
映画館の中も父親だらけだった。
僕らが聞いた「アメリカ軍は兵隊を大切にする」というのが
真っ赤なウソであることが、あっけなく判明する。
兵隊さんが、すり鉢の中のゴマのようにすり潰されるのは、
どうやら洋の東西を問わないらしい。
また、戦争に美談など存在しないことも判明する。
うすうすは気づいていたけれど。
そもそも、タイトルになっているこの有名な写真が
とんでもねぇインチキな代物であることも判明する。
戦争の親玉(軍幹部や政財界の御歴々)が、最悪な俗物であることも
ほとんどギャグとして見せてくれる。
凄まじい戦闘シーンを、まるで静かな語り口調のように撮る、
という離れ業を、C・イーストウッドは簡単にやってのける。
プロの中のプロは、渡辺謙や二宮和也をどう撮るのだろう。
「硫黄島からの手紙」がとても楽しみだ。