最近見たTV番組の感想を書いていこうと思うも、どうしても時間が作れない日が続いてしまい、まとめて書こうとするのは無理があると気付いたので、小出しに書いていく事にしました(笑)
『世界サブカルチャー史 欲望の系譜4 21世紀の地政学』
これはNHKで放送中の番組で、過去のシーズンもほとんど見てきています。
今回のシーズン4では「アイドル編」「ヒップホップ編」「ポップス編」「ゴシック編」「サイバーパンク編」とジャンル分けされており、それぞれが30分番組を3週に渡って放送する形となっていますが、私はヒップホップ編以外は全て見ています。
現在は「ゲーム編」が放送中で、今週の放送で終了予定です。
この番組は普通に面白いんだけど、しばらくして振り返ると「あれ?何が言いたかったんだっけ?」と全く思い出せないような内容なんですよね…。
それでも、最も楽しみにしていたサイバーパンク編は個人的に好きな映画がたくさん紹介されたし、興味深い話もいくつかありました。
番組の中から個人的に印象的だった話を以下に抜粋していきます。
●今の人間は既に世界を動かしているサイバネティクスに政治的、軍事的、文化的に支配されている。
これがハラウェイの言う「サイボーグ」。
テクノロジーに我々の主体自体が制御されちゃってる時代。
だから我々は既にサイボーグである、と。
●『スノウ・クラッシュ』で(警告として)描かれたメタバースはユートピアではなく誰も作りたくもない場所。
しかしこの10年、メタバース作りが良い事のように語られています。
それは『フランケンシュタイン』を読んで「死体を掘り起こし蘇らせるべきだ」と言うようなもの。
サイバーパンクは警告したのに、我々は耳を貸さずテクノロジーに誘惑されたのです。
●韓国では生後3ヶ月の娘を餓死させる事件が起きる。
11月にはネットゲームのし過ぎを母親に注意された15歳の少年が母親を殺害し自殺した。
この頃、韓国では若者たちの異常な習慣が社会問題となった。
若者はもう外に出ず、携帯電話を手放さず、PC画面の輝きに催眠状態。
(この状態は)本当にサイバーパンク的で、技術が中毒性があり巨大だという現代の比喩のようです。
受験・就職競争が熾烈な韓国社会では当初ネットゲームは束の間の逃避先だった。
だがいつの間にか現実と仮想が入れ代わり、その逆転に気付けなくなっていたのか?
◆果たしてメタバースはディストピアか?ユートピアか?
世界がネットで繋がったことの弊害。
そのリスクが高まり続ける時、現実世界でもインターネットは分断され
人々はローカルな繋がりと原始的な社会へ戻っていく。
そんな未来予想図もサイバーパンクによる思考実験の一つの答えかもしれない。
●サイバーパンクがかつて古典SFに反抗したように今ソーラーパンクが勢いをつけています。
ソーラーパンクとは持続可能な未来の世界を提唱するSFです。
スタジオジブリ 特に宮崎駿作品の影響が強いです。
常に植物や動物が存在し、有機体の感覚があります。
私達はソーラーパンクなどの新たなSFにサイバーパンクの代わりを探しているのです。
ちょっと話が難しいんですが、『ブレードランナー』や『マトリックス』などのサイバーパンク映画が行き過ぎたテクノロジーによる未来をディストピアとして描いてきたのに、現実世界は映画で描かれてきたようなディストピアに突き進んでいるといった話が多かったように解釈しました。
そして、私自身も時代の流れの中でそのように感じてきたので、分かっていてもこの流れを止められない人間という生き物の愚かさには無力感を覚えるばかりです。
過去の映画作品などでもたくさん警鐘が鳴らされてきたのに、何の教訓も得ることなく結局このような世界になってしまった事を考えると情けなく思えてきます。
ジェームズ・キャメロンも「84年にターミネーターで警告したのにその声は無視された」と昨年語っていましたしね。
スマホがないと生きていけない現代人は、もはや肉体が機械と同化したサイボーグに思えてきます。
このブログでも「スマホが普及してから人間が人間らしさを失ってどんどん機械に近づいていってるように感じる」といったことを書いた覚えがありますが、それは全然気のせいでも思い過ごしでもなかったのだと、この番組を見て確信しました。
かくいう私自身も、もうネット歴25年ぐらい。
人生の半分以上をネットと共に歩んでいることを考えると、自分もサイボーグに思えてきて怖くなります。
番組内で語られていたソーラーパンクのような未来に向かってくれると良いんですけどね。
サイバーパンクだけは御免被りたいものです。
あと、SNSにしても良い部分もあるのだろうけど、負の側面の方が圧倒的に大きいので、あんなものは無くなった方が良い世の中になるのは間違いないでしょう。
ついでに「ゲーム編」についても少しだけ。
●Bボタンを押しながらAボタン(ジャンプ)を押す
何かのボタンを押しながら指の腹で何かを押すというのは
実は人類が初めて経験したこと。
まさに身体 プレイヤーの体の位置や指の長さを研究した上で
日本のゲームは作られている。
といった事が語られていたのですが、これには目から鱗でした。
●実は80年代中頃から90年代にかけて不登校となる生徒たちが急激に増えている。
バブルの中、郊外でベッドタウン開発が進み個室化が進んだのもこの頃だ。
80年代から既にこういった問題があったとは知りませんでした。
「鍵っ子」とかは大人になってから知りましたけど。
そういった暗い側面もあったようですが・・・・・・
私がリアルに体験してきた80年代はこんな光景でした⬇️
遊んでるソフトが『グーニーズ』というのが最高ですね。