このバンド名は恐らくSHOGUNと同じところから来ている、海外ドラマか映画だったかの「SHOGUN」に出てくるのが三船敏郎演じる虎長、調べたらさほど史実に忠実な物ではなく80年のアメリカ制作ということで、日本人が観ると違和感を覚える部分も多いその手の典型的なタイプの映画なのではないかと思う。(観たことないから知らん)

 

当時の日本イメージは大体そんなもの、サムライゲイシャすしさしみニンジャ。。TOKYOのPV観ても分かる、勘弁してくださいって感じ。割と近年である「ラスト・サムライ」でも厳しい部分は多々あった。それを承知で観れば良い映画だとは思うけど。

これ書いてる途中にそのSHOGUNがリメイクされることを知った。虎長は真田広之だそう。

 

 

TORANAGA

 

 

後期NWOBHMバンドとしてマニアに知られるMILLENNIUMのVo、マーク・ダフィが在籍しているブラッドフォード出身の4人組。バンド自体の結成は85年、マークが加入したのが88年、同年に1stアルバム発表。

 

BASTARD BALLADS

 

 

パンク、あるいはデスメタルなイメージのあるPEACEVILLE RECORDSからの発売。同じ絵で黒いジャケもある。

NWOBHM流れの正統派ブリティッシュメタルの香りを残したスラッシュ。。と言いたいところだがあまりそんな感じでもない、普通のスラッシュメタル、しかもあんまり面白くない方の。

激しさに特化したスラッシュバンドに比べると凝った曲展開の伝統的なメタル寄りで悪くはないんだけど「これだ!」というような決め手に欠ける。1曲1曲が無駄に長いのも一層退屈を呼ぶ。

スラッシュにしてはパワーや迫力、スリルや緊張感に乏しいし正統派にしては曲がつまらん。前回のSABBATのがずっと上。”Dealers In Death” なんていい線行ってるのだが。。

音質も良くない。

 

 

その点、SABBATはもちろんSATAN~PARRIAHなんかは凄いバンドだった、このTORANAGAにあまり感じないブリティッシュ感、迫力やスリル、正統派の曲の良さ、聴きどころとなる長いギターソロ。。全部ある。

もうちょっと頑張ればインスト “Bastard Ballad” がそういう部分に迫れたと思う。PARRIAHほどでないにせよ各曲それなりにギターソロも聴かせる。決して悪いアルバムではない。

 

当時のスラッシュメタル隆盛の波に乗り名門CHRYSALISと契約、90年の2nd。

 

GOD’S GIFT

 

 

当然日本盤も発売された。

やはりあんまりスラッシュメタルって感じではないような、正統派寄りのパワーメタル。スラッシュにしては迫力に欠け正統派にしては曲がつまらないってのは1stと同じ、メジャーの割には音も良くない、ギターの音が安っぽいのとドラムの音が特に悪い、Voの弱さまで気になってきた。下手な上に歌メロが絶望的につまらない。

ドラマティックにしようとしてる曲展開がことごとく退屈、ギターリフやギターソロなど部分部分では悪くないのだが。。つまらんオープニング "The Shrine" 聴いて最後まで聴く気が起こらないのはまずい。"Sword Of Damocles" とかのったりしててドゥームメタルっぽくて一層退屈。JUDASやサバスなど伝統バンドの要素が悪く出ている感じ。日本盤ボートラ "Execution" はまあまあ。

 

 

全体として最低ではないけど良くもない、CHRYSALISから発売なのに物凄いB級感、スラッシュメタル全盛期の一流バンドと比べると雲泥の差がある。

TORANAGAに限らずACID REIGN、SLAMMER、XENTRIX、D.A.M.など、イギリススラッシュ勢はイマイチなバンドが多かった印象。

 

 

スラッシュはもちろんメタルの時代の終焉とともに92年解散。2000年代に再結成して2011年にEP、2013年にアルバムを発表して現在も活動中。

 

 

 

 

”BASTARD BALLADS (full album)"

 

"The Shrine"