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配信:オンコロ

 

【抜粋】

2022年1月19日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてKRASG12C遺伝子変異陽性の進行性固形がん患者に対するKRAS阻害薬であるアダグラシブ(MRTX1133)単剤療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のKRYSTAL-1試験(NCT03785249)の結果がMayo ClinicのTanios S. Bekaii-Saab氏らにより公表された。

 

KRYSTAL-1試験は、KRASG12C遺伝子変異陽性の進行性固形がん患者(非小細胞肺がん、大腸がん、膵臓がんを除くその他消化器関連がん:N=42人)に対して1日2回アダグラシブ(MRTX1133)600mg単剤療法を実施し、評価項目として奏効率(RR)、安全性、PK(薬物動態)などを検証した多施設共同の第1/2相試験である。

 

本試験に登録された患者の年齢中央値は63.5歳(21~89歳)、性別は女性52%、人種は白人71%、ECOG Performance Statusスコアは0が29%、スコア1が71%。前治療歴中央値は2レジメン(1~7レジメン)。KRASG12C遺伝子変異陽性患者のうち、30人は消化器関連がんであり、その内訳は膵がん12人、胆道がん8人、虫垂がん5人、胃食道接合部がん2人、小腸がん2人、食道がん1人。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

 

有効性評価可能であった27人の患者における部分奏功率(PR)は41%(N=11/27人)、病勢コントロール率(DCR)は100%(N=27/27人)を示した。また、膵がん患者(N=12人)のうち、有効性評価が可能であった患者は10人であり、部分奏効率(PR)は50%(N=5/10人)、病勢コントロール率(DCR)は100%(N=10/10人)、無増悪生存期間PFS)は6.6ヶ月(95%信頼区間:1.0~9.7ヶ月)を示した。なお、現在も膵がん患者の50%が治療を継続している。

 

膵がん以外の消化器がん患者のうち17人が有効性評価可能であり、部分奏効率(PR)は35%(N=6/17人)、病勢コントロール率(DCR)は100%(N=17/17人)を示し、なお、現在も11人の患者が治療継続している。