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家電話が鳴り響く
それを手に取る八津
八津「はい、もしもし」
犯人「もしもし、八津さんのお宅でしょうか?」
八津「そうですが」
犯人「あなたの奥さんを預かりました」
八津「…?」
犯人「返してほしければ明日中に、5000万円、用意してください」
八津「妻を…!?」
犯人「ああ、警察に連絡したら、奥さんの命はないと思いなさい。分かるようにしてますので。」
八津「…ふざけるなよ」
犯人「はあ?」
八津「ふざけるなよ。俺の妻を何だと思ってやがる…!」
犯人「あははははは!こりゃ滑稽だ!その地位を得るために多くの人間を蹴散らした男が!」
八津「俺の妻に!」
犯人「妻に!何だ!?手を出すなってか!?ははは!随分かっこいいじゃないですか!」
八津「気安く値段付けるんじゃねえ!」
犯人「…はあ?」
八津「何が5000万だふざけやがって!俺の妻の価値がその程度と思ったか!」
犯人「何言って…」
八津「そんな程度の金なら明日と言わずすぐにでも用意できる!とっとと送ってさっさと返してもらう!だが気に入らん!」
犯人「何が!?」
八津「お前も誘拐なんてリスクを背負ってんなら、5000万程度で満足すんな!そんな安い報酬で満足すんな!」
犯人「…馬鹿にしてんのか?」
八津「先に馬鹿にしたのはそっちだろ!俺の嫁は5000万なんかの取引の材料にしやがって!天涯孤独の俺をいつも見守り、時に励まし、時に慰め、時にぱふぱふしてくれる女神さまなんだよ!」
犯人「一部いかがわしい表現があったけど!?」
八津「何億何兆の金を作れてもな、あいつのような女を用意することなんかできねえんだよ!あいつのためなら金なんかいくらでもつぎ込んでやる!イカレてるだの良く言われるがしったこっちゃねえ!…やり直せ。」
犯人「はあ?」
八津「やり直せって言ってんだよ!5000万は聞かなかったことにしてやる!吊り上げろ!もっと吊り上げろ!しっかりリスク背負ってる分それに見合ったリターンを求めろ!」
犯人「とは言っても…」
八津「1000億だ」
犯人「……へ?」
八津「へ?じゃねえよ!それでも妻と釣り合わんが、こちらがすぐにキャッシュで用意できる限界額だよ!今用意させる!さっさと取引場所を言え!」
犯人「えっと…あ…あの…」
八津「早くしろ!あーもーじれったい!待ってろ!そっちすぐ向かう!」
犯人「え、待て!まだ場所言ってないだろ!」
八津「お前の場所さっさと割り出すから!」
犯人「なっ…お前、警察に」
八津「言ってねえだろ!言ったら殺すっつったじゃねえか!」
犯人「じゃあ何で」
八津「GPS、発信機。行方不明になってもすぐ探せるように仕込んでんだよ」
犯人「何それ怖い!」
八津「待ってろ!1000億耳揃えて用意してやるから!」
犯人「いや待って待って!そんなにいら」
八津「いらねえっつったり金用意しろっつったり、てめえの舌は何枚あんだコノヤロー!」
犯人「だから限度があるだろ!」
八津「うるせえ!嫁の危機だぞ!つべこべ言うな!」
犯人「いや今んとこ預かってるだけなんだけど!」
八津「よしっ、準備ができたみたいだから向かうぞ!青のトラックが目印だから」
犯人「だからちょっと待って!そんなにいらない!いらないから…」
ガチャッ!と八津は勢いよく受話器を置く
モノローグ
八津「その後、俺は1000億を運び、無事、妻の奪還に成功した。犯人は俺の会社の契約先の社長の木下だった。ウチとの契約を切られ、その後はとんとん拍子に景気が傾き、倒産。その恨みで妻に手を出したらしい。ところがだ。俺が運んだ1000億を見て、木下は腰を抜かしてしまった。」
舞台は寂れた工場
木下が運営していた工場である
木下「え…そ…そんな………!」
八津「まさか、木下とはな。…さあ、約束通りの1000億は置いていく。これで取引は終了だ。トラックもやる」
木下「も……も……」
八津「ん?」
木下「もらえるかああああああああああ!!!」
木下、逃げるようにして工場から出ていく
TV「次のニュースです。本日夕方、株式会社バルサミコッスの八津社長の妻が誘拐され、その犯人と思われる男が自首をしました。誘拐の首謀者は木下豊容疑者で、『用意された身代金を見て恐ろしくなった』と供述しており、警察は事件の詳しい動機を…」
END
…
……
何となくノリと勢いで作ってしまった(笑)