某地方誌の表紙に、エドガー・アラン・ポーのオイルプリントが使われることになった。印刷による再現が難しいので、普通にカラーである原版から、とも思ったが、『龍之介地獄変』小沢章友著(新潮社)以来、オイルプリントが表紙に使われる稀少性を選んだ。 “創刊兼終刊号”の横に江戸川乱歩生誕120年と書いてある。そういえば、来年15年は江戸川乱歩、谷崎潤一郎の著作権が切れる。ブームになるのであろうか。 人は15歳の時に好きだった物は一生好きだと訊いた。となれば私にとってこの二人がまさにそうである。私の場合、すでに故人の作家でも、本人に見せウケたい、という妄想の元に制作している。なので江戸川乱歩は、実は常識人で、『盲獣』など自作のグロテスクさに嫌気がさしたりする人物だったので、ことさらグロテスクにせず、どこかユーモラスに描いた。しかし没後50年ともなれば、少々無茶してもかまわないかもしれない。ただ、ここがイラストなどと違うところであるが、どうしても表現が直接的になってしまう。私の河童の三郎など、未だに『気持ち悪い』。という声を聞く。作者の泉鏡花が、超が付く潔癖症で、だからこそ安全な原稿用紙の中、想像力を駆使し、自分の大嫌いなべとべと生臭い妖怪を描いたわけである。あれで良いのだ。

30日は夕方以降在廊

オイルプリント制作法

インキング映像↓

http://youtu.be/kZozcEqgKsE 

『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)

http://t.co/lc05lwVaiM

※世田谷文学館にて展示中10月5日まで

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