この城までは登り道がありません。稜線までが崖もある急斜面の直登、稜線に出れば踏跡がありますがハッキリとした道ではなく案内等も無いので、山慣れた人向けと思われます。また城域から北への尾根は滑落の危険もあると思われます。低山のバリエーションルートに慣れたリーダーを中心としたパーティで訪問するのが良いでしょう。
本陣山城は西武秩父線西吾野駅あたりから高麗川を少し遡った右岸側にある。名前のもとになった本陣山から北に伸びる尾根の末端になる。
歴史などは分かっていないらしく、高麗川沿いに並ぶ城たちとの間で狼煙による通信をするところだったかと考えられているとか。
西武線でまず吾野の龍崖山に登ってから、また西武線で一駅だけ先、西吾野駅から徒歩でアタックした。
城への登り口は、県道から吾野園入口の案内に従って橋を渡り、直ぐに右へ折れる。
右隅ガードレールのクマ注意看板を思いっきり見落とした😱
このコンクリ道は登ってすぐ左ターンで民家の庭に入ってしまうが、ターンせず直進すると山裾へ登ってゆく道が現れる。
この道は吾野園のほうへ降りてしまうようなので、途中の上に墓地のあるあたりから斜面に取り付く。
かなり急な斜面で、露岩の場所も見える。
登りやすそうなところを探しながら、上へ上へと登ってゆく🥵
少しずつ右へ移動しつつ登ってゆくと露岩を回避して急傾斜で登ってゆく尾根上に出られるが、周囲を見回し自分の目でルートファインディングしながら稜線を目指す。
それが出来ないとこの城には到達出来ない。
麓から50メートルほども登れば稜線に詰め上げる。
ただ、この尾根に遺構は無く、一本東の尾根まで行く必要がある。ここからは尾根を南に進む。
緩傾斜で登ってゆく尾根上には踏跡らしいものもあり、左手から正面に高い尾根が見えてきたら左の方へ等高線沿いに入ってゆく。ここにはハッキリと踏跡がある😮
少しだけ登ってゆく踏跡を辿れば、城のある尾根に出られる。
ここに城が築けるのかという、かなり細い尾根…
尾根は緩やかな下りになっているので進んでゆくと、正面下の方に大きな盛り上がりが見えてくる😮
あれが城の南端の曲輪で、物見台のように見える。
降りてゆくと、裾にはちゃんと堀切が入れられているのが見える✨
小さいながらシッカリとした薬研の断面をしていて、西へは竪堀になって降りている。
東へは…道になって北の方へ降りている?😮
そちらは気が向いたら後で行ってみることにしていたが結局踏み込まず、上の曲輪へ。
手前からは物見台のように見えたが、取り付いてみるとふつうの丸いピークのような…
そして天端は大きな杉の木2本に占拠されて狭苦しそうだった…
しかし、削平はされていたようす。
ここから尾根の高度は少し下がり、さっきまでの印象よりは幅の広い尾根になる。
削平はいい加減なようで、天端が丸い…
そして、その先がザックリと掘り込まれている😮
これは立派な堀切✨
チャームポイントは、尾根線上で堀切を渡る土橋か✨
尾根上よりかなり低いところにありながら、堀底からはシッカリ盛り上がって存在をアピールしている。
左右への竪堀もちゃんと掘られている。
左側はかなり下まで落ちているようす。
右側は10メートルぐらいで終わっているらしい。
堀切の向こう側で尾根の幅が広がり、削平された曲輪になっている。
広さはバドミントンコート半面ぐらい。
奥に4メートルぐらい盛り上がっているのが主郭。
その傍らには、二つの祠が並んでいた。
色んな土の城で見てきたのと形が違ってる…
主郭への登りも、竪堀状通路みたいな造作は無く、山をそのまま登ってゆく感じ。
そして主郭の南端に立つ🙌
凸凹に見えるが、南端に枡形みたく少し低い空間があるのでそう見える。
この空間、主郭の南端を向いておらず側面に突き出ているように見える。
ここはよく見ると、下の曲輪から主郭へ登り詰める寸前で右の大木の向こうへ回り込んで空間に入る道のようなものがある。
ただ城というよりは後に神社などが建てられたときの遺構のような気がする。
ここだけ石積みたくなってるし…🤔
その北側は、ちゃんと削平された空間になっている。
バドミントンコートより少し狭いぐらいか。
北端の方は、またまた細尾根に戻っている。
そしてここから一段下がって、尾根突端に出る。
この裾に堀切などは無く、ただの段になっている。
この尾根突端、水平だけど天端が丸い。
物見台にもなったのか…?😮
そして、この先で尾根の高度がストンと落ちる。
その下には…
堀切あるじゃん😮
ここへは尾根の左側へ少し回り込んでゆくのだが、すぐ下がバッサリにちかい急斜面で、さらに露岩にザレのような斜面に落ち葉も積もって、メチャクチャ怖い🥶
一歩一歩慎重に、いやへっぴり腰で堀底まで降りた。
なんか秩父の比丘尼城の岩盤堀切を思い起こさせるやつ…
堀切の向こう側から振り返る城内。
左側の大きな岩が、城の内外をバッサリ区画して、上から登らせまいと矢弾が降ってくるような場所。
地味ながらキルゾーン😨
ここから先の尾根は岩盤チックになり、天端もえらい細くなる。
降りられないことはないぐらいの傾斜だが、両側バッサリで落ちたらヤバいだろう。
すぐ下で国道299号を通る車が騒いでいるが、高麗川の向こうで橋もない…
ここからも登降できるとの事だが、北ルートと違うのでどこへ引き込まれるか分からないし、高所恐怖症でこうゆうヤセ尾根は拒絶反応モノなので、もと来たルートで退城することにした😅
細尾根の途中にソコソコの空間を取れるこんな場所をよく見つけたな、という印象の城だった。
★本陣山城
埼玉県飯能市南川
近くに車を停める場所無し。徒歩30分ほどかかるが西吾野駅から徒歩が無難。登道無く山慣れた人向け。
山城
(2025年12月9日 記)






























