とりあえずただ立っているところを作り始めた。ただといっても遠くの景色を眺めている。乾燥するところまで持って行ったら、その間に暇な人間の手と脚を撮影し、それに合成する撮影専用の寝転がっている状態を作る。3作目もすでに構想は出来上がっているのだが、この人物ばかり作ってはいられない。もともと予定していなかったのを、急に思いついて作り始めた人物である。よって森鴎外の背景の撮影か、江戸川乱歩の撮影を考えている。考えているといっても所詮考えているのが私なので当てにならないのだが、行き当たりばったりのくせに、こうやって計画的に粛々と進めている、といいたい、という見栄がある。頭で考えているのに、急に思いついて止むに止まれなくなる、なんていうのはいかにも駄目な人間の典型ではないか。実際考えてはいるのだが、現在制作中の人物のように、棚からボタモチが落ちてくるように、思いついてしまえば計画は変更されて行く。だったら計画変更、頓挫がばれないよう、余計なことを書かなければ良いではないか、という話しであるが、なんでこのような作品を作り続けているのか、それはこんな人間だからだ、というのが当ブログである。
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より
※ 月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真
※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」
HP
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より
※ 月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真
※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」
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