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「売り」と「買い」のレートで生じるスプレッド |
南はるなのFXのヒミツ:
10回にわたってFXや為替一般に関する基礎知識をご案内してきたこの連載も、今回で最終回となりました。為替に限ったことではありませんが、ニュースや新聞などでよく取り上げられる話題は、聞き手がある程度の基礎知識を持っていることを前提として語られています。短い報道の中で専門用語や背景の細かな解説をしていられない事情はもっともですが、聞いても意味が理解できないのではせっかくの時間が無駄に。世界の政治や経済と関係が深い為替については、基本的な仕組みを少し知っておくだけでもニュースの理解度が格段に上がり、ひとつの事象がどういう結果につながるのか想像できるようになるのではないでしょうか。
【南はるなのFXのヒミツ:為替レートの読み方のツボ】
●為替レートの読み方のツボ
「外国為替相場の値動きは、前日のニューヨーク外国為替市場のドル円相場は1ドル=76円30銭から35銭で終了しました」——。
これの意味するところは、前日のニューヨーククローズ時点(東部時間17時)でのドルの買いレートは1ドル76円35銭で、売りレートは76円30銭ということ。しかし基本的な知識がなければ「昨日のドルは76円30銭から35銭の間で変動している」などと間違った受け取り方をしてしまうかもしれません。
為替市場には、株式でいうところの「証券取引所」のように物理的な市場は存在しません。銀行や金融機関が参加するインターバンク市場(銀行間取引市場)を介して、世界中の銀行、証券会社、FX会社(外国為替証拠金取引業者)などが直接取引できるようになっています。また、個人もFX会社などを通じて取引を行うことができます。
このように、決まった市場で取引せずに、売買する当事者同士で行う取引のことを相対(あいたい)取引といいます。相対取引では当事者同士が合意すれば取引が成立するので、為替レートには定価というものはありません。一般に新聞やニュースなどで報道されているレートはインターバンク、銀行間の取引レートですが、みなさんが外貨を両替する場合やFX取引をされる場合には、利用する業者によってレートが異なります。例えば野菜を買う場合にお店によって値段が違うのと同じ。ただし、買ったあとに消費してしまう野菜と違い、為替は売買の両方を行うため、売る場合と買う場合で2つのレート(価格)が存在します。
先ほどの例では、ドルの買いレートは1ドル76円35銭で、売りレートは76円30銭でしたので、その差は5銭。この差額部分は「スプレッド」と呼ばれていて、レート提供側の手数料に相当します。
FX取引で利益を上げようとする場合、「安く買って、高く売る」または「高く売って、安く買い戻す」。なのでレートが動かない状態では利益が出ません。例えば、スプレッド5銭として76円35銭で買った時、売るときに利益が出るのは、売りレートが5銭以上値上がりしたとき。それ以下で売ると損をすることに。よって、スプレッドは狭ければ狭いほど顧客にとって有利になりますし、広ければそれだけ不利ということになります。
刻一刻と状況が変化する為替市場では取引レートはめまぐるしく変化しています。相場が安定している場合、レートの提供側は自分の取り分を狭めても顧客の取引を促そうとスプレッドを狭くしがちですが、急変時など為替変動のリスクが大きい場合には、スプレッドを広げて自らの損益を限定しようとする傾向にあります。
●為替レートをコントロールしているのは誰?
現在の為替相場の仕組みは「変動相場制」と呼ばれています。レートが変動するのは、今ではいたって当然のことのように感じられますが、米ドルが基軸通貨として為替市場の中心となった当初、第2次世界大戦後の国際経済は固定相場制が採用されていました。1944年に国際復興開発銀行(IBRD)と国際通貨基金(IMF)が設立され、自由貿易や資本移動の促進を目的に金1オンス=35ドルと定め、ドルはいつでも金と交換可能としました。なお、当時の米ドル/円のレートは1ドル=360円でしたから、いまの状況からはちょっと想像がつきませんね。
固定相場制は、当時の国際経済で圧倒的に強い力を持っていた米国によって支えられていましたが、米国の国際収支が赤字になり、ドルが大量に流出したことから終えんを迎えました。1973年には主要国のほとんどが変動相場制へと移行して、現在に至っていますが、中国など一部の国では固定相場制(中国の場合、正確には通貨バスケット制)を維持している国も存在します。
外国為替取引とは2つの通貨を交換することですので、簡単に言えば、交換比率(為替レート)は2つの通貨の「需給のバランス」で決まります。教科書的な説明では、経済状態や貿易など、国力が強い国の通貨がより強いことになりますが、現在の外国為替取引の大部分が投機目的の取引であることを考えると、それだけでは説明のつかない相場の動きがありますね。為替レートが変動すれば、それはすなわち貿易や経済に大きな影響を与えるので、どの国でも自国に有利になるように誘導したいと考えます。そこで、自国通貨に対して為替政策を実施し、為替レートをコントロールしようするのです。
現在の為替市場において、もっとも重視される登場人物(通貨)は米ドル、ユーロ、円の3大通貨。これら3つの通貨が絡む取引は、外国為替取引全体の7割以上を占めているので、米国、欧州、日本の経済に変化があれば、それだけ市場に大きな影響を与えることになり、ほかの通貨のレートにも影響が波及します。
3大通貨のほかにチェックしておきたい通貨といえば、かつては基軸通貨であった英ポンド、永世中立国の通貨であり避難通貨として働くことの多いスイスフラン、資源国通貨のオーストラリアドル、カナダドルなど。それぞれが通貨の交換レートという名の綱引きをしていることになります。こうしたことを頭に入れておくと、各国の為替政策はまるで“世界規模の綱引き大会”のようですね。
最近の状況を見てみると、米国は長引く不況による経済の停滞を打破するために、自国の通貨安政策を続ける姿勢がうかがえます。欧州もギリシャに端を発した債務問題など問題が山積する中で、政策金利を上げることを手控えている様子。こうした動きを受け、投資家たちは米ドルやユーロからより安全性の高い通貨を求めて資金をスイスフランへと移動させたので、スイスフランが主要通貨に対して急上昇しました。
これをスイスが黙って見ているわけもなく、無制限の為替介入を行うとの強い声明を発表しました。無制限の介入ができるかどうかは疑問ですが、スイス中銀の凄腕総裁の発言は絶大でした。一方の日本は、試合が始まっても綱すら握っていない状態なので、全く勝負になりません。
現在、円は市場最高値水準のまましばし膠着状態に突入しています。民主党政権は、過度な円高を阻止するために介入の準備はあるようですが、1日の取引高が約4兆ドルと言われる為替市場で日本単独での介入を少々行ったとしても効果は限定的。サプライズなカードを切らなければ、市場への影響はあまりないでしょう。
●結び
これまでFX取引のお話を中心にご案内をしてきましたが、為替を知るということはすなわち経済を知るということを、なんとなくご理解いただけたでしょうか。いますぐFX取引をする予定がない場合でも、今後きっと役に立つと思いますので、少しでも興味をお持ちいただけたなら嬉しい限りです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
[南はるな,Business Media 誠]
「この記事の著作権はBusiness Media 誠に帰属します。」
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