今回の個展は拡大プリントがメインとなったが、搬入当日に初めて観ることになった。先日、三島に唐獅子牡丹を描いてくれた彫Sが、会場に来た時、すぐに三島の前に行くと思ったらモジモジしてなかなか行こうとしないのが可笑しかった。と書いたが、よく考えてみたら私も同じような気分になったのを思い出した。 飾り付けは一切職員の方々に任せっきりで、作品の配列についてさえ、一言もいわず仕舞であった。その間、片隅にテーブルを出して人形に色を塗っていた。当然目の隅に入って来るし、たまに顔を上げて眺めてもみたが、どうもボンヤリとしか見られないのである。私が作った連中なのにかかわらず、それぞれ私が教えたり込めたつもりがない意思をもった姿で現れた。とでもいえば良いのか、まっすぐ目を見られないのである。ちゃんと見ることができたのは二日目だったろうか。改めて見ると拡大されたことにより、私の想定外のニュアンスを帯びてはいたが、間違いなく私由来の連中である事を確認した。こんな経験は初めてである。 三島に胸毛を描いた後、旧知の友人知人と7人で飲みに行った。連日この調子だが、二日酔いしない体質に感謝。

『特別展 深川の人形作家 石塚公昭の世界』

フェイスブック『石塚公昭の世界』

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特別展『百年目に出会う 夏目漱石展』神奈川近代文学館 漱石像出品

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第5回