オーダーいただいたバイクのうち、一台目のバイクが入荷して来ましたので、見てみましょう。

このバイクのサイズはSになります。
サイズ的には小さいに違いないのですが、不思議とフロント三角、リア三角共に大きく作られており、別売りのフレームバッグの容量がとりあえずそんなに心配ないであろうことが分かります。
ショック搭載方法も可能な限りコンパクトに、リアトラベルは80mmですので、ショックは一番短いタイプで出来るだけ軽くしようという意図が伝わります。ショックトラベルは36mmなので2:1に近いレートで容量的には心配ありません。

ロングライド用のバイクのため、特に剛性を高める工夫はされてないように見えますが、実はリアエンドにピボットが無いシステムのためリア三角の剛性は十分です。そしてリアが非常に軽いのがこのバイクの特徴です。目的の為に思い切った割り切りをしているのもこのバイクの特徴です。

フレームのヘッドはテーパード前提なのですが、このバイクは下位グレードということもありストレートコラムのフォークが付いています。しかしコラムまでアルミのRECONにより重量は非常に軽いです。
バイクの性格を考えるとこれが良いバランスなのかもしれません。

ショック取り付け部です。とにかく重くならないように作られています。
つくり的には剛性が確保しやすいようにリンクは小さく、ピボットの数は最少になっています。
リアショックはロックアウト出来るので舗装路ではロックしてしまえばいいでしょう。

リアエンドにはピボットがありません。
その代わり、シートステイを潰してしなりやすくしてあります。

乗ってみた感想は建ち漕ぎでもがこうともリアサスは動きまくっているのに全くロスしてないように感じられるほど良く進みます。
ストローク感は終始豊かで80mmストロークとは思えません。
5インチ以上あるバイクの感触です。
フレームの剛性感はまさにエル・マリアッチと同じくらいでとてもしなやかで乗りやすいです。
それでいて階段を下りようともショックはライダーに伝わらず、豊かな乗り味を持ってどこでも走っていってしまいます。
ある意味定価であったとしても買う価値のあるバイクですね。
今とても信じられない値段で売ってますが。

ロングライドに照準を合わせ、それに最適なバイクを作った。
そういうバイクです。