超円高の若手社員と、超円安の海外駐在 | ロンリー・オル・ナイト

ロンリー・オル・ナイト

80年代で時が止まったオサーン。タイトルは青春時代の好きな曲から…
そして今はインドネシアで怪魚釣りを夢見る男の海外奮闘記!

こんにちは。

 

今から約30年前の1995年は、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が起きた、まさに激動の一年でした。
あの年には自分なりのいろいろな思いがありますが、今あらためて強く印象に残っているのは、あの「超スーパー円高とスーパードル安」です。

 

当時、僕が勤めていたのは造船会社で、今はどうか知りませんが当時は船ってドル建てでした。

日本で造るので円で材料を買って船を造って、海外のお客に売るから収入はドルでした。

来年の分を受注していくのですが、価格などは契約時のドル円レートで計算をしてたはずです。

詳しく書けませんが、その契約時のドル円相場とドル変換時の相場が1円違うと1隻で数千万円違いました。年だと数億円の差です…たった1円でですよ。

当時、社長の朝の送り迎えをしていたんですが、ある日、会話の話題に困って円相場の話しをした事があります。

普段はプロ野球とかの話しですが、社長と新入社員じゃそうそう会話は続きませんし。

 

「1ドルが100円を切ったらどうなるんですか?」

 

今思うと無邪気に良く聞けたもんだと思いますね。

 

「そんな事にはならん!もしそうなったら集団自決せんとアカン!お前の給料はドル払いじゃ!」

 

関西弁の社長は苦笑いしてそう答えました。

気さくなオッサンでしたが、内心は穏やかでなかったと思います。本当はお手上げだけど、小僧には言えないから冗談でそれとなく状況を伝えたかったのでしょう。。。

ちなみに社長さん、円高で替えるに替えれず持っている膨大なドルの変換は下手だったようです。いっつも変換後に下がってたりしてたし。

円が安くなれば逆に儲かる訳で、こうなってくると、もはや経営ではなく博打の世界ですね。

 

さて、当時は一日に何円も変わる荒っぽい相場でしたが、1ドル100円のラインはキープしていました。

僕も含めて多くの日本人が「100円は切らないだろう」って思ってました。

というよりもそうであって欲しいと願ってました。。。

結果は…100円どころか1995年4月19日に歴史的な円高となって79.75円となり、絶対にあり得ないはずの80円まで切ってしまいました。

決まりが悪いのと怖いのとで社長には「円相場」の話しは2度と出来なくなりました…

 

当時の我が社の採算ラインは1ドル120円程と言われてました。その差なんと40円!!! 

1ドルでですよ(汗)ホンマに皆で自決せなアカンやもしれん。。。

で、ドル円相場なんて企業努力は一切関係ないじゃないですか?要は国や政治の問題です。

当時のアメリカの高官が何か言えば上がったり、下がったりする、そんなドルなる物に人生を左右されるのは真っ平だ!僕は本当にそう思いました。

数年後、転職をしましたが、ドルは全く関係ない「日本国内完結」を前提とした会社を選んで就職し少し安心をしていました。

 

なのに今、何故か海外にいます。

昨日のドル円相場は159円です。30年前の2倍ですよ(汗)

30年前の僕は「円高」は悪い事と思っていました。理不尽な事と感じていたと言った方が正しいかもしれません。

でも今は違います。僕は間違っていました。国の経済力が強くて何が悪い!?そう思います。

 

バブル末期の僕達の頃の初任給額が30年間据え置かれてましたが、最近、急にあがったようですね。

そうやって遅すぎた回復をはかるのは良いのですが、そうなると諸物価も上がっていく(汗)

こちらの年金や貯金は変わりませんから、実質、価値は減っていく一方です。どないやねん。

 

海外へ逃げようにも…1ドル80円時代なら「夢の生活」が出来たでしょうが、今の衰えた国力だと日本より少しマシ…位の生活が出来れば御の字だと思います。

10年前のタイ出張時代は1バーツ=3.3円でした。それなら何とかなったかもしれませんが、今は4.88円とな!?(汗)所得は上がらないから多分今は無理なんじゃないかな。。。

タイでリタイアするって言って移住した大先輩が心配です。うまくやってればいいけど。

 

絶対ない!って言ってた1ドル100円切れが、普通に起こりました。だったらワンチャンもう一度あるかもって考え…正直今の日本の状況をみると無さそうな気がします。。。

当時、政治的な状況で実質は「80円」の実力はなかったのかもしれませんが、今の160円って実力に近いんじゃないか…って不気味な感覚で思います。

随分と前から「インバウンド」が問題になってましたが、極端に言えば物価が半分になった国ですからね。当然海外から来ますわね。

少しでも以前の海外生活を知る人なら…今ってタイ人やインドネシア人が「日本は安くて買いやすい」って言うんですよ(汗) その怖さを解って頂けると思います。

こうして海外で暮らしていると、日本の中にいるだけでは気づきにくかった「異常さ」が、何年も前からじわじわ進んでいたのだと、あらためて思い知らされます。
新入社員だった小僧の僕が社長に質問してから30年。
1ドル80円だった為替は、今や160円近い水準です。
自分の中の「失われた30年」は、その数字の変化として、こんな形で実感できてしまいます。

 

 

 

ポチっと頂くと海外(不安)生活の励みになります

にほんブログ村 海外生活ブログ インドネシア情報へ
にほんブログ村