前回の話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うんこも出て

 

 

時間通りに家を出て

 

無事

受験会場につく

 

 

長男の時には

なかった光景

 

 

 

 

 

 

二月の勝者で見た

 

 

塾の先生たちが

子どもたちを励ますために

立っている

 

浜 日能研 希 馬淵

 

そうそうたる

塾の先生たちが

 

自分たちの塾の旗を持って

立っている

 

 

なんだこの

光景は・・・・

 

 

塾の先生たち専用

トイレまで準備されていた。

 

 

何よりもこの

学校

 

校長先生が門の前に立って

 

子どもたちに

声をかけている

 

 

パフォーマンスだとしても

素晴らしいと思う。

 

 

 

自分も3か月ほど

 

背負っていたことがある

 

日能研のあの

ダサい鞄

 

あれが

今日は

 

誇り高き

選ばれし種族感を放ち

 

 

彼らは

それを背負っているだけで

 

この学校は楽勝で

 

俺たちは

ここを

滑り止めにしてるんだぜ

 

 

え?

 

 

お前たちは

ここが本命?

 

 

嘘だろ

おいおい

 

 

 

そういえば

 

お前の親父

 

変なスリッパ持ってるもんな

 

 

そういう所だぞ!

 

 

ここに来るべきは

我々のように

 

このNのカバンを

持っている者のみだぞ

 

 

 

ひかえおろーーーー

 

 

 

なんて

 

言われている気になり

 

あのバッグと

メガネをはぎ取ってやりたくなる。

 

 

それに引き換え

浜学園の子たちは落ち着き払っている

気がする。

 

 

 

 

 

 

 

娘を送り出したら

親達は

控室に通される

 

 

控室で

パソコンをする親

携帯をいじる親

寝ている親

新聞を読んでいる親

 

 

やはり

 

親たちも

落ち着きがあり

品性を感じる

 

さすが

賢い学校は違う。

 

 

親たちまでもが

 

待ち時間?

 

違うよ

 

この時間を

有効に使うんだ

 

 

仕事をアサインして

タスクをマネジメントするんだ

 

 

なんて

雰囲気を出している

 

それに引きかえ

君は何だね?

 

 

パーカー着て

変なスリッパはいて

 

まるで

場違いだ

 

学校の空気が

汚れる

 

 

TPOもわからないのか?

なんなんだ

そのスリッパは

なんでそんな分厚いんだ?

 

 

ふざけるんじゃないよ

 

 

と言われている気がする

 

 

持って行った本も

これだったので

 

 

 

 

お金の本かよ

 

 

これだから

 

貧乏スリッパは!

 

 

 

 

親たちの視線

が突き刺さる。

 

 

 

早く帰りたい

なぜ

私はこの場に

ステイすることを選んでしまったんだ。

 

 

 

だいたい

尼崎の

公立育ちのおっさんに

 

私学なんて向いてないんだ

 

私学にいること自体が

もう完全に

アウェイなんだ。

 

 

 

早く帰りたい

 

 

しかし

余裕をもってきて

しまったため

 

 

今から5時間ほど

この場にいなければいけない。

 

 

地獄だ。

 

 

 

つづく