1965年12月公開作品。

 

ゴジラシリーズの第6作目。

 

2023年11月3日にゴジラの新作が公開されますので、それまでにゴジラシリーズの初期作の感想を遡って書いていこうと思います。

 

この先、ネタバレあります、注意!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

本作で登場する怪獣はゴジラ、ラドン、キングギドラの三体。

 

 

前作からモスラが抜けただけで、登場怪獣は目新しさがありません。

 

ですが、本作ではX星人という宇宙人が登場します。

 

 

かなり個性的なビジュアルです。

 

このX星人による地球侵略という、これまでのゴジラシリーズには無かった展開の物語です。

 

宇宙人による侵略と言えば『地球防衛軍』や『宇宙大戦争』という作品がありますが、今作はそれに怪獣を組み合わせたのが新鮮です。

 

このX星人はゴジラとラドン、キングギドラの三体で地球を侵略しようとするのですが、その際に地球にゴジラとラドンの貸し出しを依頼するという妙に律儀なことをします。

 

この辺りの展開は、映画を観ている時は気がつかないのですが、後から考えるとそのような面倒なことをせずに勝手にゴジラとラドンを操れば良かったのではと思わされます。

 

そうすれば地球侵略に成功していた気がします。

 

X星人のUFOが地球に着陸するシーンや、X星人の弱点が特定の音波という設定は、後にティム・バートン監督が『マーズアタック』という作品でリスペクトしています。

 

この作品ではゴジラがシェーをするシーンが有名です。

 

 

この作品以降、ゴジラシリーズは徐々に子供向けになっていった気がします。

 

特撮的には前作『三大怪獣 地球最大の決戦』の時も安っぽい場面が目立ち始めていたのですが、今作はそれ以上に安っぽくなっています。

 

過去作のからの特撮シーンを使い回しているくらいの低予算ぶりです。

 

前作『三大怪獣 地球最大の決戦』のシーンを使い回しているので、ある場面では本作では登場していないはずのモスラの姿が一瞬見切れていたりします。

 

それでもX星人のUFOが着陸するシーンをワンカットで見せる特撮や、キングギドラが工場を破壊するシーンなど、出来の良い特撮の見せ場もあります。

 

 

 

特に新兵器のAサイクル光線車の登場は印象的です。

 

 

X星人が怪獣を操る電磁波を遮断する光線を発するのですが、その近未来的なビジュアルは格好いいです。

 

このミニチュアは改造され、後に『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』においてメーサー殺獣光線車として登場することになります。

 

 

特撮の描写は子供っぽいところがあるものの、物語的には宝田明さん、ニック・アダムスさん、水野久美さん、久保明さんの好演で、大人の鑑賞に堪えうるものになっています。

 

特にニック・アダムスさんと水野久美さんの悲恋物語は、大人になった今観ても心を揺さぶるものがあります。

 

 

ゴジラ映画の中では個人的には好きな作品です。