『猿の惑星』は面白いと聞いていたが、小学生の時に観た第一作を超えることないだろう、と『イット』を観る。うっかりしていた。酒場と恐怖映画に子供は禁物である。特にアメリカ映画では子供がたいして酷い目に遭うことはないだろうと、観ていてさっぱり恐くない。猿の惑星一作目は小学生同士、連れ立って見に行ったが、それに相応しい映画である。ピエロとクラウンはニュアンスが違うと聞いたことがあるが、作中ではクラウンといっていた。しかし私くらいの歳になると、いくら上目使いに睨まれたところで恐いことはない。ゴジラ第一作の恐さは黒目がどこにも接していない意志を感じない見開いた目にもあるだろう。それが判っているから牡丹灯籠のお露はそうしたのだが、案の定、恐いという人が多かった。などと、人形制作者的なことを書いてみたりして。ただ今回のピエロ役は、求めに応じて外斜視をやれたというのには感心した。歌舞伎役者は不動明王にならい、片方だけ目を寄せることができるが、外斜視が自在にできる人は少ないだろう。

オイルプリントプリント映像。
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より
※ 月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真
※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」
HP

オイルプリントプリント映像。
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より
※ 月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真
※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」
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