今回は、「赤ちゃんにキスをすると虫歯菌がうつるのか」と、いうことについてまとめました。
僕自身、来年の2月には待望の赤ちゃんが生まれるということもあって、親としての自覚を高めつつあります。
そんな中で元歯科技工士の立場から、子供の歯に関してはちゃんとしておいてあげたいと思い、色々と調べた結果たどり着いたのが、「赤ちゃんにキスをすると虫歯菌がうつって、やがて虫歯になってしまう」という話でした。
今までは、そういえばなんとなく噂で聞いたことがあるなぁといった程度のことだったのですが、実際に自分の身に降りかかってくると妙に気になるものです。
生まれたばかりの赤ちゃんに、何かあっては親として申し訳がないですからね。
これからパパやママになる方は、この機会に赤ちゃんの口腔内のことについてお勉強しておきましょう!
赤ちゃんにキスをしてもいいの?
結論、ほっぺはOK‼
でも、口はNGなんです・・
やはり赤ちゃんが虫歯になる原因は、「両親または、周りの大人」にあることが分かっているそうです。
元々生まれたての赤ちゃんの口腔内には、虫歯菌が存在しないのです。
そこへ虫歯菌を持った大人が赤ちゃんの口にキスをすることで、唾液から赤ちゃんの口腔内へと虫歯菌が運ばれてしまうことにな
るとのこと。
特に「母親に虫歯がある子供」は約3倍も虫歯になりやすいという研究結果もあることから、よく「母子感染」とか「母子伝播」という言葉が使われるそうです。
では一体いつからどのように気をつければいいのか、具体的に見ていきましょう。
赤ちゃんに虫歯菌が増える時期
- 乳歯が生える生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月頃
先ほども言ったように元々赤ちゃんの口腔内には、虫歯菌なんてものはありません。
しかし、乳歯が生えてくる頃になると虫歯菌が増殖してくるそうです。
その理由としては、虫歯菌は硬いところに好んで住み着くという性質があるから。
磨きにくい奥歯が生えてきた頃には、特に歯磨きを怠らないようにしなければなりません。
虫歯菌とは?
虫歯菌のことを正式には、「ミュータンス菌」と言います。
特徴としては、
- 甘いものが大好き
-
砂糖をもとにして粘着性の物質を合成し、歯の表面に定着するという性質がある
この「バイオフィルム」という細菌は何かと言うと、ミュータンス菌(虫歯菌)を守るためのガードマンの役割をするものです。
ガードマン役とだけあって、バイオフィルムは歯ブラシだけではなかなか落ちません。
その間、守られているあいだにミュータンス菌はどんどん増殖を繰り返し、「酸」を放出します。
結果として、酸を放出され続ける口腔内はどうなるかというと、以下、虫歯のメカニズムへとつながることに・・・
虫歯のメカニズムとは?
赤ちゃんにとって、虫歯菌が口腔内に入ることで虫歯になってしまうということが分かりました。
では、虫歯菌が入った後で歯に対して何が行われることによって、黒く穴があいていく(虫歯になる)のかを知っていますか?
簡単に説明をすると、口腔内の虫歯が酸を作り出し、口の中が酸性になることで歯が溶けて穴があきます。
通常、食べ物を食べた際に口の中は酸性に傾きますが、唾液の作用によって中性に戻ります。
ところがある条件によって、口の中が中性に戻りにくくなり、虫歯を引き起こしやすくなってしまうことがあるのです。
- 虫歯菌の増殖(虫歯菌がどんどん酸を作りだしてしまう)
- 唾液の出が少ない・唾液本来の力が弱っている(体調不良時など)
- ダラダラとずっと食べている(歯の再石灰化を阻害することになる)
これらのことから赤ちゃんだけに限らず、虫歯にならないようにするための対策としては、口腔内の酸性度をコントロールすることが大切であると言えます。
どうしても赤ちゃんにキスをしたいのなら・・
めっちゃ可愛いし、何が何でもチューしたんねん!という人は、赤ちゃんが生まれる2年ほど前から口腔内ケアが必要とのこと。
赤ちゃんのお口にチューをする大前提としては、あなたのお口に虫歯菌が無ければいいのです。
~虫歯菌ゼロへ向けての口腔内ケア~
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フッ素入りの歯磨き粉で毎食後しっかりブラッシングをする
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定期的に歯医者さんに行く
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ガムなどでキシリトールを取る
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甘いおやつやジュースを控える
以上のことを徹底して行い、虫歯菌があなたの口腔内に無くなれば、はれて赤ちゃんに好きなだけチューできます。
まとめ
- 赤ちゃんに虫歯ができる原因は、両親や周りの大人の虫歯菌がうつるから
- キスをするならほっぺかおでこに留めること
- 乳歯が生える生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月頃からは、虫歯菌が増殖し始めるため要注意すること
- 虫歯菌は永久歯へと引き継がれる