連続してしまって恐縮なのですが、今回もNゲージの記事です。

先日、アマゾンで安値な小型モーターを見つけまして、これを大きなモーターの付いた古いNゲージ蒸気機関車に付けたら面白そうと思いました。

思いついたら試さずにはいられなくなり、今回の工作を行った次第です。

 

 

 

※上写真はクリックすると少し拡大表示されます。

今回の工作の生贄になるのは上写真の車両です。

カトー製の「C57 180」です。

もちろんカトー製品ですのでキットでは無く完成品です。

18年前に買った物です。

新品時から走りが不調でした。

こうして真横から見るとヒップアップですね。

自分でディテールアップパーツの取り付け等の加工をしましたが、あんまり見栄え良く仕上げられませんでした。

高価な物なので捨てはしませんでしたが、あまり愛着の無い車両です。

 

モーター交換をする前に走りが不調な原因を考えました。

どうやら第二動輪の取り付け角度がずれていたようです。

車輪を軸から引き抜いて、正しい位置に付け直しました。

今までが嘘のように調子良く走るようになりました。

それから、上写真のように第三動輪に巻いてあったトラクションタイヤが切れていたので全部取り除きました。

車輪に固着する汚れのような物があったのですが、それはキャブレタークリーナーを使って清掃しました。

調べた所、トラクションタイヤは現在入手難のようです。

まあ、平坦路を走らせる分には問題ないので、しばらくはこのままで良いでしょう。

 

ここから本題に入ります。

上写真のように、運転室を占領する大きなモーターが付いています。

これを小型モーターに交換して見栄えを良くしようと言うのが今回の工作です。

 

モーター交換とは関係ありませんが、この車両は観光列車で活躍する現在の姿を再現しています。

石炭庫の後ろにある、平べったい重油併燃タンクと列車無線アンテナは、いかにも現代的です。

それらを取り除いて、現役時代をイメージした姿に変えてやろうと思います。

 

上写真は新しく取り付けるモーター(左)と純正モーター(右)との比較です。

因みに、小型モーターの値段は5個セットで839円でした。

諸元は、直径6ミリ、全長14ミリ、軸径0.8ミリ、定格電圧4.2ボルト、と言ったところです。

何用のモーターかの説明は無いのですが、商品レビューを見ると小型ドローンに使う人が多いようです。

Nゲージ用としては定格電圧が低いので、不用意にパワーバックの速度調整ボリュームを上げないように注意が必要でしょう。

 

ここから 「ELEGOO MARS UV 光造形式 3Dプリンター」 の出番です。

モーターブラケットとシャフトに付けるジョイントを自作します。

いつものように、フリーソフトのCADで設計しました。

 

印刷しました。

モーターシャフトは長すぎるので、後でニッパーでカットしました。

当初、細いシャフトは強度的に不安でしたが、切断が容易だったので逆に良かったです。

 

正面から。

純正モーターの細く出っ張った部分に収まります。

 

適当に配線して試運転しました。

トルクが無いと言いますか、カーブや坂で少し減速する感じがあります。

まあ、許容範囲だと思うので、このまま作業を進めます。

 

こんな感じに収まります。

配線は真鍮線に半田付けして、偶然出来た丁度良い隙間に差し込みました。

適度に抵抗感があるので、モーターブラケットの抜け止めにもなっています。

 

黒リード線側は、ショートを避ける為に真鍮線を曲げています。

 

動力ユニット全体はこんな感じです。

ヘッドライトは電球式です。

 

このように、走行電圧が低いので点灯は暗いです。

対策するアイディアもありますが、今回はこのままで進めます。

 

ボディを被せるとこんな感じです

むき出しなモーターと床がスカスカなのが気になります。

当初はこのままのつもりでしたが、対策パーツを作る事にしました。

 

上画像のような物を設計しました。

ノッペラボウでは面白くないので、少しディテールを付けてみました。

 

バックプレートもそれっぽくしました。

後ろの窓は、印刷時の歪み対策で、塞いだ状態で印刷して後で切り取る仕様です。

切り離しやすいように、縦方向には切れ目を入れてあります。

 

印刷して黒く塗りました。

 

寸法も大丈夫そうです。

 

ボディを被せてみました。

焚口が開きっぱなしなのは失敗だったかも。

 

