利用している方の娘さんから、#宅ろう所太陽と月　の集客のためになるならと、SNSにお母様の事を書いて下さいました。了承のもとで掲載させて頂きます。

娘さんとはオンラインで知り合いました。

最初は手話通訳の先輩が主催する介護の悩みを話す会があり、私が参加したのがきっかけでした。

私は、そもそもデイサービスを起業して開設しましたが、流行りの介護離職をして郷里の新潟県にUターンした人間です。

それまで、10年間を介護と手話通訳の二足の草鞋で歩んできて親に迷惑をかけすぎたのか（思春期は親に迷惑をかけられていたと思っていました）母が認知症を発症し、脳梗塞で倒れたことをきっかけに仕事を辞めて戻ってきました。

介護相談を受けていた私が、介護相談をする側になり、あらためて介護をお願いする家族の気持ちや両親を施設入所させる家族の気持ちがわかりました。

これは、体験した人しか分からないものもあると感じました。

冒頭の方は耳がきこえなくて、お母様の認知症に悩まれていました。

お話を聞いただけでは病状がわからないので、実際にお母様を施設見学に連れ出してもらい、一度目は失敗。二度目は、ご主人様と来所されました。そこで、改めて認知症が進行していることがわかりました。

また、ご主人様を含めご家族様がとてもお母様を大事にしていることも伝わってきました。

私たちは、よくろう難聴の高齢者の支援だけを専門にしていると誤解されることがあります。

本当は、介護を必要とするきこえる高齢者の方々も対象にしています。

さらに、ろう難聴の娘さんや息子さんで、きこえる両親の介護に悩む方々の支援にも重きをおいています。

多くの人は、ろう難聴両親のもとにろう難聴の子供が生まれると思われています。しかし、ほとんどは耳がきこえる両親のもとでろう難聴の子供は生まれます。つまり、ろう難聴の子供はその後に成長して、耳がきこえる両親の介護をしなければならなくなるのです。

そして、認知症の進行とともに、口話で会話ができなくなったご両親とのコミュニケーションは、より一層難しくなってきます。

手話をご両親ができていれば良いですが、ろう難聴の家族をもつ全ての家族が手話ができる訳ではありません。

そんな時に私たちのような手話ができる支援者やろう難聴の支援者の役割があるのではないかと思っている訳です。

今日も、お母様はうちのデイサービスを利用されて、帰りの車の中ではぐっすり眠っていらっしゃいました。

非日常的な一日で、さぞ疲れたと思います。

それでも寝顔をみていると、今日の支援がまずまずお気に召したのかなと思ったりもしています。

ご家族の心理的平穏、安心。ご本人の笑顔、一日の安全。それらが私たちの仕事の役割なのだと、私も介護を依頼する家族として感じています。

介護を依頼する家族として想う事