私が長い間、ジャズやブルースの黒人ミュージシャン(たまに作りたくなるボクサー)を作っていたことを知っている人は少ないだろう。ジョン・コルトレーンやカウント・ベイシー、バド・パウエルなど、写真が腐るほど残されている。それをわざわざ人形作って撮影してもせいぜい演奏風景を作るくらいで、発展性もない。それなら作り物でないとできない作品を、と作家シリーズに転向した。 一方例えばエリック・クラプトンや、ストーンズなどもレパートリーとしたロバート・ジョンソンは、十字路で悪魔と取引したという伝説が残っているが、本人の写真がようやく数枚発見されたくらいで、実際に悪魔と取引したわけではないので、創作の甲斐があった。どういう訳か何事か企んでいる面持ちになっている。もう一人、右側の盲目のブラインドレモン・ジェファーソンは、はすに向いた写真がⅠカットしか残されていない。言い伝えではブリキのカップをギターにぶら下げ、いくら投げ込まれたか音でわかったという。この人物も創作の仕様があった。できればこんな人達も拡大してみたい。

深川の人形作家 石塚公昭の世界展

関連イベント3月10日予約開始

『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第4回 

 

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