実るほど頭を垂れる稲穂かな
経験を積むと人が謙虚になっていくという名句である。



なるほど



垂れた頭に荒ぶ秋風


実るどころか抜け、枯れ落ちている。
来年には秋風をつむじで受け止めることができないかもしれない。そんな不毛地帯には夢など実らず不安がいっぱいで、必死な抵抗、それもまた滑稽。抜け落ちる毛(戦友)の数々、募る不安、俺は戦禍の中なのである。そなのかも知らないが俺はまだ戦おうと思っている。まだ育毛、発毛という夢を見て、加齢と戦いたいと思っている。

まず、櫛を買い、先発ブラシを買い、またスカルプD(エントリーモデル)を買った。また、5年通って貯めた美容院のスタンプカードで育毛剤を買い、頭皮を毎日マッサージする決意をした。

俺の戦いはまだ終わっていない。諦めたら剃るだけ。まだ、戦いたい。