映画好きな方ならIMAXという仕様で上映されている映画館の事をご存じかと思います。

 

従来よりも巨大なスクリーンに映し出される映像は、一度体験したら忘れられないものとなるでしょう。

 

 

 

私が初めて観たIMAXは、新宿にあるタカシマヤタイムズスクエアにあった『高島屋東京IMAXシアター』でした。

 

正確には1990年に開催された国際花と緑の博覧会でも体験しているのですが、こちらは映画と呼べる映像ではありませんのでしたので除外します。

 

高島屋東京IMAXシアターでの映像体験は圧巻でした。

 

高さ18m×幅25mの巨大スクリーンに20分ほどの短編3D映画が上映されたのですが、映像が手でつかめそうなくらいに飛び出してきて、大迫力の映像体験でした。

 

その時に観たのは、少女が恐竜の生息している時代にタイムスリップして、恐竜から逃げ回るという物語でした。

 

残念ながら高島屋東京IMAXシアターは2002年に閉館となりました。

 

 

 

次に観たIMAXは2009年12月、『109シネマズ川崎』でした。

 

その時に上映されていた映画は『アバター』でしたが、そこでの映像体験は私を失望させるものでした。

 

『109シネマズ川崎』のIMAXシアターは、『高島屋東京IMAXシアター』に比べるとスクリーンがかなり小さく、普通の映画館の大きめのスクリーンで観た方が迫力があるのでは、と思わせる程度のものでした。

 

3Dの効果も飛び出し感よりも奥行きのある表現に終始しており、飛び出しこそ3Dの醍醐味だと思っていた私を満足させる代物ではありませんでした。

 

上映されていた『アバター』も、無難な出来ではありましたが、そこまで面白いと思える映画でもありませんでした。

 

この後も『TOHOシネマズ新宿』などのIMAXシアターも体験しましたが、いずれも私を満足させるようなものではありませんでした。

 

 

 

そんな時、2019年に新しく出来た映画館・『グランドシネマサンシャイン池袋』に巨大なIMAXシアターが登場しました。

 

私はこの劇場が出来てすぐにここで映画を観ました。


映画館に入った瞬間に、かつて観た『高島屋東京IMAXシアター』を彷彿させるようなその巨大なスクリーンの迫力に圧倒されました。

 

このスクリーンでどんな映像が映し出されるのかとワクワクしたのを思い出します。

 

ですが、上映されていた映画に問題がありました。

 

その時観たのは『トイ・ストーリー4』だったのですが、これはIMAXで撮影された映画ではありませんでしたので、巨大なスクリーンの中央部分だけにしか映像が映し出されなかったのです。

 

結果的に普通の映画館で観るのと何ら変わりはありません。

 

もはやこれはIMAXと呼べるようなものではありませんでした。

 

ですが、次にこの映画館で観た作品はIMAX専用のカメラで撮影されたものでしたので、この巨大スクリーンの本領が発揮されていました。

 

その映画は、2020年9月に公開された『TENET テネット』でした。

 

3D映画ではありませんでしたが、全編巨大スクリーン全面に映し出される映像は圧巻でした。

 

これこそがIMAXだと思える迫力でした。

 

『TENET テネット』という映画自体も非常に面白い作品でした。

 

当時、難解な作品との評価があったようですが、私にはこの物語のどこが難解なのかと言い返したくなる位、分かりやすいストーリーに感じました。

 

時間逆行という設定はフィリップ・K・ディック氏の小説『逆まわりの世界』などですでに慣れ親しんでいたということもありますが。

 

ともあれ、このIMAXシアターの巨大スクリーンを最大限に活かした映画になっていました。

 

 

 

先日、私の住む石川県にもようやくIMAXシアターが出来ましたが、観ていないので断言は出来ませんが、おそらくこの劇場も『なんちゃってIMAX』とでもいうべきレベルの代物ではないかと思います。

 

IMAXに興味のある方は『グランドシネマサンシャイン池袋』、もしくはこちらは私は行ったことが無いので断言できませんが大阪にある『109シネマズ大阪エクスポシティ』も同じくらいの巨大スクリーンとのことですので、このどちらかの映画館で鑑賞されることをオススメします。

 

それ以外のIMAXシアターは、本物のIMAXに比べると極端にスクリーンサイズが小さなものとなっています。

 

その程度のスクリーンに安くは無い追加料金を支払う価値はないと私は思っています(あくまで私個人の感想です)。

 

 

こちらは『グランドシネマサンシャイン池袋』の巨大スクリーン。

 

こちらは『109シネマズ川崎』のスクリーン。日本にあるIMAXシアターのほとんどがこのタイプです。

 

スクリーンの大きさの違い、そしてスクリーンの上下の広がりの差が明確なのがお分かり頂けるかと思います。

 

 

個人的には『グランドシネマサンシャイン池袋』のIMAXシアターも、もう少しスクリーンと客席の距離が近かったら、もっと迫力のある映像体験ができるのにと不満に思う部分もあります。

 

思い出補正もあるかも知れませんが、私個人はやはり最初に観た今は無き『高島屋東京IMAXシアター』が最高のIMAXシアターだと思っています。