身体が冷えるという人がいます。
たしかに触れてみると、かなり手足が冷たくなっています。
相当に冷えが辛いので、本人も様々な取り組みをしています。
思いつく限りの対策はとっているようでした。
なのに、なぜ冷えるのか?
原因は肉体にはないということ。
肉体に対するアプローチは十分すぎるほどにしているのです。
それでも芳しくないということは、肉体に原因がないと考えるのが自然でしょう。
効果が表れないと焦り、躍起になって努力を重ねます。
しかし、その努力感が、かえって心身を力ませ、こわばらせ、ますますめぐりを悪くしているように見えるのです。
人間には「ゆるみ」と「あそび」が、やっぱり必要なようです。
大病したり、日々つらい宿痾に悩まされている人ほど、頑張ってしまうのも無理ありません。
そのつらさをなんとかしたい。
その思いは痛いほど理解できます。
健康産業が喧伝する、「病気は悪」「治して当然」の風潮の中で、自らに鞭打たざるを得ないのもよくわかります。
だからこそ、あえて「治さなくていいよ」と言ってあげたいのです。
僕自身大病をして、一番辛い時、ひいたおみくじに書いてあった言葉にハッとさせられました。
「気に病むな、治る」
「治す」のではなく「治る」のです。
だからジタバタせず、「ゆるみ」ときに「あそび」ながら、その時を心穏やかに待っていよう。