小さいので乾燥しやすい、という理由で選んだ村山槐多をおおよそ作り、明日から乾燥に入る。全身完成させ出品する人物をあと6人の中から選ぶことにする。まだいけるだろう。そしてこれで限界、という体数まで作って乾燥させ、仕上げをする。 さて次に誰を作るかである。ここだけの話であるが、その6人の中には肝心の頭部が出てこない。というのが何人かいる。私は本当に作り終えた作品に冷たい。これは何度か書いていることであるが、子供の時、頭に浮かんだ物はどこへ行ってしまうんだろう、と思っていた。頭の中には間違いなく在るのに。頭に在る物を頭から取り出し、やっぱり在ったな。と確認したところで大部分満足してしまう。特に最近は“証拠写真”を撮るので、撮り終えたところで安心し、次行こう。となってしまうのである。出てこないのが誰かはいわないでおくけれども。
『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第4回