領収書の整理をしていて毎年思うが、この時期突出してよく本を買っている。
要するに、確定申告の締め切りが迫れば迫るほど、逃避したい心理の表れなんですね。
そういえば、期末試験の直前に突如として別なことをしたくなるのと全く同じ心境です。

「不運のすすめ」というのは逆説的なタイトルですが、これは言わば大局観の言い換えですね。
私は将棋を知りませんが、言わんとすることは、なるほど。なるほど。と頷くばかりです。
物事の捉え方や俯瞰することの大切さ、頭では解っているつもりでいても、全然できていないことを再認識させられます。
さすがは元名人、説得力が違います。
特に「運」、「不運」の捉え方、考え方は、そうそう!それが訊きたかったんです!という感じでとても参考になります。
羽生さんは知の探求者というか、哲学者というか・・もっと違う何か(妙手)があるのではないか、さらにもう一度常識(定跡)を疑ってみてはどうかという風に示唆してくれますが、それでも決して断定的な物言いではないのに対して、
(羽生さんが米長先生という様に)正に米長さんは先生という感じで決然と断言されるところが違うなぁという感想です。
こういう指針のあやふやな時代、将棋という勝負の世界で真理を見極めようとしてきた人の言葉は重みがあるなと思いました。