されたティンカーベルが、背中の羽をもぎ取られてしまいました。
泣きながらティンカーベルが観客に訴えます。
「ピーターを困らせようとした私がいけなかったの。自業自得だわ。でも、もし、ここに集まっているボイズンガールズ(boys & girls もちろん70歳のとおる君や75歳のまりさんも含まれる)が強く願ってくれたら、羽は戻ってくるかも。ボイズンガールズ!私のために願ってくれる?それじゃいくわよ。メイクアウィッシュ!」
子供は純粋な念を、お年よりはロウソクの火のような弱々しい念を、スレた女将は半笑いの念を、会場が一体となってティンカーベルに送りました。スーさんの念が一番強かったのは言うまでもありませんが。
「きゃーーーーー!は、羽が、羽が戻ったわー。サンキュウ!ボイズンガールズ!」
「(拍手喝采)」
分かりやすいっちゃ分かりやすいやね。時折駄洒落めいたセリフもあったのですが、周りは大爆笑、日本チーム沈黙ってのもありました。
「(人魚のお姉さん登場)みなさーん!私の妹アリエル
はご存知よね?私の名前はパーシル!」
「(大爆笑)」
アリエルもパーシルもイギリスでは有名洗濯洗剤ブランド。そこに引っ掛けたって訳です。
どーでもいいやね。
劇自体は子供向けにかなり近いですが、だからこそ分かりやすくて、家族みんなで楽しめる。
おすすめですよ。みなさんも今度のクリスマス(って先過ぎ?!)にご家族揃ってパントマイムを!
みなさんもクリックしながらご一緒に!He's behind you!

を。書こうと思って忘れちゃってたのさ。
スナック女将
の常連さん達は大雑把大らかな方達ばかりだから、きっと大丈夫。12/26のボクシングデー(※注
こちらとは無関係です)の晩、女将と、そしてロンドンから遊びに来ていた日本人の友人は、スーさんにほぼ強引な形でナイトドライブへと連れ出されました。着いた先はボーンマスの海岸沿いに建てられた、とある劇場。スーさんのお目当てはこちら。ピーターパンのパントマイムでした。
はい、ここで女将の知識ひけらかしコーナー!
日本でパントマイムというと、壁の演技や階段降りといった無言で行う演技のことを指しますが、それは実際マイムにあたります。イギリスでパントマイムと言うと、それは観客参加型コメディ劇のこと。
一番近いイメージは『8時だよ全員集合!』。まず前説のいかりやチョーさんが「おいっす」と入場。観客熱を程よく上げた所で他のメンバーが次々に登場。途中観客にギャクを飛ばしてみたりするところも同じ。
スーさん曰く、イギリスではボクシングデーにパントマイムを観るのが1つの伝統なんだそうです。
劇が始まる前から既に興奮状態のスーさん。女将達に言いました。
「僕達が叫ぶ言葉は決まっているから。しっかり覚えて。いくよ?
He's behind you!! (後ろにいるよ!)
悪者に対してのブーイングも決して忘れないこと!頼んだよ!」
ドリフでもありましたね「志村!後ろ後ろ!」@お化け屋敷。それと同じです。
スーさんのボルテージの上がりっぷりにいささか引き気味な女将と友人。何はともあれ幕が開きました。
最初に登場したのはスコットランド訛りで話すお兄さん。どうやら前説役のようです。
「いんやあ今日は来てくれてどんもありがと。まんず今日この会場に来てくれてる人たづを読み上げます。
目黒区からおごしの鈴木ファミリー!!(実際は英国名。例えとして日本表記に変えてみました)」
「いえーい!」
「続きましては亀有から勢揃いです。あけぼの老人ホーム!!」
「い、いえ~~~い」
「品川からぎてぐれました。にこにこ老人ホーム!」
「うおーい!」
そんなのが10件ほど続きました。ボーンマスは高齢者用施設が多い街としても有名なんですが、クリスマスに身よりも無く寂しい思いをされる皆さんへのレクレーションに、と考えるところも多いようです。客層はそのような方達と家族連れが多かったです。
「それでは次に今日誕生日を迎えるお友達をご紹介します。世田谷区の健君。今日で5さーい!」
(パチパチパチ)
「川崎市のとおる君。70さーい!!」
(パチパチパチ)
「三鷹市のまりさん。75さーい!!」
その後みなでハッピーバースデーを合唱したのち、劇が始まりました。
みなさんピーターパンの話はご存知でしょうから割愛しますが(手抜きともいう)、ミュージカルありーの、ピーターパンとウェンディ空とびーの、フック船長はムカつくーの、まあそんな感じです。舞台装置はウェストエンドのミュージカルに場末臭を3割加味した感じでしょうか。女将は、ピーターパンの緑の靴が、どう見てもハイカットのコンバース
にしか見えず、隣の友人にしつこく確認していました。パントマイムでは必ず良い人と悪い人がはっきり色づけされています。今回の例ではピーターが前者、フックが後者。ピーターの家にフック船長が忍び込みます。窓の外から彼の姿がチラチラと。そこで!
「He's behind you!!!」
フック船長が観客に怒鳴ります。
「おいお前ら!!(当然高齢者も含まれる)ピーターのやつめがインディアンの娘を逃がしたな」
「No he did NOooooT!!」
スーさんの声が、周りの誰よりも大きかったのは言うまでもありません。もちろんフック船長が登場の度に
「ブーーーーーーーー!」
お約束極めり。面白かったのはフック船長が子分と登場するや、
「You are a liar!!! (フック船長のうそつき!!!)」
客席の子供がボーイソプラノでののしった一幕。
ピュアな子供の一声がフック船長の心臓にグサリと突き刺さりました。いかにアドリブ慣れているにも関わらず、しばし立ちすくむフック船長と子分。
「あ、あああれは、ななんだよなあ、なあ?」
「そ、そそそうでがんすね」
あたふたしている様がおかしかったです。
話も佳境に入り、フック船長に騙されたティンカーベルが、背中の羽をもぎ取られてしまいました。
泣きながらティンカーベルが観客に訴えます。
「ピーターを困らせようとした私がいけなかったの。自業自得だわ。でも、もし、ここに集まっているボイズンガールズ(boys & girls もちろん70歳のとおる君や75歳のまりさんも含まれる)が強く願ってくれたら、羽は戻ってくるかも。ボイズンガールズ!私のために願ってくれる?それじゃいくわよ。メイクアウィッシュ!」
子供は純粋な念を、お年よりはロウソクの火のような弱々しい念を、スレた女将は半笑いの念を、会場が一体となってティンカーベルに送りました。スーさんの念が一番強かったのは言うまでもありませんが。
「きゃーーーーー!は、羽が、羽が戻ったわー。サンキュウ!ボイズンガールズ!」
「(拍手喝采)」
分かりやすいっちゃ分かりやすいやね。時折駄洒落めいたセリフもあったのですが、周りは大爆笑、日本チーム沈黙ってのもありました。
「(人魚のお姉さん登場)みなさーん!私の妹アリエル
はご存知よね?私の名前はパーシル!」「(大爆笑)」
アリエルもパーシルもイギリスでは有名洗濯洗剤ブランド。そこに引っ掛けたって訳です。
どーでもいいやね。
劇自体は子供向けにかなり近いですが、だからこそ分かりやすくて、家族みんなで楽しめる。
おすすめですよ。みなさんも今度のクリスマス(って先過ぎ?!)にご家族揃ってパントマイムを!
みなさんもクリックしながらご一緒に!He's behind you!
