PGTH式速記法講義録(高速度移行型)2…速記検定(空読み用)文例より新出速記文字等 | 個人用途の新速記法 EPSEMS(エプセムズ)

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PGTH式速記法講義録(高速度移行型)2

 …速記検定(空読み用)文例より

    新出速記文字等








 前回より「PGTH式速記法講義録(高速度移行型) 1」という新しいテーマでの記事を開始させていただきました。


 それに引き続き、今回は「PGTH式速記法講義録(高速度移行型) 2」ということで、過去の速記検定(日本速記協会主催の速記技能検定試験)における「空読み用(本番開始前のウォームアップ的な朗読)」の文章を速記文字化したものをもとに、新出の速記文字の解説を加えさせていただきたいと思います。



PGTH高速度移行型 2 訂正分

  ↓ 訳 (第174回速記技能検定試験 空読み用より引用)



きょうは、自動車のタイヤについて話をしてみたいと思います。自動車に求められる


性能で一番大切なのは、安全性ではないかと思います。そして、安全を保つための


重要な部品の一つがタイヤなのであります。どんなにブレーキがよくきく車でも、


滑りやすいタイヤではしっかりと停車させることはできません。また、思いどおりに


コントロールできるものでなければ、事故を未然に防ぐことは難しいのであります。


このようなことから、パンクしてもそのまま走り続けられるタイヤがつくられています。


走行中のパンクは、大きな事故につながることがあります。また、車が


走っているところでタイヤを取りかえる作業はとても危険なことなのであります。


しかし、このようなタイヤであれば、そうした危険な事態を避けることができるのであります。





(↓ 速記符号の説明)



1行目


・「~の」は「ノ」の速記文字のままでもよいのですが、「ノ」を短くした線が「ニ」となり、これは助詞の「~に」ともなることから、両者が混同して読み誤る恐れもあり得ます。したがって、助詞の「~の」に関しては、「ノ」の速記文字の末尾を例のように大きく曲げた形で書くようにします。ただし、「~のか、~のが、~のと、~のは、~のも、~のを」等、「~の」の後にさらに続く速記文字があるような場合は、「ノ」の速記文字のままで書きます。


・「~について」は「ツ」のみで表します。


・「思います」ですが、「ます」を表す速記文字(=マ)の字頭に「ン」を表す場合と同じ小円を書くことで表します。(この場合の字頭の小円は「思います」の「オ」の音を表すと認識してください。)


思い」は「モ」の字頭に小円を書いたものが「思(オモ)」までを表すとみなして、これに「~イ」を表す右上への加点をします。


思って」は上記の「思(オモ)」までを表す符号プラス「~て」を表す右横への加点で表します。


思う」は「モー」の長線文字の字頭に同様の小円を書くことで表します。


・「求め」は「モ」の字頭に「頭部フック(小カギ)」を付けて表します。これは結果的に「ミョ」を表す速記文字でもあります。


ちなみに、「まとめ」は「マ」の速記文字の字頭に「頭部フック(小カギ)」を付けて表します。これは結果的に「ミャ」を表す速記文字でもあります。


また「まとまる」の場合の「まとま」までの部分は「マ」の速記文字を2倍の長さに書いたもの、つまり「マイ」を表す速記文字の字頭に「頭部フック(小カギ)」を付けて表します。


さらに、「認め」は「ミ」の速記文字の字頭に「頭部フック(小カギ)」を付けて表します。


以上、「求め、まとめ、認め」が同じようなパターンで構成されます。


・「られる」は「ラ」のみで表します。ちなみに、「られ」も「ラ」のみで表します。なお、前後関係で「られる」と「られ」の区別を付けられない場合、「られる」は「ラ」に「ラ行音を表す右下への加点」を加えることで表します。



