SALSA FARGOは2017モデルになるに従い、フレームすべてを一気に作り変えてきました。
分かりやすくはリアエンドが148mmのブーストになって、フレームチューブが前年度のDEADWOOD 29+のチューブと同じになりました。つまりよりヘビーデューティになったのです。
そして、細かい部分ですが、トップチューブを伸ばし、ヘッド角がさらに寝かされ、チェーンステイが短くなっています。
つまり、MTBで言うところのフォワードジオメトリ化が進められました。

それによって得られた操縦性の変化は小さいようでいて、絶対に越えられない壁を越えてしまったとも言えるものでした。

皆さんに思い出して欲しいのは、コーナーリングで、どの状態のときに一番恐ろしく感じるかと言うことです。
コーナーは直線が終わって曲がり始める〈導入期〉
と完全にコーナーリング姿勢に移行して、荷重も安定してかかっている〈安定期〉
直線に向けてコーナーリングを終わらせていく〈終了期〉
と3つに分けて考えられますが、一番転びにくい状態が安定して荷重がかかっている〈安定期〉であると思われます。適切な速度と加重によってその状態を維持すればうまく曲がっていけます。
終了期もあまり転ばないですよね。直線に戻していくときにわざわざ転ぶことはありませんが、どう終わらせるのかは実は難しいのですが、今回は関係ないのでおいておきます。

で、一番恐怖を感じるのはコーナーに入っていくその瞬間ですよね。
直線状態からバイクを倒していって運動エネルギーの2方向に分配して行く作業です。
これは何時までたっても恐ろしいです。
ブレーキをかけ、速度を殺し、横方向にグリップを振り分ける為にフロントタイヤを地面に押し付けておかなければなりません。
しかしバイクは根本的に倒しこみ始めに不感帯のようなものがあり、倒しこみ始めは非常に不安定になります。
グリップ力が直進時~変化する為に起きているのだと思いますが、サスペンションがあればその部分を上手くごまかしてくれますけれど、リジッドだとごまかしが効かないのでメチャ恐ろしいんです。

でも、2017FARGOは直進時から全くフィーリングが変化しないままコーナーリングに移行していけます。
ちょっと衝撃的なハンドリングを得てしまっています。
左右にスラロームしても常に一定の手ごたえと接地感があります。抑揚が無いのです。
これならライダーは一切の恐怖心を持たずに走ることが出来ます。
SALSAの現在の操縦性はちょっと異常なレベルにあります。
ドロップハンドルのバイクにまで、この様なハンドリングを与えてくるなんて天才じゃなければできそうにありません。
クリスマスに届くFARGO Tiが非常に楽しみになって来ました。