早朝都内某所。展示のことで担当責任者H島さんに会う。当初はそこまで考えていなかったが、スペース的には充分だし、このあたりで被写体として、写る部分しか作らず、作りっぱなしにしてきた作品を作りなおして、全作品展示したらどうか。そんなことを考えていた。しかし一昨日、某文学館より人形6体と写真作品の出品依頼が来て、全作品という訳には行かなくなった。点数的に充分とはいえ、どうしたものか。とりあえずH島さんに会ってから、と思ったら、H島さんは急遽別施設に異動になるという。聞いてないよ。という話である。H島さんが担当をはずれるなら話は違ってくる。するとH島さん曰く、一年待って異動先でやりますか? 内心即座に『そっちが良い!』。そう顔に出し、あからさまにいうわけにはいかなかったが、そちらの方がはるかに奇麗だし収まりが良い。そもそも、こちらはセキュリテイーに不安があった。となれば当面、文学館の6体について考えればよく、覚悟していた、『三島由紀夫へのオマージュ展 男の死』から昨年の『貝の穴に河童の居る事』制作時のように寝床に本を敷いて、寝心地悪くして睡眠時間を削る必用もなくなる。そもそも美人ばかりのクリニックに通うはめになったのはあれのせいである。最低な状態ではあったが、とはいえ快感物質溢れ出るあの状態を待ち望む私である。子供の頃に夢に見た、どこかの王様に幽閉され、“算数や宿題しないで良いから、ここで好きなことをしておれ”はまさにあの状態なのである。 とりあえず今日のところはひとまず。帰りに古書店を覗くと、作る作るといいながら、まだ手をつけていない海外作家の本があった。薔薇十字社刊。妙に安く、買う。そういえば誰を作るのか、いずれクイズにして、などと調子の良いことをいっていたら、すでに2人の正解者が出てしまった。まだ作り始めていないのに。実にカッコが悪い。しかし展示が延びるようであれば作り始められるわけである。

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