2行目


・「一番」は「一(イチ)」を表す速記文字プラス「ン」で表します。


・「~では」は「ハ」のみで表します。なお、「~ては」も同じ「ハ」のみで表して読み分けます。


・「~ではない」の「ない」の部分は「チー」そのものを続けて書いています。



3行目


・「重要」は「シュヨ」のみで表します。


・「一つ」の「一(ヒト)」は「一(イチ)」で表します。


・「~でも」は「ム」のみで表します。なお、「~ても」も同じ「ム」のみで表して読み分けます。



4行目


・今回の文章における「滑りやすい」のように、前後関係によっては「やすい」の「い」のように、活用語尾の一部を省けるものは省くようにしても構いません。


・「させる」は「セ」のみで表します。ちなみに、「させ」も「セ」のみで表します。なお、前後関係で「させる」と「させ」の区別を付けられない場合、「させる」は「セ」に「ラ行音を表す右下への加点」を加えることで表します。


・「こと」は思い切って「コ」のみで表します。


・「どおり」ですが、「トー」を表す長線文字の末尾をスーッと流したものを前符号の終わりあたりに深く交差させて表します。(次に続く速記文字は、この流した線の末尾の直近右横から書き始めます。)なお、「とおり」も同じ書き方で表して読み分けます。



5行目


・「もの」も「こと」の場合と同様に、思い切って「モ」のみで表します。


・「なければ」ですが、前符号の終わりあたりに「ハイ」を表す長線文字を深く交差させて表します。この「ハイ」を表す長線文字は「~れば」に使うことができます。ただし、「すれば」は「スハ」のみで表します。


・「防ぐ」ですが、上記4行目の「滑りやすい」の場合と同様に、前後関係によっては「防ぐ」の「ぐ」のように、活用語尾の一部を省けるものは省くようにしても構いません。こういった例のように、文の前後関係等、言葉の性質等をうまく利用することにより省いても読み返すことができる部分を研究することも、なかなか興味深いことだと思います。



6行目


・「この」は「コ」の末尾を鋭角に曲げて表します。


・「~ような」は長音の位置(直近右横)に「ナ」のみを書いて表します。ちなみに、「~ように」は同様の位置に「ニ」のみを書いて表します。「~ようだようで~ようです」等、すべて同様の位置に「タ」「テ」「ス」を書いて表します。


・「その」は上記の「この」の場合と同様に、「ソ」の末尾を鋭角に曲げて表します。


・「そのまま」は上記「その」の真上に「マ」のみを書いて表します。


・「つくられています」の「~ています」の部分ですが、「~て」を表す右横加点の位置から「います」を書くことにより表しています。



7行目


・今回の「つながる」の場合も、上記「滑りやすい」「防ぐ」の場合と同様に、「つながる」の「る」を省いて書いています。



8行目


・「走っている」の部分ですが、「ハ+シ(前の字の中央に後の字を接触)+促音(ごく短く右上にはねる)」までを書いた後で、「~て」を表す右横加点の位置から「いる」を書くことにより表しています。


・「ところ」ですが、「トー」を表す長線文字の末尾を流したもの(続く文字は長音の位置、つまり直近右横から書きます)により表します。なお、「どころ」も同じ書き方で表して読み分けます。


・今回の「取りかえる」の場合も、上記「滑りやすい」「防ぐ」「つながる」の場合と同様に、「取りかえる」の「る」を省いて書いています。



9行目


・「あれば」の場合などに、上記5行目で説明した「~れば」を用いることができます。


・今回の「避ける」の場合も、上記「滑りやすい」「防ぐ」「つながる」の場合と同様に、「避ける」の「る」を省いて書いています。 


 



 以上、いろんな書き方が出ましたが、実際に言葉を書いてみた場合に自然に手に出てくるよう、いろんな意味で書きやすく読みやすいものとなるよう、構成しているつもりです。


 今回の最後になりますが、「~て、~で」(50音速記文字の「テ」を使うこともあれば、「~て」を表す右横加点を使うこともあるなど、さまざま)などの例のように、一つの言葉に対して何とおりかの書き方が考えられることも多々ありますが、まさに速記文字とは「現実対応」そのものですから、練習、実際使用により、現実にどんどんぶち当たって、ご自分なりの道具としての速記文字の世界を体得していかれますよう、願っております。








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