有楽町にプリント4カットを出しに出掛ける。やたら眠い。朝からマウスを何回も落としていた。どうにも我慢できずに茅場町のホームのベンチで二三度コックリして歩き出すが、すぐ隣のベンチでまたコックリ。 データからのプリントは、以前より随分安くなっていたので新しい料金表を貰う。『円谷英二と勝鬨を歩く』の表紙では判りにくかったかもしれないが、勝鬨橋を襲う巨大ダコの下をくぐろうと、平然と自転車をこぐ人物がプリントでは判るかもしれない。夏目漱石も色調その他、大分改良している。フォトショップで当時使い方をしらなかった機能がある。あまりに初歩的なことだが、独学ゆえにそういうことがままある。 帰りもやはり茅場町で一眠りしてしまう。朝まで制作していてろくに寝ていなかった。おそらく原因は、先日ネットで久しぶりに目にした寺山修司の映画『書を捨てよ町へ出よう』の冒頭部分 “何してんだよ 映画館の暗闇の中で そうやって腰掛けて待っていたって 何も始まらないよ” のせいである。これだけ時間が経っても、家出こそしないが私に徹夜で制作させてしまうのだから寺山の威力未だ不変である。随分前に閉館した銀座の『並木座』では、昔は上映した映画のポスターが安く買えた。友人がこのポスターを額装して未だに持っているのが羨ましくてしょうがない。このセリフの人物は今は寺山修司記念館の館長らしい。 記念館には人形抱えて、寺山の故郷を撮影しにいったおり立ち寄ったことがあるが『百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる』のキャプションを見てなんで涙が出るんだかさっぱり判らず。寺山の言葉にはなにか術が施してあるのは間違いがなく、普段使っていない筋肉がかってに動き出してしまうようなところがあるので、何気なく読むのは避けた方が良い。

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