この闇の向こうに江の島があるはずなのに、何も見えない。
6年前の冬、Jonathan Helmsの創出したダイヤモンドバックテラピン(DBT)界の宝玉“スーパーテキサン”を手にした時、繁殖への道は、まさにこの光景と同じように闇に包まれていた。
DBT飼育に関して、Jonathanは汽水濃度を、比重1.014を推奨する、片やJames Leeは、さらに高い比重1.018を推奨する。本当にこんな濃度が必要なのか、人工海水の素を使用したら、金が掛かってやりきれない。しかし、日本でたった1ペア、絶対に失敗は許されない。淡水飼育で始まったスーパーテキサンの繁殖ロードではあったが、気が付けば汽水濃度が、比重1.009まで上がっていた。
ついにこの日はやって来ました。
先週、日本で初めて、スーパーテキサンの繁殖に成功しました。
この個体、ジョナサンのスーパーテキサンの特徴である、第1椎甲板の虫食い模様、各肋甲板のリング模様、そして腹甲のカロリナコンセントリック様のバー、ドット模様が、甲羅にしっかり刻まれています。
ちゃんと遺伝するんですね、感動ものです。
さらに、第1子の孵化に遅れること6日、本日2匹目のスーパーテキサンが孵化してきました。
こちらは、さらに質が高いですね、頭部のテキサス特有のひし形模様が完全にドットになっています。
闇の中から始まったスーパーテキサンの飼育・繁殖ではありましたが、石橋を叩いて渡る的な私の性格から、徐々に汽水濃度を高めていったことが、繁殖成功に結び付いたと思っています。
今宵はこの2匹を眺めながら、美酒に酔おう v(^-^)v





