私ども
「データ復旧業者が”データ復旧”する場合 どんな作業をしているのでしょうか?」
「データ復旧業者なんてファイナルデータで読むだけだ!だからボッタクリだ。」知ったかぶりで言う素人さんもいます。
まあそれも データ復旧のアプローチの一つではありますが復旧の可能性はあまり高くないでしょう。
ここだけの話 ”ファイナルデータ”ってあまりできの良い復旧ソフトだとは思いません。
それに加えいきなりデータ復旧ソフトをかけると症状を悪化させる可能性が大きくなります。
”ファイナルデータ”に限らずデータ復旧ソフトは読めない(読みにくい)領域(=セクター)をなんとか読もうとしてリトライを繰り返します。(ヘッドが同じところを往復します。)
ヘッドが搭載されているアームを動かしているのはボイスコイルモータですが 意外に大きな電流を食うため動作を繰返すとすぐに発熱します。
”HDDは温度に関係なく故障する”という調査結果が過去に(2007年?)にGoogleから発表されて(注1)業界に衝撃を与えましたが一般に50度を超える(注2)と故障率が上昇すると言われています。
同じ場所をリトライすると50℃はあっという間に超えます。
現実に障害発生後長時間ファイナルデータ(データ復旧ソフト)をかけ続けたため明らかに「症状が悪化した」であろうHDDはご依頼分の中に結構あります。
最悪の場合 復旧不能となります。
データ復旧やハードディスクに詳しくない人が作業したためこのような状況を招き データ復旧を不能にしてしまうケースは後を絶ちません。
つまり 状況をよく判断し 作業を行う必要があるのです。
最もまともなデータ復旧業者はお預かりしたHDDで作業をすることはありません。
少なくともハードウェアでの磁気情報の強制抽出(クローニング)が必要となります。
この場合 クローニングマシンで重要なことは”読めない領域は読み飛ばす”という機能です。
最近 この機能を持ったHDDスタンド(とでも言うのでしょうか?)がいくつか発売されたり、クローニングソフトでスキップ機能を持ったものもあるようですが 残念ながらあまり信用できません。
一通りこれらを購入して試してみましたが どうもまともな結果が得られませんでした。
HDDのクローニングには やはりそれなりの機器が必要なようです。
ということで 長くなったので今回はここで一旦終わります。
===鉄則===
障害HDDで直接 復旧作業をしてはならない。
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(注1)現在その結果は見つけられませんでした。
(注2)多くのHDDメーカーは使用環境が50℃を超えないことを推奨しています。