いとまき機クロニクル〈自転車屋のチャボ編〉 | ロンリー・オル・ナイト

ロンリー・オル・ナイト

80年代で時が止まったオサーン。タイトルは青春時代の好きな曲から…
そして今はインドネシアで怪魚釣りを夢見る男の海外奮闘記!

バンタム : 鶏の一品種。チャボに似て小形で、愛玩用。英国で改良。
        インドネシアのジャワ島西部のバンタム地方の原産という。

僕がシマノのバンタムなるリールを知ったのは釣りを始めて暫くしてからである。
親友のMが師匠と何やら話していた。Mが何かを探しているらしい…
「○○○がバンタムをまだ持ってるはずや…、○○はバンタムの竿もまだ捨ててへんやろ…」 
小学校の同級生? どうやら道具の事らしかったが、何せど素人だったから何も解らなかった。
では何故覚えているか?…好きだった「明日のジョー」がバンタム級だったからである。

僕たちが小学生だったであろう頃、第一次バスブームなるブームがあったそうな。
本当に残念なんだけど、僕はそのブームは全く知らない…
ブラックバスなる魚がいるって位の認識。
でも師匠やMは違ったんだ。近所の野池(そこらじゅうにあった…)
や東条湖でバス釣りを楽しんだんだと。
その時の道具が…バンタムだったそうだ。

そして、はるか後年、バスバブルなる空前のブームが起こった。
Mや師匠のように過去の道具を思い出して使いたいって人がけっこういるらしくて、
バンタムはこれまた信じられない(M談)位に高値で取引されるようになった…
そのバスバブルがはじけても、暫くは高値のままだった。
華奢だからまともなタマが少ないのもあるけど。
でもまあ4、5年前からようやく落ち着いてきた…
中古屋でも偶に見ることがあるようになった。

僕がバンタムをやっと認識するのはその頃である…

ちょうどその頃、僕はトップとバス釣りの情熱を失いつつあった…
トップばっかりで釣りに行き詰まりがあったし、道具を買うにも高くて手が出なかった。
釣り場も酷い事になってるし、もう釣りなんて止めちゃおうかなぁ~って思ってた…
そんなある日、偶然にNFTの「カラテスティック」を知って入手した。
中古で笑っちゃうくらい安く買えたんだ。
知ってのとおりとてもチープな竿である。でも捨てがたい魅力があって何故かとても気に入った!
この最安値のフジグリに合わすリールは…って久しぶりに意欲が湧いたのを凄く覚えている。
そこで偶然入ったベリーで僕は黒いマグのバンタムに出会った。安い廉価版の奴!!
中古でバンタムを見たのは初めてだった。
値段もCD一枚分ってとこだったし、すぐその場で買った。
考えてみればABU以外のリールは初めてだったけど、あまり意識はしなかった。
ごく自然に手に取った。えらく小汚いリールだったけど、
整備は楽しかったし、とても簡単だった。何か嬉しくて仕方がない。
もう使ってみたくてたまらなくなった…
だから本当に久しぶりで釣りに行った! 2年ぶり以上だったんじゃないかなぁ

釣り場について軽く投げた第一投は忘れられない…

本当にバス釣り何回目かの衝撃だった!!

僕はそれまでABUしか使ったことがなかった。
だから軽く投げたルアーが唸りを上げて飛んでいき!自分が落ちると予想した地点
(ABUの距離…)のはるか先でポトンと落ちたのを見た時は仰天した!

嘘だろ??? 

それでいてバックラッシュもしていない…ムキになって何度も何度も投げてみた。。。
このボールベアリングなしのリールは、ぶっちぎりの飛距離をだし、抜群の安定感を誇った!!
こりゃアカンで…もうABUには戻れん! その時そう思ったのをはっきり覚えている。
こうなるとABUの重厚と言いつつ、途中で失速するような、
あのかったるさが許せなくなった…
25年前の少年たちはABUに幻滅したんではないか? 
ABUが憧れの的であるのは無理があったんでは?
この日の釣りが終わる頃、僕は家じゅうのABUを処分し、
バンタムに変える事を固く心に誓っていた!
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決心後、また偶然入ったベリーで銀色のバンタムを手に入れた。
本当にすぐ後でびっくりした!今まで見た事も無かったのに… 僕には何故かそんな運がある。
海釣りに使われてたらしく、腐食して穴が開いていたがバンタムの抜けるような回転は健在だった。
日本製のかっちりとした造りと精度を持ったこのリールに僕はもう完全に夢中になった!
それから後は…一時期には手持ちのリールのほとんどがバンタムになった。
それ位のめり込んだ。使い込むとさすがに良い事ばかりではない事もあった…
まず華奢な事。どんなにラフに扱っても壊す事が難しいABUとは違い何かと気を使う。
あとはプラスチックなサイドカバー! これは弱くてメッキが浮いてたり、傷だらけにすぐなる。
まあ使い込まれてボロなタマが多いんで、程度の良い物を探すのも大変だ…
メーカーが腹が立つ位にフォローをしないんで、部品どり用の物を数台持って対応しないと危ないし。
でも何かこのリールには人を夢中にさせる魅力があると思う。
そしてそれはその後の日本製のリールがついに持ち合わせなかった稀有な物だと思う!

親友のMは今でもバンタムの事を探しているのかな??
海釣りにハマっているそうだけど、僕がバンタム持ってるよって言えばどんな顔をするのかな…
何故か僕はいまだにMにはバンタムの事を話していない。

バンタムの秘宝!?なるロッドシリーズ! コルフォーハンドルがいい感じ!!

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