外用剤のジェネリック医薬品について | 米田大介 皮膚科医 メモ

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北海道 札幌市 皮膚科勤務医 米田大介

お疲れ様です。

皮膚科 医師 米田大介です。

 

昨日から急遽書き始めたこのブログですが、友人や後輩から

もっと読みやすい内容ものせた方がいいと言われました。

前回記事の様な論文紹介に近いものを基本と考えてますが、せっかくなので

もっと一般的な内容を載せます。

 

今回はジェネリック医薬品の外用剤についてです。

ジェネリック医薬品がどんなものかは皆さんもう知っていると思います。

「厚生労働省の認可を得て製造販売される、先発品と同じ有効性成分を含む医薬品

です。

現在日本では60%のシェアとなり、例えばアメリカでは90%を超えるシェアで

使用されております。多くの薬剤は、薬価が先発品の半分以下になるので、

医療費の削減に効果的です。

医療費が増え続ける現在、世の中になくてはならないものだと思います。

 

ただ。

 

間違って欲しくないのは、ジェネリック医薬品と先発品は全く同じものではない

ということです。

上記にある様に、ジェネリック医薬品は有効成分とされるものが同じ量入っているということのみを保証しております。

 

逆に言うと、有効成分以外は保証しておりません。

もちろん害になる様な変なものは入っておりません。

安全性の確認はなされております。

 

例えば皮膚科でよく使う保湿剤の「ヒルドイドソフト軟膏®︎(マルホ)」がありますが、

この薬剤の有効成分は「ヘパリン類似物質」であり、その含有率は0.3%です。

いくつかのジェネリック医薬品、また同一成分をうたわれた市販薬が販売されて

おりますが、同じ成分であることを確証できるのはこの0.3%だけです。

実はほとんどが有効成分とされているもの以外で形成されています。

 

皮膚科で使用する外用剤は、この有効成分以外の「基剤」や添加物によっても

治療成果に影響を強く受けております。それ自体に皮膚の保護力があったり、保湿効果があったり、経費吸収に関与するからです。

 

内服の場合は、細かく分解されて体に吸収された上で働きますので、

(吸収効果の違いも出てくるのですが)ジェネリック医薬品であっても

有効成分が同じなので差は少ないと思います。

 

外用剤のジェネリック医薬品を卑下しているわけではないことはご理解いただきたいです。実際私もジェネリック医薬品の外用剤は多く使用します。

コスパが良かったり、場合によっては経験的な効果が先発品よりも高いものもあります。先ほど例にしたヒルドイド®︎も様々な剤形が先発品、後発品合わせて出ていますので、患者様と相談してケースに合わせて処方しています。

ただ、理解して欲しいのは「ジェネリック医薬品と先発品は同一ではない」

と言うこととです。先発品から変えた場合、効果が変わる可能性があり、

特に外用剤の場合、それが大きいと言うことです。

 

薬局で、ジェネリックを勧められて変更した場合、患者様サイドではそのことを

医師に伝えた方がいいと思います。

また医師側も、同じ薬を出しているのに効果に違いを感じた際は、

ジェネリックに変わっていないかをチェックするのがいいと思います。