トウカイテイオーと有馬記念 | でりの気まぐれ日記

トウカイテイオーと有馬記念

今年の最後のGⅠレース、中山グランプリ
有馬記念とも呼ぶが、あえて中山グランプリと呼びたい…
今まで、数多くの名勝負を残してきた中山グランプリである。


トウカイテイオーは、ジャパンカップを制して戦うメンバーで
これといった敵はいない。
唯一、戦っていない馬で実力があるといえば、ライスシャワーぐらいなものだ
この年、ライスシャワーは、戸山調教師が作り出した
逃げ馬の化け物ミホノブルボンの三冠を阻止している。
ミホノブルボンに唯一、勝った馬がこのライスシャワーだけである。
オイラは、このライスシャワーも好きである。


当日は、7時30分に中山競馬場に到着。
開門と同時に、パドックに陣取る
なぜかと言えば、垂れ幕を張るためである。
この垂れ幕は、ジャパンカップで取ったお金で作ったものである。
もちろん応援団旗も作ったっ!
これで応援は、万全だっ!


この頃は、中山競馬場の近くに実家があったためホームである。
ジャパンカップのときは、完全にアウェイだったのを覚えている
今度は間違えなく、トウカイテイオーは1番人気 当然である
2番人気が、ライスシャワー
トウカイテイオーを差せる馬は、このレースではライスシャワーぐらいであろう
ライスは、リアルシャダイの子供。母の父はマルゼンスキー
血統的には申し分なしっ!だかライスは完全にステイヤー的であると思えた。
スタミナも、スピードもあるメジロマックイーンと比べると
やはりスピード的には、またまだ4歳(旧)であるから古馬には勝てない部分かあると思えた。
でも不安もあった…
なんと、岡部騎手が騎乗停止、乗り代わりで田原成貴。
田原成貴といえば、「天才」「競馬界の玉三郎」と呼ばれていて腕には申し分なしっ!
岡部がいなくてもトウカイテイオーの能力を十分に出してくれると思っていた


パドックで、トウカイテイオーをカメラのファインダーごしに見る
あれ?ジャパンカップのときと違って元気がない…と感じる
気合はある程度は入っているが、なんか元気がない…
とりあえずは、出走メンバーの写真を全部撮った
トウカイテイオーをずっと見てきたけど、こんなに元気がないのは初めてだった。
落ち着いているから元気がないように見えるのだろうか…
色々なことを考えているうちに「とまれ~」と騎乗命令がかかる
田原成貴騎手は、落ち着いている 流石はベテランである
初めての騎乗、1番人気、GⅠ…この状態で落ち着ける 
任せて大丈夫という気持ちがこみ上げてくる


返し馬を双眼鏡で見ていると、いつもと違うという違和感があった
「今回はテイオーは負けるかもしれない…」とボソッと言ったら
友達たちが「なんだとっ!買ってしまったぞっ!」
オイラも買っている と言ってもいつもの通り100円の単勝だが…
「応援しようぜっ!応援っ!」と友達たち…
不安な気持ちがどんどんこみ上げてくる
そんな時に、GⅠのファンファーレが聞こえる
この時点で考えていたことは、無事にレースを終えて欲しいと言うこと
無理して、レース中に骨折でもして予後不良にならないで欲しいと言うことを考えていた。
もう、勝ち負けなんてどうでもよかったかもしれない。


ゲートが開くっ!
メジロパーマーが、予定通り逃げる
トウカイテイオーは、中盤にいる
みんな、トウカイテイオーをマークしているのかペースが上がらない
見ている状態で、オイラでもスローペースだとわかる
こんなスローペースは、オグリキャップのときと同じだ
前を走っている馬が残る…
中盤にいる、トウカイテイオーは勝つためには、
上がりが32秒台以上のタイムを出しても届くかどうかわからない
今の状態で、上がり32秒は無理だろう…
後は無事にゴールをしてくれれば良い
残り600っ!友達は必死に旗を降り始める
買っている金額がでかいのか必死である


レースを見ると叩き合いが始まっている
そんなスローペースなのに中盤以下にいた馬が届くわけない
メジロパーマー・レガシーワールドで決まって万馬券である。
タイムは、2分33秒5
前年の、「これはびっくり、ダイユウサク」の時が2分30秒6
3秒近く違う… いかにスローだったかがわかる。


スタンドでは、田原に対してのブーイングが始まる
友達たちも、一緒にブーイング
いくらなんでも酷いと言うような言葉が飛び交う
でも、オイラから言えば田原成貴は名騎乗だったと思う
途中で気がついたのか、乗ってから気がついたのかはわからないが
トウカイテイオーに無理をさせないように騎乗していたと思う。
無事にゴールをさせるという一点に絞っていたのかもしれない
初めての騎乗、1番人気、GⅠなのに馬を優先した。
オイラが騎手だったら絶対にできないことである。
ブーイングは、覚悟していたのであろうか…
着順は11着 16頭で11着  トウカイテイオーの生涯最低着順。
田原が、どれだけ無理をさせなかったかわかる着順…
天才と称されたのは伊達じゃないっ!
オイラが田原騎手に対しての評価は上がった。
まさに「漢」を見た感じがした。


旗を振っていたことが、いけなかったみたいで
オイラたちは、警備員に捕まってしまった
1時間ほど文句を言われ、解放された
友達と、おけら街道を歩いて帰路についた


次は、1993年、第38回有馬記念(中山グランプリ)について書く予定。