時(詞) | 吟遊詩人 (高次脳機能障がいを抱いて……)
街角で偶然にであった
とてもとても遠い日
ほんの少し首をかしげて
微笑むクセ覚えていました
手にすくった巻貝に
聞こえた白い潮騒が
あなたのまわりに聞こえます
時に長さがあるなんて
だれが告げたのですか
わたしはあの日のあなたの姿
今も見つめることができるのに
街角で偶然にであった
とてもとても遠い日
幸せを尋ねる戸惑い
どうしてか聞けないわたしです
開いたばかりの花の香の
春のどやかなひろがりが
あなたのまわりにさざめいています
時はもとに戻れないと
だれが決めたのですか
心の中のあこがれが
今も心に膨らんでいると感じているのに