16日夜、英国大使館にて開催された『ブーリン家の姉妹』
という映画の試写会に行きました。


実際のタイトルは
『もう一人のブーリン家の姉妹』
これは、女王となったアン・ブーリンの名前は誰でも知っているが、
妹のメアリーの方は知られていないからだ。

イギリス王国のこのすさまじい歴史、史実に感嘆致しました。
今まで私は女の子を産んだ妻(女王)を処刑したことで知られる
へンリー8世を冷酷な男と思っていましたが、
この映画で彼に対する思いがまったく変わりました。


それにしても、アン・ブーリンというこの女性、あの若さで
離婚という制度のなかったカソリックの国に、
離婚を実現させる為に国王ヘンリー8世を
ローマ法王庁と決別させ、バチカンのローマ法王へ一方的な謀反。
そのためここでイギリス正教が創設、国王がこの長となり
現在のエリザベス二世に継がれている、この史実。


日本の大奥と違うのはお世継ぎが絶対的に
女王の子でなくてはならないこと。
つまり、愛人や側室が産んだ子は只の私生児となること。


中世の時代、どの王国においても
世継ぎの男子を得なければならない、この宿命。

男児を得る為の、渦巻く奸計、策謀、権力と冨を獲ち得る為の
貴族の争い、そして女の業。。。。すさまじい映画!でした。


5人の子供(4人の女の子、5人目の男の子は死産)を産んだ
スペイン人の女王キャサリン・オブ・アラゴンを離婚させ
女王となったアンに産まれたのは又女の子。
その子はヘンリー8世の元愛人であった実の妹のメアリーの手に。


そしてその女児が後に、エリザベス一世となり45年間、
君臨し、イギリスの黄金時代を築いた事は何という皮肉。
自信を持って勧められる近年まれな素晴しい一作です。
是非皆様にもみていただきたいと思います。


『レノン』に出演した黒髪の女の子がすっかり美しく成長し、
アン・ブーリンを演じたナタリー・ポートマン。
そして今評判のスカーレット・ヨハンソンがメアリーを、
雄々しいエリック・バナがヘンリー8世を演じ話題作となっていること、
又中世の男性、女性の素晴しいコスチュームも楽しめます。


イギリスの叙情あふれる美しい風景が目に映ります。

10月25日より公開です。


ブーリン家の姉妹1 ブーリン家の姉妹2