三野、魂の逆転弾 劇的連覇で9度目全国 | 同志社大学フットサルクラブTREBOL

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 (写真提供:関西フットサル連盟大学部会)


 

立命館大との壮絶な得失点差争いを辛くも制し、GL突破を果たした同志社。全国大会まであと1勝に迫った。

決勝の相手、大阪経済大学(大阪府代表)は関西大会初出場ながら同グループの甲南大を押さえ勝ち進んできた勢いのあるチーム。大阪府大会では決勝で大阪成蹊大に5-7で敗れたものの、2年連続全国大会準優勝の強豪から5得点を挙げた実力は本物だ。

ファイナルのキックオフへアップを始める両者。熱戦続きだったグループリーグの喧騒が嘘のような静けさの中、同志社の選手たちは最後の戦いへ向け黙々と気持ちを高めていった。
 

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ここで負ければ苦労して掴んだGL突破が無駄になる。再び大学日本一へ。そう誓ったチームの目標が、悔しさをこらえ努力してきた1年間が、そして何より応援してくれる仲間や家族のためにも勝って終わる以外に選択肢はない。頭をよぎる様々な想いを胸に円陣を組むメンバー。18:30、夕暮れ迫る河南体育館にキックオフの笛が鳴り響く。


全試合15分ハーフ(プレーイングタイム)とはいえ、関西大会は1日3試合。猛暑の中、グループリーグだけで計60分と通常の公式戦の1.5倍の試合時間を既にこなしている。決勝戦はここからさらに30分。気力、体力、選手層すべてを兼ね備える強者だけが全国大会へ出場する資格を与えられる。

想定外の消耗戦となった帝塚山大戦が響いたか、単純なパスミス、トラップミスが目立つ同志社。ポゼッションでは優位に立つものの決定機を決めきれず、逆に幾度となく大経大にシュートまで持ち込まれる。不安は現実のものとなる。前半残り4分、中央へのパスをインターセプトされカウンターを決められた。0-1と先制を許す。

 

 

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先制を許した同志社

 


しかし、同志社は焦らなかった。1点取ればリセットできる。大量得点が課された帝塚山大戦を乗り切っただけに、精神的な余裕があった。0-1で折り返した後半残り12分、八木(4回生)から津田へのピヴォ当てにエース・牧角が素早く反応。ポストプレーから得意の左足を振り抜き同点とする。


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同点ゴールの牧角 すでにエースの風格が漂う
 

 

その後は一進一退の展開に。両者最後の力を振り絞りギリギリの攻防を繰り返す中、残り時間が刻一刻と少なくなっていく。


同点で終われば即PK戦。何としても時間内で決めたい同志社は残り1分、1stセットで勝負をかける。足を痛めていた津田(1回生)の代わりに、2ndセットの三野銀司(3回生)がピッチへ投入された。この一手が劇的なラストをもたらすことになる。

 

三野選手#9 不遇の高校時代を経てフットサルに活躍の場を見出した

 

 

三野はスピードやテクニックに優れる選手ではないが、球際に強く簡単にボールを失わない堅実なプレーで2ndセットの一員としてチームを牽引してきた。その三野にはこの関西大会に勝たなくてはならない特別な理由があった。


高校サッカーの名門・京都橘高校サッカー部出身の彼は3年間、全国大会に出場したチームをずっとスタンドで応援していた。高校入学当初、「100人いた部員の中で最下位」(三野)で、サブ組として参加した2泊3日の夏合宿でも出場時間を30分しか与えられなかった。監督が見ている数少ない紅白戦でも思うようにアピールできず、練習の帰り道に一人で泣いたこともあったという。

 

「全国大会のピッチに立つという目標は遠く、一生叶うことはないと思っていた」。しかし、自分をずっと応援してくれる家族に活躍している姿を見せたい、過去を見返してやりたいと努力を続けてきた。日本一を目指し入った同志社TREBOL。ワンポイントでしか起用されることがなかった昨年のインカレから、いつしかローテーションに定着するまでに成長していった。

 

活躍したいという気持ちでフットサルのキャリアをスタートさせた三野だったが、選手、マネージャー、卒業生、家族が一体となって戦うTREBOLで過ごす時間が長くなるにつれて、「このチームで日本一になりたい」という想いを強くしていった。

 

決勝ゴールの三野 「フットボール人生最高のゴール」がチームを全国へ導いた

 

 

「関西大会に出てくるチームはどこも素晴らしかったが、応援、マネージャー含めチーム全員が最高の力を出していた同志社が全国に行くと信じていた」と三野。「残り1分を切っても、誰かが最後に決めるだろうと思っていた」と肩の力が抜けていた。

 

八木からのパスを相手フィクソを背負いながら足元に収めるとすぐさま反転。「気持ちで打った」という右足が、危険を察知し飛び出してきたGKの上を抜けファーハイに突き刺さった。後半残り0分31秒、土壇場のゴールに湧き上がる同志社。フットボールの神様は不屈の男・三野を見捨ててはいなかった。

 

そしてタイムアップのブザーが鳴る。大経大のパワープレーを凌ぎ切った同志社が、初の関西大会連覇を成し遂げた。

 

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タイムアップの瞬間 3試合90分の戦いを全国大会へとつなげた
 
 
同志社の歴史の中でもこれほど苦しんだ関西大会は稀だろう。逆境の中に光を見出し、硬い扉をこじ開けた。その光景を目の当たりにした1回生もまた、チームの不撓不屈の魂を胸に刻み込み、同志社のイズムを引き継いでくれることだろう。

 

 
主将の八木(4回生)は今年のチームの強みを「劣勢でも崩れないメンタルの強さ」と説明する。先制され追う立場になっても、得失点差で敗退の淵に追い込まれても、ピッチ、ベンチ、観客席に関わらずメンバーみんなで支え合い、逆境をはね返し勝利につなげた。それは昨年の敗退から1年間、一体感をテーマにチーム作りに取り組んできた成果にほかならない。
 
賞状を受け取る八木主将
 
 
昨年の全国大会では怪我が原因でベストコンディションで戦えず、チームも準決勝で敗退した。「失点に絡み責任を感じた」と悔しさを忘れていない。「全国大会でも相手は関係ない。全力を尽くしチーム全員で日本一を掴むだけ」と日本一奪還へ自信をのぞかせる。
 
雪辱を晴らす舞台にようやく立つことができた。3年ぶりの全国制覇へ向け、同志社の夏はまだまだ終わらない。