運転室下のダイキャストむき出し部分が気になりはじめました。

元に戻す事が無ければカットしても良いのですが、未だ決心が出来ません。

上に貼り付けて隠す部品を作ってみます。

 

寸法が分かりやすいので、モータカバーのデータに付け足す感じで設計しました。

とりあえず上画像のような物を作りました。

左側には空気分配弁と言うものがあるのですが、複雑過ぎるのでカバーがかかった感じにしました。

配管はデタラメです。

本物のこの辺りは、もっとゴチャゴチャしているのですが、デタラメな配管を増やしてもリアルには見えないので、控えめにしておきます。

 

反対側です。

こちらには二子三方コックと言うものがあります。

縦長な長方形の支えみたいな物があるのですが、小さ過ぎたようです。

こちらの配管もデタラメです。

 

念の為に向きを違えて二個ずつ印刷しました。

 

塗装して両面テープで貼りつけました。

まあ、無いよりは良いと思います。

 

反対側。

後ろの方が寂しい感じです。

とりあえず、モーター交換作業はこれで終了にします。

 

炭水車の加工に進みます。

上画像のように上面部分は外せます。

この部品を3Dプリンターで新造する事にしました。

 

上画像のように重油併燃タンクが無い後ろまで石炭を積んだ形のデータを作りました。

石炭は、一ミリ四方の立方体と球をランダムに並べて表現しました。

面倒くさかった割には、粒が大きくて実感に欠けます。

青い部分は歪み対策で付け足した部分で印刷後に切り取る予定です。

切りやすいように凹み線を入れてあります。

 

「ELEGOO MARS UV 光造形式 3Dプリンター」で印刷しました。

真横から見ると歪みはありません。

 

しかし、向きを変えると下の方が歪んでいました。

まあ許容範囲と思って、ヤスリで修正して使う事にします。

 

新造パーツは、問題なく所定の位置に収まりました

ふと思ったのですが、水槽の蓋からライトが生えているのは変ではありませんか?

後部ヘッドライトは、ジャンク箱から見つけたメタルパーツに交換します。

何かのパーツセットに含まれていたけど使わなかった物です。

 

ライト部品は反射板部分をマスキングして黒く塗りました。

レンズには銀河モデルのN-082「ヘッドライトレンズ」を接着しました。

なんとなくレンズの収まりが悪いので位置決めが難しかったです。

本体も含めて接着には木工用ボンドを使用しました。

 

ジャンク箱から、一個だけケーディーカプラーを見つけました。

古いカトーカプラーは見栄えが悪いので交換する事にします。

 

これまたジャンク箱からエッチングパーツの台車端梁を見つけました。

カプラーポケットの一部をカットして、そこに接着してやりました。

これで後ろ姿がリアルになります。


加工した台車を付けると、こんな感じです。

なかなか良いじゃないか。

炭水車の加工はこれで終わりです。

 

※上写真はクリックすると少し拡大表示されます。

機関車と炭水車を連結しました。

工作はこれで終了です。

素直に格好いいと思う。

 

※上写真はクリックすると少し拡大表示されます。

作業前後の写真を上下に重ねてみました。

上側が作業前です。

意図した事ではないのですが、ヒップアップが解消されています。

たぶん大きなモーターがボディの後ろ側を持ち上げていたのでしょう。

 

※上写真はクリックすると少し拡大表示されます。

反対側です。

銅色のピカピカが無いので地味ですが、それはしょうがないです。

 

炭水車の改造が良く分かるように上斜後から撮影。

現代的な装備を撤去したので、昔の客貨車を牽いても違和感を感じなくなりました。

 

視点を下げて右方向から撮影。

一番後ろの台車に端梁を付けたので後ろ姿が実感的になったと思います。

 

今回、前の方はいじっていないのですが、前からも撮影しておきます。

不細工なヘッドライト、分厚い除煙板、太いつかみ棒、(自分がやった)接着剤のはみ出した解放テコ、単純形でいかにも本物らしくない先台車、イロイロと気になります。

それらは、将来的な課題にしようと思います。

 

今回の記事に使った車両は、「走行不良なので譲渡できないけど捨てるのは勿体ない」と言った感じで、私の中ではゴミレベルのコレクションでした。

しかし、一連の工作をした事で愛着が持てるようになりました。

 

今日はここまで。