【4】Japonesque◆百合
今では、初めてを懐かしく思う。
すっかりお背中流しタイムの虜になった俺は、もう余裕綽々に背中を見せて待てるようになった。
先生に洗ってもらうと、スッキリするだけじゃない。
ただ洗うだけではなくて、掌や指先を使って解してくれるから疲れまで吹き飛ぶんだ。
なのに、、、まだキスもできないなんて、なんだか世の中って理不尽だ。
「翔さん、流し忘れたところはないですか?」
よっしゃ!
やってみるか!
俺は、椅子から立ち上がると、先生のほうへ振り返り、隆々のそれを見せつけて、思いの丈をぶちまけてみた。
先生っ!
こっちも!
こっちも、色んな意味で流してくれませんかっっ♪♪♪
うぅっっ、、やっべぇ。
想像するだけで、やばい!
しかも反応してきちゃった♪
「翔さん?
大丈夫ですか?のぼせましたか?」
「は、はいっ?」
「お背中、、流し忘れはありませんか?」
「だっ、大丈夫です!」
前のほうは、かなり大丈夫じゃないですけどっ!
相葉先生が立ち去ったら、自分でなんとか鎮めますので・・・。
とは、思うんだけど。
風呂から上がり、脱衣室の戸を開けると、いつも相葉先生が新しいタオルを持って、待っててくれているんだ。
「やっぱり、、、。
翔さん、頭、ちゃんと拭きました?」
パフっとタオルを被せられるから、よろけたフリして、このまま抱き着いちゃってもいいですかっ♪♪
もちろん、思うだけで終わる。
それに、いつから?
どのタイミングで、ここで待ってるの?
考えると、迂闊に風呂場で、ひとりで、、、なんてやってたら、もしかしたらバレるのかも。
まさか、カメラなんてついてないよな?
とにもかくにも、相葉先生は世話好きで、至れり尽くせりの毎日なわけだけど。
あのプライベートルームに入ると、途端に甘えん坊みたいになるから、困ってしまう。
ベッドに入れば、俺をチラッと見て、照れ臭そうに笑うと、布団の中で手を繋いでくる。
そして、いよいよ眠くなると、今度はこちらを向いて、俺の腕にしがみつくみたいにして寝入るんだ。
俺の腕に、しっかりくっついて、寝顔なんて、あどけなくてさ?
相葉先生?
俺は、どうすればいいですか?
あなたを、食べてしまってもいいのだろうか?
でも、そうするためには、俺もそれなりの知識が必要なわけで。
でも、それよりも先に、知っておきたい。
身体を繋げたいだけじゃない。
もちらん、相葉先生が俺のことを想ってくれていることは、充分すぎるほど伝わってる。
ただ、、、。
パトロン枠は、別物なのでしょうか。
それとも過去のこと?
だったら、なぜ、あの蓮の書を大切そうに飾ってる?
考えるほどに、胸が苦しくなった。
…つづく…
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