妻曰く「友達宅へのお泊まり日」が訪れた。
友達ではなく、浮気相手とホテルにでも行くのかもしれないと想像していた私は、不安と焦りに苛まれていた。
でも、どうしようもできず。
夕方になり、妻が車に乗って出発するのを見届けるしかなかった。
ところで、この日はあるドラマの最終回が放送される日だった。楽しみにしていたはずが、気分は盛り上がらない。
そのドラマは数年前に放送された続編。一作目のときは、妻と仲良く観ていた。当時を思い返し、何とも言えない悲しさに包まれた。
酔えば気も晴れるかと、スーパーに買い出し。いつもより多めの酒を用意した。
子供と夕飯をとり、風呂に入れて、寝かしつける。
「酒」「つまみ」「楽しみにしていたドラマ」。最高の時間のはずが、気もそぞろ。大して酔えずにドラマを見終わる。
不安な気持ちのまま、ベッドに入る。
雨音が聞こえてきた。雨が気分を更に憂鬱にさせるも、眠りに落ちる。
玄関ドアが開く音で目が覚める。
時計を見ると朝5時。
妻が帰ってきたようだ。
友達宅に泊まりに行って、こんな早朝に帰宅??
私は起きて、部屋を出た。
廊下で妻と対面。
私「帰って来るの早くない?」
妻「(露骨に嫌な顔で)別にいいでしょ
眠れなかったから帰ってきただけ
」
私「友達の家に泊まって、こんな時間に帰ってくるなんておかしくない?」
妻「は?うるさい
どうだって良いでしょう
」
と、妻はそのまま子供達がいる寝室へ入り、扉を閉めた。
私は、それ以上、追求できなかった、、、
その後、私はふと思い立ち、玄関から外に出る。(虫の知らせか?)
深夜に降り出した雨はもう上がっていた。
自宅の駐車場には車が2台。
1台は雨で濡れている。
もう1台は、、、濡れていない。
濡れていないのは、妻が泊まりにいくのに使った車、、、、
両隣のご近所さんの駐車場を確認も、どちらも雨に濡れている、、、
どういうこと?
想像は膨らむ。
浮気相手と行ったホテルの駐車場に停めていた?
いやいや、友人の家の駐車場にはカーポートがあった。
だから、濡れなかったんだ。
そう思い込むようにした、、、、
この頃は、自分の精神状態を保つため、必死で「そんなはずはない」と自己暗示をかけて、過ごしていた気がする。
それから、数週間後、自分の思い込みが誤っていたことが判明する。