「どうしてそんなに酒を飲むんだい?」「忘れたいからさ」「何をそんなに忘れたいんだい?」「そんな事、忘れちまったよ」ある本の僕の好きなフレーズである、人間は嫌な記憶、妄想を忘れることで生きていける、全てを覚えていたら頭がパンクして発狂するだろう、忘れるということは機械には出来ない人間だけの芸当だ、僕はお酒が飲めない、だからいつまでも嫌な記憶が呪いのように頭にこびり付いて心を病んでしまった、忘れたい事だけをピンポイントで記憶から削除出来たらその瞬間からバラ色のような人生を送れるのだろうな、僕の脳は不器用なので余計な事をいつまでも記憶して悶々とし、大事な事を忘れてしまう、ここまで出てきているんだけどな、という時に嫁が掃除機を持ってきた、関西人なので脊髄反射的にノリツッコミをしてしまう、どれだけ老いぼれても関西人はボケとツッコミを忘れられない、これも一種の呪いだ。